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2012年11月7日、独立系メディア E-wave Tokyo(東京都品川区)のスタジオで、東京新聞編集委員の土田修(つちだ・おさむ)氏をお招きし、巻末に掲げる45項目について青山貞一が直撃インタビューを行った。 土田修氏は、3.11以降、市民目線で快進撃を続ける東京新聞の編集委員、ソーシャルメディアや市民メディアにも造詣が深く、同時に既存メディアにも鋭い批判の眼光をもたれている。 直撃インタビューでは、この10年、質的に劣化が著しいと言われる日本のマスコミの中で孤軍奮闘する東京新聞の歴史、編集方針、編集体制、記者クラブ体制、広告主との関係など現在のマスコミが抱える様々な課題、また国民のマスコミ鵜呑度、マスコミによる情報操作による世論誘導、インターネット全盛のなかでのデジタルメディア化への対応、ソーシャルネットワークを用いた市民メディアの台頭への評価など、さまざまな観点から行った。 土田修氏 撮影:鷹取敦 土田修氏ご自身、世古一穂氏(NPO研修・情報センター代表、前金沢大学教授)と共著で「マスメディア 再生への戦略」(明石書店)を執筆するなど、マスメディアに在籍しながらも、劣化するマスメディアの再生、さらには市民メディアの創設に具体的に係わられており、他のマスメディア関係者からはなかなか聞けないお話を伺うことが出来た。 インタビュー時間は約1時間半。近日中にノーカットでインタビューの全容を E-wave Tokyoの動画サイト(You Tube)上で公開する予定である。 長時間に及ぶインタビューにもかかわらず、独立系メディアのインタビューを快くお引き受けいただき、忌憚のないご意見を伺うことができた。ここに土田修氏に感謝の意を表したい。 土田修氏 撮影:鷹取敦 ◆土田修氏プロフィール 土田修氏は、金沢市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、中日新聞入社、その後、中日新聞社会部、北陸本社報道部、東京本社社会部、川崎支局、立川支局、首都圏編集部次長を経て、現在、編集委員。 この間、愛知県警、石川県警、警視庁、警察庁、事件遊軍、外務省、東京社会部ニュースデスク、総務省を担当し、阪神淡路大震災、オウム真理教事件、住専問題、旧陸軍登戸研究所、フィリピンカモテス諸島医療奉仕、日中韓NPOネットワーク、コミュニティレストランプロジェクトなどを取材。 一方、NPO法人の「NPO研修・情報センター」「シーズ」「ATTACジャパン」の会員やフランスの月刊評論紙「ルモンドディアロマティーク」日本語版の翻訳スタッフなど、さまざまなボランティア、市民活動に携わっている。 日本マスコミュニケーション学会、NPO公共哲学研究会会員。 近著に「マスメディア 再生への戦略」(世古一穂氏と共著)などがある。 直撃インタビュー中の土田修氏(左)と青山貞一(右) 撮影:鷹取敦 なお、以下は青山貞一から土田修氏への質問内容である。土田氏、世古氏とは市民メディアの創造について、池田こみち氏をまじえ別途、座談会を行う予定である。今後、フリーで活躍するジャーナリストにも直撃インタビューを積極的に行う予定である。 東京新聞 土田修編集委員へのインタビュー質問内容 ●日本の現状、新聞発行部数について Q1 日本の新聞社の発行部数は、他の先進国に比べると 一桁、二桁多いのですが、その理由は何ですか? Q2 日本の新聞社の数ですが、戦前、戦後の変遷について 教えてください? Q3 戦後はどうなりましたか? Q4 他紙で電子媒体の発行を始めているところがあります。 新聞の電子媒体への移行についてどう思われますか。 Q5 過去には販売店が新聞の発行部数を支えていた面があると 思いますが、これからの新聞社にとって販売店の存在は どのような影響があると思いますか。 ●東京新聞の実態について Q6 この秋、東京新聞の編集委員になられたそうですが、 編集委員の役割は何ですか? Q7 日本にあって東京新聞は、見識有る読者から評価 されているようですが? Q8 第三者から見て、東京新聞と言えば、こちら特報部ですが、 内部からみてどうですか? Q9 東京新聞と中日新聞の関係について教えてください Q10 現在、東京新聞の発行部数はどのくらいありますか? Q11 東京新聞ですら それほど増えていない、 いや減っている大きな理由は何ですか? Q12 新聞社の経営にとって広告というのはどれほどのウェイト を占めるものですか。 Q13 東京新聞の編集体制、仕組みについて教えてください Q14 東京新聞では、どのようなタイプの記者が社内的には評価 されるのですか。 