米軍、イラク従軍拒否の ワタダ中尉を起訴 〜不法な戦争と占領を 拒否することは犯罪ではない〜 翻訳:寺尾光身 2006年7月7日 |
軍、ワタダ中尉を、侮辱、無作法行為および 移動不履行で正式起訴 マスコミへのお知らせ 〜直ちに公表 エレン・ワタダ中尉の家族と友人たち フォート・ルイス、ワシントン州− 本日、2006年7月5日、エレン・K・ワタダ中尉は、軍事司法統一法典の3カ条、すなわち、移動不履行(第87条)、上官に対する侮辱2件(第88条)、そして、将校・紳士にふさわしくない無作法行為3件(第133条)によって、正式に起訴された。 この6件の起訴全てに高等軍法会議で有罪判決が出ると、ワタダ中尉は7年以上の陸軍刑務所入りを言い渡されることも有り得る。 ワタダ中尉の弁護士エリック・ザイツ氏は今朝、「移動不履行罪は予想していたが、侮辱罪、無作法罪には虚を突かれた感じで、ワタダ中尉の言辞の内容の再検討を必要とし、米国憲法修正第1項(訳者註:言論の自由条項)の重要問題を提起するものだ。 我われは軍がこれらの問題を法廷の場で議論する機会を与えてくれたことに、満足している」と語った。 これまでの第88条に関わる訴追は、ほとんどが南北戦争と第一次世界大戦時のものであり、知られている直近の訴追は1965年だった(ハウ対米国)。ハウ小尉はベトナム戦争に反対していた。(訳者註:ヘンリー・ハウ(Henry Howe)少尉が米軍基地へのデモに私服でプラカードを掲げて参加し、軍法会議に掛けられ重労働2年に処せられた。おだやかな政治的意思表示にたいしては罰が厳しすぎるというのが、大方の評価だった) 全国のワタダ中尉支援者たちには、再度支援行動が呼びかけられ、広範な啓発行動キャンペーンの計画が練られている。 ピュージェット・サウンド地域(訳者註:ワシントン州シアトルのピュージェット湾地域)の諸グループは明日7月6日午後5時に、州間道路5号線を越える119番出口のフォート・ルイスへの入り口に隣接する高架交差路で集会を持つことになっている。先週、6月27日には30を越える都市で1000人以上の市民がワタダ中尉と共に立ち上がる全国行動日に賛同して集会を行った。 ワタダ中尉は最初イラク戦争と占領が違法であることに抗議して、2006年1月に黙って辞職しようとした。6月7日の声明のビデオでワタダ中尉は次のように宣言している。「重大な不正義に反対して発言することは、アメリカ合州国陸軍の一将校という立場にある私の義務である」と。 6月22日、ワタダ中尉は第3ストライカー旅団の一員としてイラク行きの航空機に搭乗することを拒否し、配備命令を公然と拒否した最初の将校となった。 「イラクにおける戦争は道義的に許されないばかりでなくアメリカの法律を恐ろしいまでに侵害している、というのが国軍の一将校としての私の結論です。不法な行為に参加せよとの命令はやはり違法ですから、名誉と誠実を重んずる一将校として、私はそのような命令を拒否しなければなりません」とワタダ中尉は説明した。 イラクでアメリカ合州国が行っていることに反対の意思を表明する軍高官、陸軍士官学校卒業者、現役および元の従軍者の数は増えつつあるが、ワタダ中尉はそこに加わることになる。 ワタダ中尉の家族と友人たちからの情報を更に得たい方は以下のサイトをご参照ください。 ≪軍ワタダ中尉を大統領侮辱で起訴;7年以上の陸軍刑務所入りに直面≫ <不法な戦争と占領を拒否することは犯罪ではない> 全国啓発と行動キャンペーン実施中 国際行動日とワシントン州フォート・ルイスにおける大衆行動> 7月5日、米国陸軍中尉エレン・K・ワタダ中尉は、軍事司法統一法典の3カ条、すなわち、移動不参加(第87条)、上官に対する侮辱2件(第88条)−特に G. W.ブッシュ大統領に対する、 そして、将校・紳士にあるまじき不作法行為3件(第133条)によって、正式に起訴された。