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ケイプ・ブレトン高原
国立公園を楽しむ!
〜Cape Breton Highland National Park〜

青山貞一

2006年10月27日


転載禁


 ウエストマボーを後に、一路、陸地が海に急降下するすばらしい地形が見えるケイプブレトン高原国立公園に向けひた走る。今日の宿泊地は、国立公園がちょうど終わる地点、インゴニッシュ(Ingonish)である。 

 途中、フランス系カナダ人、アカディア(Acadie)が多数居住するCheticamp(仏語)地域を通過する。あちこちに、トリコロールのフランス国旗がはためいている。カナダにはこのような地域が全国各地にあるが、ノバスコシア州にも15ものアカディアが居住する地域がある。英語ではケイジャンと呼んでいる。


通過したCheticampの町、そそかしこにフランス国旗がある


ケイプブレトンにおけるCheticampの位置

 ケイプ・ブレトン島には、Cheticamp以外に島の南部に Isle Madame と言う地域がある。その先端に Little Anse と言うアカディア(ケイジャン)が住む小さな町がある。これについては、別途ブログ化したい。

アカディアの歴史

当初この地域はフランス中西部出身者を中心として入植されたが、仏領ヌーベル・フランス(現ケベック州)と英領ニューイングランドの間に位置するアケイディアの領有権は北米植民地の覇権を争う二国の間を度々行き来し、1755年、フレンチ・インディアン戦争(French and Indian War)勃発を機に、英国はフランス系住民に対し、英国に忠誠を誓うことを強制した。これを拒否し、あくまで中立を固辞したフランス系住民に対し、英国軍はその住居を焼き、所有地を没収し、フランス本国または英国植民地に強制的に移送するという、現代の国際法の観点から見ると大変非人道的な措置を取った。この事件はGreat Upheaval、Great Expulsion、Deportation、または Acadian Expulsionと呼ばれる。移送を逃れたフランス系住民の多くはは先住民の手を借りて仏領ヌーベル・フランスに逃亡した。ケベック州マドレーヌ諸島にはイギリス軍の追及が及ばなかったため、アカディア人の集落は存続した。移送されたアケイディアの人々の多くは1763年ごろから英国領となった旧アケイディアに帰還し始め、イギリス系住民の入植地を避けてニューブランズウィック州南東部(モンクトン Moncton 付近)沿岸、北部沿岸、そして州北西部セント・ジョン川(Saint John River)流域のマダワスカ郡(Madawaska County)、ノバスコシア州ケープブレトン島のシェティキャンプ(Cheticamp)とセント・メアリーズ・ベイ(St. Marys Bay、仏発音:ベイ・サント・マリー Baie Sainte Marie)、プリンスエドワード島南西部エグモント・ベイ(Egmont Bay)、モント・カーメル(Mont Carmel、発音:モン・カルメル)付近など、そのほとんどが海沿いの土地に定住し、漁と干鱈の加工で生計をたてた。また、アカディア人の一部は、アメリカ南部のルイジアナ地方に定住し、「ケイジャン」の祖となった。
(強調部分は筆者)


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』




 Cheticampを後に、どこまでも直線、そして対向車がほとんどいない道路を走ると、やっと下の写真にあるカナダ政府国立公園局のケイプブレトン高原国立公園の看板に出くわす。途中、生協によって果物などの食べ物を調達する。

 遅い昼食を兼ねてケイプブレトン高原国立公園事務所で休憩。途中、生協で買ったバナナ、イチゴ、プラムなどを食べ、牛乳を飲む。何ともヘルシーな昼食だ!?


 国立公園のなかを少し行くと、何と夢にまで見たケイプブレトンのユニークな地形と自然景観が眼前に展開しだした。要所で車を止め、自然景観を堪能する。

 以下はケイプブレトン高原国立公園の全図だが、以下の黒い線で示されるほぼ道路をすべて走破することになる。


ケイプブレトン高原国立公園マップ

ここはすでに国立公園の中

 陸地、高原が急激に海に落ちる景観のオンパレードだ。好天も手伝ってすばらしい景勝を堪能。この地形、景観はどこかに似ていると思ったら、何と北海道の知床半島に似ている。

 公園内をさらに走ると海が見渡せる見晴らし台があった。銀色の海を、凪っており、銀色のグラデーションとなっている。


 国立公園内は、車で巡回できる。その昔、国際大気汚染学会でカルガリーに池田さんと発表に行ったとき、学会の事務局長がわざわざ私たちをバンフ国立公園内に連れて行ってくれた。そのときも同じ事を感じたが、カナダの国立公園は重装備でなくとも、極端な話し、女性がハイヒールを履いていても雄大な自然景観が一望出来るところに大きな特徴がある。


3次元衛星画像で見たケイプブレトン高原北部地域

 飛行機からしか見えないが、この国立公園には以下の写真のような景観が多数ある。


source: Northeast Highlands Chamber of Commrce

 今回のケイプブレトン高原国立公園もまったく同じ思想で公園がつくられ管理されている。勇壮、雄大な自然が老若男女誰でも楽しめる。




 尾根を下る当たりにプレゼントベイがある。その先は、一端国立公園から外にでる。出たところに集中的にB&Bやミニホテルがある。


高原の尾根からの自然景観


ケイプブレトン高原からインゴニッシュに向かう途中に見えるケイプスモーキー



 さらに数10km行くと、インゴニッシュと言う漁村についた。


 あらかじめインゴニッシュにはB&Bやロッジがたくさんあるとビジターセンターで聞いていたこともあり、ここで一泊することにする。ただ、このロッジは朝食がない。


衛星画像で見たインゴニッシュ湾付近


インゴニッシュの全体地図。テーブルマウンテンは正式にはケイプ・スモーキーという。
source:http://www.ingonish.com/visit.html


3次元衛星画像でみたインゴニッシュ湾周辺地域



ロッジの庭からテーブルマウンテンがこう見える!


漁港の夕暮れ

 インゴニッシュの夕暮れだ。時々刻々と景色が変わってゆく。


 夜、近くの魚介レストランに行く。牡蠣、エビ、タラと言ったこの地定番の魚介を使ったさまざまな料理をオーダー。何しろ安い、そして結構いける。


レストランの席からテーブルマウンテンを見る

  つづく