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政権延命だけが自己目的化、
福田内閣支持率急降下!

青山貞一

2007年12月23日



 日本社会を官僚の言いなりで、ここまで腐敗させた根本原因は、いうまでもなく約半世紀、事実上の一党独裁支配を続けてきた自民党の存在そのものにある。

 現状追認と利権まみれの行政や政治を根本から変えるには、まさに政権交代しかない。しかし、政権維持だけが意地となっている自民党は、ありとあらゆる手段で政権にしがみつこうとしている。もちろん、既得権益を守るためだ。

 メディアと連携したと思われても仕方ない民主党や小沢代表へのネガティブキャンペーン、地方に各種の補助金などカネのばらまき、などなど。本当に見苦しい。

 自民党の政権延命キャンペーンに手を貸しているテレビなどメディアもある。

 賞味期限どころか消費期限をとっくに過ぎている今の自民党には国民の怒りはまったく分からないのだろう。依然として、何さまか知らぬが、ふんぞり返っている。

 だが、日本国民もけっして馬鹿ではない。

 その証拠に、昨年9月に発足した福田内閣への支持率は当初の53%から31%まで急落している。当然のことだ。31%は朝日新聞の世論調査結果だが、フジサンケイの世論調査でも39.2%と急降下しているから間違いない。

 これらの30%台の数字は、以下のグラフにあるように安倍政権末期の値であり、支持率面から見ると福田政権は末期的症状を呈していると言っても過言ではない。
 
 さらに下の表にあるように内閣支持率は、毎日新聞、共同通信の調査でも33%となっており、日増しに低下している。つるべ落としの状態だ。このまま行けば、30%を切るのも時間の問題であろう。

◆直近の内閣支持率調査

  朝日新聞    31%     12月19〜20日実施
  毎日新聞    33%     12月15〜16日実施
  共同通信    35.3%   12月15〜16日実施
  日経新聞    43%     12月14〜16日実施 
  フジサンケイ  39.2%   12月13日実施


◆内閣支持率の推移

グラフの出典:毎日新聞


 世論調査結果をみて鳩山民主党幹事長は「政権は末期症状を呈してきた。首相は官僚主導に流され、年金問題で墓穴を掘った」と述べたそうだが、まさにその通りでだ。すべてがすべて官僚社会主義に今の自民党政治は蹂躙されている。

 参議院選挙で自民党が大敗したのは、間違いなく社会保険庁、年金問題が直接的原因である。

 そして案の定、年度末に来て、5000万件の名寄せ作業は頓挫。にもかかわらず、福田総理や町村官房長官は、見苦しい言い訳を繰り返し、挙げ句の果ては「(年金は)公約と言えるのかどうか」など一連の談話を発している。まさに政治家の資質を疑われる。差別となるのいけないので老人ボケとは言わないが、「あんたアホか」と言いたい。

 社会保険庁・年金問題で見せた福田首相の他人事で無責任な言動、薬害問題で見せた当事者意識、能力のなさ、役人トップの業者との利権まみれの行状、それに群がる政治家など、どれをとっても、福田政権リコールに相当する。

 流行語大勝に、「消えた年金問題」が入ったが、舛添大臣がノコノコと表彰式に出かけている。長妻議員があきれたそうだが、これも、「おまえアホか」と声を大にして言いたい。舛添議員は自己顕示欲が大きく、なにかと恫喝することは分かっていたが、ここまでハレンチとは思わなかった。

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 問題は社会保険庁・年金問題だけでない。

 渡辺行革大臣が独立行政法人の廃止問題で連日テレビに露出している。しかし、冬柴大臣の発言に見られるように、どうみても民間で可能と思われる独立行政法人をいつまでも廃止させられないでいる。

 3年後、5年後などといっているが、今の政治状況で3年後、5年後に廃止などというのは廃止しないのと同義であると言ってよいだろう。もし、福田総理がその気なら10や20の団体の廃止が決定されているだろう。もうこれ以上、渡辺行革大臣の茶番など見たくもない。

 1ヶ月ほど前、週刊新潮からの取材に応じ私はこの独立行政法人問題に関連し、つくばの経済産業省所管の巨大な研究所を廃止すべしと言ったら、脅迫紛いのメールが届いた。こんな研究所ひとつ廃止できないようでは、累積債務など減らせるわけがない。

