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◆失業 日本社会では、3.11のはるか前から若年層の失業率の増加が大きな社会経済問題となっていた。 そして2009年以降、15-24歳若年層の失業率が10%を超える状態が続いており、以下のグラフにはないが3.11以降、さらに深刻なものとなっている。 図 若年層の失業率の推移 出典:総務省「労働力調査」 日本社会では、永年にわたり生活保護世帯が右肩上がりの単調増加で増えている。以下のグラフからは、ここ5年間さらに生活保護受給者が増加していることが分かる。 図 生活保護受給者数の推移 出典:http://mlm.bookmarks.jp/news/?p=1137 ◆自殺 日本全体では20世紀末(1999年)から毎年、自殺者が約3万数千人あり、一向に下がっていない。過去10年間は高どまりしていると言ってよい。 以下はWikipediaからの引用である。 2010年(平成22年)における日本の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)は24.9人で総自殺者数は31690人である(警察庁発表のデータ)。13年連続で3万人を突破している。 年間の死者の2.8%が自殺により死亡しており、癌や心疾患などに次いで6番目に多い死因である。2010年の自殺者数は同年の交通事故者数(4863人)の6.51倍に上り、その深刻さが伺える。日本では自殺未遂者は、自殺者の10倍以上いると推計されており、自殺者遺族は日本に300万人ほどいると推定される。 諸外国と比べても極めて自殺率が高く、世界で4位、アメリカ合衆国の自殺率の2倍である(2002年)。 図 日本人の自殺者の年次推移 出典:警察庁統計 以下はそれを裏付ける世界各国の自殺者の数である。日本は人口10万人当たりの自殺者数でOECD諸国で一番多い。日本の次は韓国、第三位はフィンランド、第四位はベルギー、第五位がフランスとなっている。 図 人口10万人当たりのOECD諸国における自殺率 出典:OECD ◆高齢化 幸福度と人口構成は大いに関係があるだろう。 なぜなら、幸福度指数には、以下にあるように、ミシガン大学で関しては、@家族関係、A家計関係、B雇用関係、Cコミュニティと友人、D健康などが、またOECDに関しても、 @住宅、 A収入、B雇用、Cコミュニティ、E環境、G健康、H生活満足度、I安全などが関係するからである。 社会の人口構成が高齢化に向かえば、上記の各個別指標は、より厳しくなる、すなわち幸福度が低下する可能性が高い。ただし、日本社会の高齢化=幸福度の低下と直線的に考えることができない。問題の多くはは核家族化が進行する中での高齢化にあると思える 現実を見ると日本社会の高齢化はすさまじい。しかし、。 図 日本社会の高齢化の年次推移 出典:http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/09/512819.html さらに、今後、少子高齢化が進むことから高齢化と人口減少が同時並行となることになる。下のグラフはそれを同時に示している。 この少子高齢化も、少子化が直ちに幸福度の低下を招来するとは言い難いが。以下にあるように、ミシガン大学で関しては、@家族関係、A家計関係、B雇用関係、Cコミュニティと友人、D健康などが、またOECDに関しても、 @住宅、 A収入、B雇用、Cコミュニティ、G健康、H生活満足度、I安全などに関係するものと思える。 したがって、核家族化が進行する中での少子高齢化は幸福度と密接に関係する可能性があろう。 図 日本社会の人口減少と高齢化の年次推移(予測) 出典:総務省国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所等 ◆核家族化 先の高齢化や少子化と密接に関連するものとして日本社会の核家族化の年次推移がある。 単身世帯の増加、三世代世帯の減少とともに、結果として核家族は減っていない。しかも、1990年代後半から高齢者の単独世帯が増加している。高齢者の単独世帯は大都市に居住する場合でも、日常的な買い物がままならなくなったり、最後は孤独死につながるなど不幸の要因のひとつとなる可能性が高い。 実際、高齢者の孤独死問題は大きな社会問題となっている。 図 日本の核家族化の年次推移 出典:厚生労働大臣官房統計情報部 ◆男女賃金格差 日本は、OECD諸国の中で最も男女格差が顕著な国となっている。 以下は男女の賃金格差の国際比較である。 日本の女性の賃金は男性の45%にしかなっていない。これに対し、スカンジナビア諸国は、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなどが70%超で上位を占めている。 図 賃金格差に見る女性の社会経済参加の国際比較 出典:国連開発計画 もっぱら、世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)によれば、日本は男女格差で世界ランク79位(1位が男女格差が少ない)となっており、先進諸国で最下位となっている。 出典:青山貞一 日本の男女格差を経済参加度で見ると、日本は 世界101位となっている 出典:WEF2012年版 「ジェンダー・ギャップ指数」 つづく |