世論操作紛いの NHKの首相参拝 欠陥アンケート! 青山貞一 2006年8月16日 |
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私は先に環境省が実施した環境税導入アンケートが調査の大前提を無視した欠陥アンケートであることについて報告した。以下にその報告(ブログ)を示す。 ◆青山貞一:環境省の環境税導入に関する欠陥アンケート! 今回のNHKの生アンケートも、環境省のインチキなアンケートとほぼ同じものである。ひとことで言えば、統計上の大前提を無視し、結果的に世論誘導と言われても言い訳がたたない、とんでもないアンケートである。 この種のインチキかつ世論誘導的なアンケートが環境省やNHKなど、公的機関が頻繁に行われ、しかもその結果が公表、放映されるとなると、ただただあきれるばかりではすまない。 繰り返すが、この種のアンケート調査では、次の原則、方法を採用することが客観性を担保、保証するために理論上必須条件となる。 @サンプリング方法: この種の調査では、母集団の集団特性及びその社会的属性によって特性が異なることから、無作為抽出法が用いられる。無作為抽出法には、完全無作為抽出法; 層別抽出法; 二段 抽出法; 層化二段無作為抽出法.などがあるが、 よく用いられるのは層化2段無作為抽出法である。
A母集団: この種の国の調査では、アンケート調査の母集団は、たとえば全国20歳以上の者などとする。母集団としてよく想定されるのは、選挙人名簿である。 B標本数: 標本数は、統計学に依拠し、母集団の規模によるが、この種の国の調査では最低3000人〜5000人規模が必要となる。これら母集団と票本数との間には統計学上の関係(標本誤差、標準偏差)がなりたつ。 C設問設定: アンケート調査の設問(質問)は、いわゆる誘導質問(尋問)とならないよう十分に注意を払うこと。 いうまでもなく、今回のNHKの生アンケートでは、@のサンプリング方法、A母集団選定がとくに問題となる。というより、間違っている。、 吉川議員が言われる携帯電話の操作に係わる応答手段の問題以前に、インターネットのホームページを使った環境省の欠陥アンケート同様、NHKの携帯電話による生アンケートでは、客観的アンケート調査でもっとも重要なサンプル(標本:答える人)のの無作為抽出ができないのである。 しかも、吉川議員の以下のNHK担当者とのやり取りを読むと、視聴者統括局コールセンターの西村部長が「私もテレビを観ていて、これでは民意を反映しないのでは? 変だなと思った。」と述べている。 同時に、その西村部長は、「今朝、担当に確認したら、サーバーの容量を超える大量サクセスが予想されたので、携帯に限ったとのことです。」とも述べている。 問題は携帯電話に生アンケートの手段を限定したことではなく、上記のようにアンケート調査の基本的方法であるサンプリング法及び母集団の設定を間違っていることである。 もし、意図してこの種のアンケート調査をじっししたとすれば、以下に示す放送法第一章第一条などに抵触する可能性も出てくる。
社会調査のイロハを知らないで天下のNHKが結果的に世論誘導を思われても仕方ないインチキ調査を行い、しかも全国放映したことは、公共放送として万死に値するものである。 逆に知っていてこの種のアンケートを行ったとすれば、それはNHKが世論誘導、世論操作をおこなったことになりかねない大問題である。 いずれにしても、民放、新聞社、省庁など公的機関が、アンケートと称して行うこの種の社会調査がいかに客観性がなく、結果として世論誘導、世論操作となるかについて、私たちはもっと目を光らせる必要があるだろう!! |