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 外交・防衛も言うに及ばない。
  
 世界各国がブッシュ政権を見放している。にもかかわらず、日本だけが米国盲従、それも、これでもかとカネを差し出す貢ぐ君そしてアッシーの極みとなっている日本政府のざまは、これが独立国家と強く感ずる。ここまで米国に隷属するのなら、いっそのこと米国の51番目の州となった方がよい、と冗談でなく思えてくる。

 アメリカはアメリカで破綻寸前の大企業のような面がないでない。大統領自らがエネルギー産業の悪徳社長のようなものであるし(笑い)。

 政府自民党がここまで米国に土下座的に盲従する背景には、おそらく外交・防衛分野が利権的にもっともおいしいからではないかと、勘ぐりたくなる。

 実質的に情報公開がきかない外交・防衛分野では、あらゆる調達で巨額な公金・税金が随意契約で動かせる。また官製談合が常態化していることが、守屋事件でわかった。

 もっぱら守屋事件で判明したことはごくごく一部であり、おそらく巨額なカネが防衛予算から政治家によってナカヌキされている可能性も否定できない。

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  たとえば、これは沖縄県の在日米軍問題、グアムへの海兵隊移転問題、公共事業問題などをつぶさに見れば歴然としている。沖縄県中南部の基地を抱える市長、町長が米軍再編成問題でグアムに現地調査にでかけた際の話しを聞けば、何で米軍側の見積もりで米軍家族住宅が一軒当たり2000万円程度なのが、日本政府側の予算では8000万円となっているのだ。何これである!この問題抜き、守屋のゴルフ問題に血道を上げてもナンセンスである。

 沖縄県の大学関係者が異口同音に話す不要な大学院大学をなぜ、政府はごり押しするのか? 泡瀬通信施設復帰後、なぜ日本だけでなく世界的に見ても貴重な泡瀬干潟をつぶしてまで、チンケな埋め立て事業を行うのか?

 推定される結論は、いずれも米軍駐留や基地問題、それに沖縄県の公共事業は国民や県民ににではなく、自民党や政権与党の政治家、それに追随する業者においしいからではないのか。そう思われても仕方ない証拠が随所にある。

 米軍や米国の傘の下で自民党や政権与党の政治家、それに追随する業者の権益が情報公開もなく、しっかり守られているのではないか。

 巨額な防衛装備には数100億円、数1000億円を拠出しながら、HIVに酷似する薬害肝炎問題では、不作為によって対策を遅らせ被告となっている日本政府は、数億〜数10円億円の拠出を出し渋っている。その背後には、官僚による情報操作がある。

 いずれにしても、こんな腐った政権を一掃することが、日本社会を変える最大の特効薬であるのは間違いないだろう。

 自民党一党独裁を一日でも早く終わらせることが肝心である。もちろん、今の民主党には課題が山積しているのは事実である。だからといって、国民がいつまでも自民党を支持すれば、この国は北朝鮮を嗤えない国になる。すでになっているかも知れない。

追記
 ブログを書いている最中、福田総理が薬害肝炎患者を議員立法で一律救済するニュースが飛び込んできた。一律救済に異論はない。が、この間の誠意のない対応からすれば、世論に押されてと言えば聞こえはよいが、その実態は、自民党や福田政権の保身的延命のためと言われてもしかたがないだろう。

 昨年夏、参議院選挙直前、安倍政権がカネミ油症、東京大気汚染、中国人残留孤児などの裁判や問題で一気に和解し、金銭的保証を行ったことを思い起こす。そういってはなんだが、その時期に Why not? と思った方も多いだろう。いうまでもなく、安倍政権維持の選挙対策であったとしか思えないのである。 青山貞一

 

福田内閣支持率、31%に急落

【12月21日 AFP】
 福田内閣が9月に発足してから約3か月。しかし、21日に発表された世論調査によると、内閣支持率は発足当初の53%から31%まで落ち込んでいる。

 朝日新聞が19、20の両日に実施した世論調査(有効回答939人)によると、今総選挙が実施されたと仮定した場合に、野党に投票するとの回答が与党に投票するとの回答を上回った。

