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総務省、電波利用料をトンデモ使用

〜国民訴訟制度の創設を〜



青山貞一

掲載月日:2008年5月22日


 私たちアマチュア無線家も定期的に支払わされている電波利用料が何と、総務官僚の遊興費など目的を大幅に逸脱し使われていることが民主党の調査で分かった。

 同制度創設以来、私もすでに毎年滞りなく支払ってきた。

 そもそも、テレビ、ラジオ、アマチュア無線家など無線局など無線に係わる業務は、基本的に総務省、旧郵政省の免許事業となっており、許認、免許の可主体である総務省がこの種の制度を創設すれば、免許を受けている側はどうしても支払わざるを得ない。

 支払わされているのは、テレビ局、ラジオ局、アマチュア無線局など無線局だけでなく、携帯電話も1個当たり毎年400円を支払わされている。徴収された電波利用料の総額は現在700億円を超えているというから大変な額だ。

 黙っていても毎年、700億円超が入るのをよいことに、以下の朝日新聞の記事にあるように、まさに不適切というより、トンデモない使用を総務官僚らが繰り返していたわけだ。

 私たちアマチュア無線家ら115名は、2年前から総務省相手に別件で行政訴訟や電波監理審議会への異議申し立てをしてきたが、こんな総務省の輩(やから)が電波行政をしているのかと思うと、今更ながら怒りがこみ上げてくる! ふざけるなと言いたい。

 ここ数年、厚生労働省、国土交通省、防衛省など、省庁の官僚が公金を不正、不当に使用している実態が次々に明らかになっているが、一体、官僚らは何を考えているのか。

 いずれにしても、私が福井秀夫氏(現在、政策研究大学院大学教授)らと以前から創設を提言している国レベルの住民訴訟制度を早急に立法化しなければならない。名称は、国民訴訟制度あるいは納税者訴訟制度でよいだろう。

 自治体の首長や職員が公金を不正、不当に支出した場合、地方自治法に規定された住民監査制度を経由し、県民、市民らは、住民訴訟を提起することができる。この制度はもっとも私たちに身近な行政訴訟制度として、過去から活用されており、和解を含めると6−7%、住民側が実質勝訴している。


 ※電波利用料制度

総務省よお前もか 特定財源で映画鑑賞、野球観戦…

2008年05月20日12時49分

 総務省が放送局や携帯電話会社から徴収した電波利用料を、職員のレクリエーション費などに流用していたことが19日、民主党が同省に請求して入手した資料によってわかった。野球観戦、映画観賞、無線操縦カーなどの不明朗な支出が281件約4千万円にのぼると同党はみており、国会で追及する方針だ。

 電波利用料は、電波法で違法電波監視などに使い道が限定されている事実上の特定財源で、携帯電話利用者も1台あたり年間420円を負担している。06年度の決算額は約672億円。同党はそのうち全国11カ所の総合通信局(事務所)が支出した約50億円分の内訳を調べた。

 同党によると、電波利用料が、総合通信局のレクリエーション費として、職員の美術館めぐりやボウリング、バス旅行などに使われていたとみられるほか、高額のプラズマテレビや電波置き時計、空気清浄機など、必要性や金額が妥当かどうか疑わしい支出があったという。

 同党は「道路特定財源と同様に『特定財源』のブラックボックスの中で無駄遣いされている可能性がある」として、20日の参院総務委員会などで追及する。

 一方、総務省は民主党の指摘を受け、美術館鑑賞券やボウリング、野球・テニスボールなどレクリエーション費44万円分について「現行の制度に抵触するものではないが、理解を得ることが難しい」とし、今年度から同様の支出は禁じる方針を決めたという。

 ■総務相「もう支出しない」

 総務省が放送局や携帯電話会社から徴収した電波利用料をレクリエーション費などに流用していた問題で、増田総務相は20日「法令上どうのこうのではなく、国民の理解を得られない」と述べ、支出は不適切との認識を示した。参院総務委で民主党の加賀谷健委員の質問に答えた。

 増田総務相は「こういう問題ある支出は行わない。電波利用料のあり方について基準を定め、適正さをチェックできるようにし、地方(の総合通信)局への周知を徹底したい」と述べた。

 電波利用料は、電波法で使途が違法電波監視などに限られる事実上の特定財源。携帯電話利用者も1台あたり年間420円を負担している。