北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープの「牛ミンチ」を製品化していた企業・団体が、それぞれDNA鑑定に乗り出し、次々に結果が公表されている。22日までの判明分のほとんどに、豚が混入されていた。
北海道加ト吉は、ミート社から納入された「牛ミンチ」を使い、32品目を製造していた。親会社の加ト吉(本社・香川県観音寺市)は同日、外部検査機関にDNA鑑定を依頼していた結果の一部を明らかにした。
同社によると、32品目をそれぞれ1品ずつ鑑定に出したところ、この日までに結果の出た30品のうち、23品は牛肉に豚肉が混入されていた。豚肉が確認されなかった残りの7品については、鶏肉や羊肉の混入の疑いもあるとみて再検査する。
北海道加ト吉がミート社の肉で製造していた一つが、日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)が販売していた「CO・OP 牛肉コロッケ」。
日本生協連も、北海道加ト吉に保管していた同商品約30品を検査機関に送り、遺伝子レベルでの検査を依頼。同日までに12品の結果が判明した。
それによると、12品すべてに豚肉などが混ざっていた。
生協連は同日、ミート社の原材料を使った春巻きやシューマイなど4商品の供給停止を決めた。
一方、大豆関連製品大手の旭松食品(大阪市)の製品に使われたミート社の「牛ミンチ」も豚だったことがわかった。
旭松食品が全国販売している介護食の冷凍食品「やわらか百菜」シリーズの原料として、製造委託先の秦(はた)食品工業(滋賀県竜王町)が、ミート社から「牛ミンチ」を仕入れていた。
今回の問題を受け、旭松食品が1キロ分の在庫を検査機関で鑑定したところ、牛の反応はなく、すべて豚だった。同シリーズの、肉じゃが(2種)▽すき焼き煮▽ビーフシチュー▽牛肉の柳川風――の5品目について、自主回収を決めた。