世界各国の核弾頭保有数 〜あまりにもご都合主義の米国〜 青山貞一 平成18年10月15日 |
|||||||||||||||||||||||||||
いかなる理由があろうと使ってはならないのが核兵器だとすれば、その核兵器を世界で一番多く保有しているのは、どこの国であろうか? それは、他ならぬアメリカ合衆国(以下、米国)である。しかも、米国は核実験のみならず、他国(=日本)に原爆を投下した唯一の国でもある。 米国が所有する核弾頭は、各種の出典をもつ統計からみて、実に10,000発、人類を5〜6回殺傷する能力を保持していると推定される。 また、米国が声高に叫ぶ「大量破壊兵器」と「通常兵器」との区別もきわめて恣意的なものと思えてならない。 通常兵器に分類される巡航ミサイルやデージーカッター爆弾、劣化ウラン弾は、アフガン戦争でも米国に多用されている。これらがもつ殺傷能力は大量破壊兵器に準ずるものがあるからだ。 核不拡散条約(NPT)に参加している核兵器保有国は、アメリカ合衆国、ソビエト社会主義共和国連邦、英国、フランス共和国、中華人民共和国の5カ国であるが、これらは、第二次世界大戦の戦勝国、国連の常任理事国であり、1968年7月調印されたものである。 しかも、上記の国々は核兵器保有国は核兵器を持ち続けることができ、査察を受ける義務もない。 そんな国々、とくに他国に勝手に踏み込み石油資源や天然ガス資源を収奪する米国が声高に、北朝鮮、イランなどを「悪の枢軸」と呼び、核の保有をまかりならぬという現実を私たちはもっと直視すべきではないか! もちろん、核拡散が人類にとって良いわけはない。しかし、いつもそうだが、大量破壊兵器やミサイル実験、核実験そして核弾頭保有に関連し、あまりにも米国のご都合主義にはあきれる。 現在、核保有国は、上記の5カ国に加え、パキスタン、インドがあり、核保有疑惑国にイスラエル、イランがある。これらの国々はNPTに調印していない。 そのなかで今回、北朝鮮の核保有疑惑がもちあがった。 核保有疑惑国が一様に主張しているのは、核の脅威の抑制力としての役割についてである。今回の北朝鮮による地下核実験(?)でも、朝鮮中央放送は、「多数の核をもつアメリカが、なぜDPRKにもつなと言えるのか?」と述べている。 日本のマスコミ、政治家、ジャーナリストの圧倒的多くは、このような現実にまったくふれることなく、北朝鮮の地下核実験疑惑に大騒ぎしている。さらに日本の政権政党やその広報機関と化している多くのメディアは、ことさら北朝鮮の地下核実験問題の恐怖をあおり立て、周辺有事法の適用はじめ、新たな有事立法への道を開こうとしている。 北朝鮮の独裁的政治体制が問題なのは当然としても、以下の諸データで分かるように、桁外れの核弾頭と言う大量破壊兵器を保有しながら、他国を一方的に「悪の枢軸」と呼び、踏み込む米国に、どれだけ説得力があるのか? またロシア、フランス、イギリス、中国も同じである。 以下の現実をとくとご覧頂きたい! ここ数ヶ月のマスコミ報道のなかで、以下のデータを伝えた報道機関はおそらく皆無である。 |
|||||||||||||||||||||||||||
|