この6件の起訴全てに高等軍法会議で有罪となれば、ワタダ中尉は7年以上の陸軍刑務所入りを言い渡されることも有り得る。 ワタダ中尉の弁護士エリック・ザイツ氏は今朝、「移動不参加罪は予想していたが、侮辱罪、無作法罪には虚を突かれた感じで、ワタダ中尉の言辞の内容の再検討を必要とし、米国憲法修正第1項(訳者註:言論の自由条項)の重要問題を提起するものだ。我われは軍がこれらの問題を法廷の場で議論する機会を与えてくれたことに、満足している」と語った。 これまでの第88条に関わる訴追は、ほとんどが南北戦争と第一次世界大戦時のものであり、知られている直近の訴追は1965年だった(ハウ対米国)。ハウ小尉はベトナム戦争に反対していた。(訳者註:ヘンリー・ハウ(Henry Howe)少尉が米軍基地へのデモに私服でプラカードを掲げて参加し、軍法会議に掛けられ重労働2年に処せられた。おだやかな政治的意思表示にたいしては罰が厳しすぎるというのが、大方の評価だった) ワタダ中尉が6月22日にイラクへの移動を拒否する前から、軍は中尉の発言に調査を絞っていた。実際の起訴によって、軍の主要な意図がワタダ中尉の異議を黙らせることにあることが確認された。 <全国啓発および行動キャンペーンで対応> 私たちは皆さんに、個人としてまた団体として、向こう数週間から数カ月、米国陸軍エレン・K・ワタダ中尉支援のためにできる限りのことをしてくださるようお願いいたします。 私たちは、ワタダ中尉の行動が、不法な戦争と占領に立ち向かい終結させるという、また、不法な戦争、占領および戦争犯罪に加われとの不法な命令を拒否する意思を貫いている勇気ある兵士や将校を支援するという、歴史的な機会を与えてくれていると確信しています。私たちは、ワタダ中尉の行動を、より良い、公正でより平和的な世界へ向かう意義深い一歩と位置づけたいと思います。 <国際行動日;フォート・ルイスでの大衆行動> ワタダ中尉の家族・友人たちは、中尉の軍法会議が予定されている日−恐らく9月の何日か−の前日に、国際支援行動を行うよう呼びかけています。 私たちは諸団体に、自分の地域の適当な場所(連邦ビル、兵士募集センター、目立ちやすい交差点など)で、デモ、集会、行進、パレード、ビジル、それに啓発行動の企画を練り始めることを願っています。 太平洋岸北西地域の個人・団体、移動可能な仲間たちは、行われる軍法会議に向け、軍法会議前の一連の啓発行動に向けて、フォート・ルイス(シアトル/タコマの南、オリンピアの北)に集結して下さい。 <不法な戦争と占領に対する啓発と反対行動> 私たちは支援してくださる皆さんに、向こう数カ月、所属する団体、ネットワーク、地域社会に、ワタダ中尉の行動について、イラクに対する戦争と占領が不法であることについて、啓発をして下さるようお願いします。 やり方としては、様ざまなニュースレターやウェブサイトへの記事の掲載、編集者への手紙や論説の投稿、ティーチイン、ビデオ上映、などがあります。 私たちは向こう数日から数週にかけて、啓発のアイディア、資料(ビデオ、ティーチインのアイディア、ダウンロード可能な啓発用資料など)の最新の情報を送ったり、ウェブサイトに掲載するなどなどをするつもりです。 <ワタダ中尉支援キャンペーンの目標> ワタダ中尉に対する支援キャンペーンがめざす目標は、以下の通りです。 1) ワタダ中尉を処罰させないこと 2) 不法な戦争と占領への参加を拒否することによって、国際法、軍法、アメ リカ合州国法を遵守しているワタダ中尉たちにたいして、膨大な市民による支 援を形成すること 3) 無法なイラク戦争と占領を非合法化すること。 4) 不法な戦争と占領を拒否する者を訴追したり、不法なイラク戦争と占領を 継続することが、社会的にも、政治的にも、経済的にも大きな代償を払わねば できないような状況を作ること |