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2011年11月13日のメルマガ”ごまめの歯ぎしり”で河野太郎衆議院議員は、次のように、科学技術予算の突出を警戒している。 福島第一原発の巨大事故で、文部科学省が所管する科学技術予算は減額かと思いきや科学技術振興予算が増額されたそうだ。 福島第一原発事故で最初に思い起こすのは、いうまでもない過去、巨大な予算を投入しながらSPEEDIが事故の初期段階でまったく機能せず、多くの福島県民が3月15日から23日の間で高いレベルの放射線や放射能の外部曝露を受けたことだ。
以下は河野太郎衆議院議員の2011年11月13日のメルマガ”ごまめの歯ぎしり”の一節だ。
◆ここ一番で機能しなかったSPEEDI SPEEDIが事故当初、リアルタイムのシミュレーションを提供とするシステムとして機能しなかったのは、技術的な理由ではなく、政治的な理由という指摘もあるが、技術であるか政治であるかは別として、現実に何ら機能しなかったのは間違いない! 事故からかなりの時間が経ってからやっと出してきたシミュレーション図は、幼児の甲状腺に蓄積した放射線量とかで、一般の人が見ても、いったいその図が何を意味するのかが分からなかった。本来、避難やヨウ素剤服用の目安として参照されるべき重要な情報なのであるから、当事者である住民がその判断が出来る解説が必要であった。またすでに公表した時点ではヨウ素剤服用の時期を過ぎているから幼児の甲状腺に関する情報より外部被曝に関わる情報を優先すべきである。 おそらく、部分的な空間線量率のモニタリング値や土壌の実測値がでてから、それに整合するように結果を合わせ、しかも幼児の甲状腺に積算した放射線量などという、まったく国民を馬鹿にした図をだしてきたのだろう。驚きである。 ※ 3月23日頃、最初に安全委員会から公表されたのは内部被曝 臓器等価線量とかで、12日間、屋外にいた場合の幼児が 甲状腺に受ける被曝線量であった。ヨウ素の同位体の合計で ありヨウ素131の積算線量を示していた。しかし、こんなものを 大きな放出があった後になって、公表してもほとんど意味が ないことは明らかである。 「スクリーニングレベルを超える例はありませんでした」という言い訳 をするために公表したと言われても仕方ないだろう! 過去における文部科学省の科学技術政策振興予算の目玉は、原発開発、宇宙開発、海洋開発、それにスパコン開発である。 過去、巨額な予算を投入しながら原発が前代未聞の巨大事故を起こし、同じく巨額を投入し開発してきたスパコンとSPEEDIが肝心なところで機能不全となったのである。 にもかかわらず、民主党政権は未曾有の財政難の中、科学技術予算を増やしているというのだから驚きである。 次に、原発と SPEEDIの両方に関わってきた(財)原子力安全技術センターだが、そのセンターのサイト(センターの歩み)をみると、1980年代にSPEEDIの研究開発を開始、1986年(昭和61年)にSPEEDIの運用を開始している。センターにはじめてスパコンがおかれたのは1990年(平成2年)である。さらにセンターでは2005年(平成17年)に 高度化SPEEDIが運用開始されている。 ※ 参考:原子力発電所からの放射線拡散予測関連資料 日本原子力研究所内部資料、1980年2月20日 このようにSPEEDIの研究開発と運用には、スパコンが不可欠なように思えるが、スパコンの計算速度をみてみると、以下の図1にあるように、開発当初から現在まで計算速度はほぼ右肩上がりで増加していることがわかる。 図1 スパコンの年代別の計算速度の推移 出典:http://www.kogures.com/hitoshi/history/super-computer/index.html つづく |