イラク死者6000人超 7〜8月、さらに増加 報告書は治安悪化に歯止めがかからない現在の状況について「国家の治安機関を管理する中央権力機構の欠如」が原因と指摘。政府に参加する政党も関与する民兵組織が違法行為を続けていると分析しており、米軍のイラク撤退に向けた、自立したイラク政府、治安機関の育成とは程遠い実態が浮き彫りとなった。 死者数はイラク保健省、法医学施設からの報告に基づき算出した。報告書は7月の死者数が3590人で「空前の死者数」としているが、いつの時点から数えて最大になったのかについては触れていない。 |
さらにおぞましいのは、国連イラク支援団による以下のアルジャジーラ日本語記事にある報告の中身だ。
同支援団の報告書は、イラクでは連日、激しい人権侵害が横行し、自爆、暴力、拷問、虐殺などによって多くの市民が犠牲者となっていることを報じている。
すなわち、「首都バグダッドにある遺体安置所に運び込まれる遺体には、拷問を受けた生々しいあとがいくつも見られると指摘している。傷あとはさまざまで、化学薬品で皮膚を焼かれてなくなっていたり、背骨や手足の骨を折られたり、目をえぐられたり、歯を抜かれたりなどのほか、強力なドリルやくぎで穴を開けられていた例もあったという。」など、まさに読むに絶えないすさまじいものである。到底、今地球上で起こっていると思えないほどだ。
報告書は、さらに「拷問は治安当局などの拘置施設で頻繁に行われているほか、当局の殺人部隊や反政府勢力、それに民兵組織が殺害した遺体にもひどい拷問のあとが残っていると指摘している。」
また報告書は、「女性に対する「名誉犯罪」の急増にも言及し、「『一族の名誉を守る』を口実とした、家族による女性、少女たちへのあるゆる犯罪が行われている。中央、地方を問わず、治安機関はこうした残忍な犯罪を強力に取り締まらねばならない」と訴えている。」そして「イスラム教徒の中には、一族や夫の名誉を傷つけたことを口実に、女性たちを殺す例を大目に見る者たちがいる。」とも報じている。
当初、自爆テロを含む暴力行為の多くは、イラク人にとっていわば侵略者である米英など外国駐留者に向けられたが、その後、暫定政府が樹立されるに及びイラク人がイラク人を殺害、虐待、拷問するという痛ましいものに大勢が移っている。
「イラクでの人権侵害は悪化の一途」 国連支援団報告書が警告 アルジャジーラ 【アルジャジーラ特約21日】 同報告書は「人権侵害が毎日、驚くほどの割合で発生している」とし、その例として、首都バグダッドにある遺体安置所に運び込まれる遺体には、拷問を受けた生々しいあとがいくつも見られると指摘している。 傷あとはさまざまで、化学薬品で皮膚を焼かれてなくなっていたり、背骨や手足の骨を折られたり、目をえぐられたり、歯を抜かれたりなどのほか、強力なドリルやくぎで穴を開けられていた例もあったという。 報告書によると、市民を巻き込んだこうした虐殺や無差別殺人は、テロリスト、台頭する民兵組織、組織犯罪集団の登場などが原因で起きているためで、イラク警察は毎月、こうした拷問あとのある遺体を何百体も収容し続けているという。 報告書は、拷問は治安当局などの拘置施設で頻繁に行われているほか、当局の殺人部隊や反政府勢力、それに民兵組織が殺害した遺体にもひどい拷問のあとが残っていると指摘している。 報告書はさらに、こうした人権侵害のまん延がイラク内の結束に悪影響を及ぼしているとした上で、「政府機関はこうした人権侵害を取り締まる能力に欠け、一般市民を守ることができていない。その結果、イラク社会をこれまでになく分裂させる危険をはらみ、同時にイスラム教宗派間の抗争激化を招いている」と分析している。 また、報告書は女性に対する「名誉犯罪」の急増にも言及し、「『一族の名誉を守る』を口実とした、家族による女性、少女たちへのあるゆる犯罪が行われている。中央、地方を問わず、治安機関はこうした残忍な犯罪を強力に取り締まらねばならない」と訴えている。 イスラム教徒の中には、一族や夫の名誉を傷つけたを口実に、女性たちを殺す例を大目に見る者たちがいる。 最後に報告書は、イラクの治安機関がこうした犯罪を取り締まれないため、イラクが「無法化」する危険性が高いと強く警告している。 UNAMIの7、8月の月例報告書によると、殺害されたイラク市民の人数は7月が3590人、8月が3009人にも達したという。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司) |