 同新聞が1、2の両日に実施した調査では福田内閣の支持率は44%で、わずか3週間で大きく急落。不支持率は36%から48%に急上昇した。

 福田内閣の人気が急落した背景には、薬害C型肝炎訴訟への対応、防衛省前次官の収賄問題、年金問題などに対する国民の怒りがあるとみられる。


福田内閣支持率、急落39・2%

フジテレビ「報道2001」が13日に実施した世論調査によると、福田内閣の支持率は39・2%と6日の前回調査に比べ11・0ポイント落ち込み、福田内閣発足後初めて40%を下回った。逆に、不支持率は49・8%で発足後最高となった。

2007年12月17日 産経新聞

内閣支持急降下、福田内閣もうヨレヨレ
2007年12月20日 日刊ゲンダイ

 福田内閣の支持率がとうとう4割を切った。

 共同通信社が15〜16日に行った電話世論調査によると、11月上旬の前回調査に比べ11.7ポイント下落し、35.3%となった。一方、不支持率は47.6%で、前回より11ポイント上昇、「不支持」が「支持」を初めて上回った。不支持の理由では、「首相に指導力がない」が8.1ポイント増えて16.5%となった。

 政党支持率も自民党が25.2%で前回より13ポイントの下落。民主党の28.5%を下回った。

 このほか、フジテレビ「報道2001」が13日に実施した世論調査でも支持率は39.2%となり、不支持率は49.8%で発足後最高に。日本経済新聞社の調査(14〜16日)でも支持率は43%で、11月の前回調査より12ポイント下落。不支持率は13ポイント上がり、46%だった。「(年金は)公約と言えるのかどうか」などという一連の発言が、やっぱり致命傷になってきた。

内閣支持率、危険水域近くに 首相、政権運営苦しく
朝日新聞 2007年12月21日

 内閣支持率が危険水域とされる30%ライン近くまで急落したことで、福田首相は苦しい政権運営を強いられることになった。年金問題がきっかけとの見方で与野党は一致するが、あわせて補給支援特別措置法成立に対する世論の後押しも弱まっている。再議決すればさらに内閣支持率の下落を招き、かといって断念すれば政権の求心力が消えてしまう――。民主党が高い政党支持率を背に勢いづく中で、政権は再議決して今国会を乗り切り、低空飛行のまま浮揚する機会をうかがうしかない状況に陥っている。

 「政権は末期症状を呈してきた。首相は官僚主導に流され、年金問題で墓穴を掘った」

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は20日、支持率が急落した世論調査結果について、朝日新聞の取材にこう解説した。そのうえで補給支援特措法案の扱いについても「再議決せずいったん幕を引きなさい、という国民の意思表示だ」と語った。

 年金問題を追及してきた同党の長妻昭政調会長代理も「『消えた年金』が発覚して安倍政権の支持率が2けた落ちた時と似ている。要は学習していないということだ」と指摘した。

 首相問責決議案の提出で解散に追い込む――。この基本戦略を描く民主党にとって、内閣支持率の急落は提出するタイミングの選択肢が広がることになる。参院幹部の一人は「もう世論が首相を問責している」と勢いづく。輿石東参院議員会長は記者会見で「一日も早く信を問うことが国民に応え、まともな政治を取り戻すことだ」と早期の衆院解散を求めた。

 もちろん、政府・与党は早期解散を受けて立つ状況にはない。会期を再延長した段階で「解散は予算成立以降」が既定路線になっているうえ、与党の支持率も低迷しているからだ。

 政権の最重要課題と位置づけ、そのために越年国会にまでした特措法案の再議決についても、今のところ転換するという選択肢はない。

 町村官房長官は20日の町村派の会合で「これが通らないようでは福田内閣は何もできない内閣だと言われるのは目に見えている」。公明党幹部も「再議決を使わなくても支持率が上がるわけではない。さらに下がるかもしれないが、もう引けない」と語った。

 低空飛行でも政権をつなげ、通常国会では「低姿勢路線」に戻して早期解散を避ける――。こんな発想が与党内で一層強まりそうだ。自民党国対幹部は「国民のイライラがたまっている。謙虚にやるしかない」と、今後の国会の対応を語る。

 ただ、支持率を回復させる方策が見いだせるとは限らない。公明党幹部の一人は20日、苦々しい表情になった。「肝炎問題は支持率を上げるチャンスだと思っていたが、首相は絶好のチャンスを逃した」