Q15 読者からの情報提供はどのように取捨選択されるのですか。 Q16 地方紙として特に編集上配慮していることがありますか。 Q17 東京新聞と中日新聞の間で編集方針の違いがありますか? ●日本のマスメディアの質的劣化について Q18 本来、行政や権力を監視すべきマスコミですが、 日本では「社会の木鐸」は死語といってよいですね? Q19 日本のマスメディア、とりわけ新聞の質的劣化は はなはだしくなっていますね。 Q20 通信社からのニュースや情報の選択、評価はどのように おこなっているのですか。 Q21 科学的な問題は素人である記者が正確に把握して記事に するのが難しい面があると思いますが、この点について 東京新聞ではどのように取り組んでいましたか。現在は どのような課題があると思いますか。 ●マスメディアと行政の関係について Q22 八ッ場ダム最下位に関連した国土交通省の審議会委員に 地方新聞枠があり、東京の場合東京新聞の野呂次長が 入っています。 Q23 上毛新聞など、国土交通省から1000万円級の広報 業務を特命随意契約で受けていますが、新聞社がこんな ことをすること自体、問題ではないでしょうか? Q24 かつて小泉内閣の時、タウンミーティングなどの準備 業務、それも数千億円の業務を朝日新聞の子会社などが 受けていましたね。 Q25 新聞社に永年いて、何がその理由とお考えですか? Q26 記者や編集委員、解説員などが行政の委員会等のメンバーに 加わることについて、どう思われますか。 Q27 行政や企業の記者発表が取り上げられやすい一方、それに 対する第三者的な見解が十分に取材されずに一面的な 記事が増えているように思います。記者クラブの弊害以外 にどうような原因があると思われますか。 ●記者クラブの弊害について Q28 その大きな原因のひとつが記者クラブといわれていますね。 その最大の弊害について具体的に教えてください Q29 新聞社、テレビ以外の記者、フリーランスやオルタナティブ メディアも含めて自由に発表の場に参加できるようにするには どのようにしたらいいと思われますか。 Q30 記者クラブの問題はその閉鎖性だけでなく、行政・企業の 発表に依存した記事、ニュースが増える問題もあると思いますが、 これについてはどう思われますか。 Q31 NYTの東京支局長は、取材対象との距離を 特に問題にされていますが、その真意は? Q32 ところで小沢一郎元民主党代表に係わる問題で 大部分の新聞、テレビは、検察幹部のリークを そのままリークする中、東京新聞だけが 違ったスタンスで書いていたことがありますね? Q33 その結果、東京新聞は「司法クラブ」を一週間だか、 二週間出入り禁止となりましたね Q34 そのとき、NYTが東京新聞の報道姿勢を高く 評価していました ●マスコミと広告主の関係について Q35 日本のメディア全体が事実を伝えない、広告主に 気を遣い、国などの広告機関となっているのでは ないかという批判がありますが、東京新聞は どうでしょうか? Q36 英国のセラフィールドでのプルトニウム流出事故、 最近では、オスプレイの沖縄以外への配属などで 海外メディアが一面や社説で書いている内容を まったく日本のメディアが報道していないですね! Q37 海外のメディアが取り上げている重要なニュースで日本が 大きく取り上げない場合があります。(セラフィールドの 事故など。)どうしてそのようなことが起こるのでしょうか。 どうしたらよいと思われますか。 Q38 日本の大マスコミは広告主に及び腰のようですが? Q39 私が調べたところ、大企業の広告費はリーマンショック 以降大幅に減り、さらに3.11以降減っていますね? Q40 東京新聞でも、やはり広告主に気を遣うのですか? ●読者、国民の側の問題、鵜呑み度について Q41 私達は「鵜呑度」、つまり日本の国民はマスコミを 根っから信頼してしまう、国民の70%以上が マスコミを信用している現実、実態があると分析 していますが、これについてどうお考えですか? Q42 鵜呑度が70%もあると、世論はマスコミによって 世論誘導されますね? とくに政治マターで! ●独立系メディア、市民メディア、代替メディアの 可能性について Q43 土田さんは、マスメディアに対し、市民メディア NPOメディアの役割を重視しているようですね? Q44 私も10年ほど前から池田さんと共同で独立系メディア をはじめ、昨年からは動画も本格的にはじめました。 土田さんは、独立系メディアは今後どうすべきとお考え ですか? Q45 新聞に限らずテレビなどを含め、メディアの将来に ついてどのようなご感想をお持ちでしょうか? |