日本から最東端の都市 セント・ジョーンズ探訪 青山貞一 2006年10月22日 転載禁 |
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この初秋、日本から最東端にある町、セント・ジョーンズ市に成田→ニューアーク→ハリファックス経由ででかけた。目的は環境調査である。 まずセントジョーンズがあるニューファンドランド・ラブラドール州(以下、NFL)の位置を以下に示す。赤い部分がNFLである。まさに北半球の最果ての地だ。セントジョーンズは、赤い部分の右端のニューファウンドランド島にある。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 カナダ全図:赤○の中が最終目的地のセントジョーンズ 日本でNFLに関連したことといえば、ラブラドール犬であろうか! ラブラドール・リトリバー犬もそうだ。町のおみやげやにも、ラブラドール犬の縫いぐるみや絵はがきがある。散歩に連れ歩く犬もラブラドールばかりだ。現地では黒色の犬が多かった。 さらに以下のイラストに示す大型犬のニューファンド犬も有名だ。こちらも黒色が圧倒的に多かった。 まず、州都、セントジョーンズ市があるニューファンドランド島の歴史について見てみよう。
NFLの州都、セントジョーンズは日本からまさに最東端にある。 よく行くカナダ・ノバスコシア州のハリファックス市よりさらに北東にある。 ハリファックス市でも日本人に出会うことは希だが、セント・ジョーンズとなるとほとんど日本人には会わない。セントジョーンズ市の人口は約10万人。広域圏の人口は約17万人(2001年統計)である。
セントジョーンズ市は、カナダ・ニューブランズウィック州のセント・ジョンと混同されがちだが別の街である。 繰り返すが、セントジョーンズ市は北米で最も東にある都市であり、アトランティック・カナダ(北大西洋側のカナダ)ではノバスコシア州の36万人のハリファックス市に次ぐ2番目の規模である。 9月上旬の気温は天気が悪かったこともあるが、18度前後、真冬はマイナス20度以下、10月下旬の気温は8度前後で相当寒い。 以下は、セントジョーンズ空港のプレートだ。空港は上の地図を見れば分かるように、市の北にあり、市中心部との距離はわずかである。 今回は、そのセントジョーンズ空港にたどり着くのが至難の業だった。これについては、すでに以下のブログに書いたので読んで欲しい。 ◆青山貞一:厳戒体制下での米国トランジット大奮戦記 今まで何100回と飛行機に乗っているが、これほど目的地に到着するのに苦労したこともめずらしい。 ハリファックス空港を朝一番立った。小型ジェットを使い1時間ちょっとでセントジョーンズ空港に到着。午後に調査で訪問する時間までの数時間、車で町を回ってみることにした。町そのものはそれほど大きくないので、自動車なら簡単に見て回れる。 衛星画像で見たセントジョーンズ。中央の湾がセントジョーンズ港 セントジョーンズ市のクレスト セント・ジョーンズに着いて分かったのだが、この町はもともとハリファックス同様、北大西洋漁業の拠点であり、漁港の町である。入り組んだ湾奥に漁港と船舶用のドックがある。 市の情報によると現在は、沿岸化石燃料採掘、海洋土木技術、漁業海洋バイオ技術、、海洋観光など、漁業だけでなく多様な海洋産業都市となっている。セントジョーンズ港の写真を以下に示す。大きな船舶が湾に出入りしている。
湾側から見たセントジョーンズ市を市役所のwebから示す。 Copyright City of St. John's ところでこの町には、おもしろい地名がある。たとえばシグナル・ヒルだ。直訳すると、「信号の丘」である。その名の通り、カナダ東海岸とイギリス本国の間で最初に電信による通信を行った場所であるという。 セントジョーンズを見下ろす小高い丘のテッペンに下のイラストと写真のように歴史的な建造物があった。この建造物のなかに、無線通信の設備があり、現在はシグナル・ヒルの歴史博物館となっている。
よくみると、アマチュア無線のトランシーバーやQSLカードもある。さらに年代物の送信管(真空管)も展示されていた。 JA1IDYの無線局をもつ筆者としては、びっくり。歴史的建造物の上から1.8Mhz〜7Mhzのワイヤーアンテナも張ってある。おそらくときたまここにカナダのハムが来て、電波を出しているのだろう。
建物の一角におみやげコーナーがあった。そのなかに上の写真にあるパフィン(Puffin)というかわいらしい鳥のぬいぐるみがあった。聞けば、ニューファウンドランド州の鳥とか。日本でも知床半島などに生息するエトピリカがいるが、そのなかまのようである。
シグナル・ヒル市中心部に駆け下りてみた。残念ながら雨模様の天気で写真がうまくとれない。 そこでセントジョーンズ市のwebに掲載されている写真から中心市街地の様子を以下に示そう。 ノバスコシア州の世界遺産の町、ルナバーグを彷彿とさせる。実にカラフルでおとぎの国に行ったみたいで見ているだけで子供心になる!
一通り、市街地を見て回った後、今回の訪問機関のひとつ、ニューファウンドランド州政府に行ってみた。NFL州政府はシグナル・ヒルからもよく見える。このころから天気もいくらか回復し、すこしだけ日が差してきた。
なお、現地調査内容については、別途調査報告書を作成しており、ブログには示していない。 つづく |