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無煙ニュース抜粋
第847号
神奈川県条例特集案

2008年4月27日


 本号では、飲食店、娯楽施設を全面禁煙にする神奈川県の全国初の条例案を特集している。

飲食店、娯楽施設を全面禁煙に=全国初の条例案検討−神奈川県
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080415-00000116-jij-soci
 神奈川県の松沢成文知事は15日の記者会見で、受動喫煙対策として、飲食店や娯楽施設など多くの人が利用する施設を全面禁煙とする全国初の条例案の年内提出を目指す方針を明らかにした。違反店舗には罰則を科すことも検討している。専門家らによる検討委員会や県民からの意見聴取を経て条例案をまとめるが、たばこ業者など関係業界の反発は必至だ。

<神奈川禁煙条例>「いじめ」「当然」 賛否巡りあつれきも
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080415-00000139-mai-pol
 神奈川県が15日、概要を明らかにした「公共的施設禁煙条例」案。既に館内禁煙が進んでいる病院や学校などに加え、愛煙家の利用も多いパチンコ店や居酒屋なども対象施設になる。制定されれば全国初の画期的な条例となるが、大きな打撃が予想される飲食店などは反発。禁煙を推進する医師らは賛成の声を上げ、条例への賛否を巡って県民のあつれきが生まれる可能性もある。

◇反対派
 横浜市などでパチンコ店4軒を営業する「千歳観光」(横浜市中区)の白石良二社長(50)は「お客の7割はたばこを吸う」と危機感を抱く。約6500店が加盟する県飲食業生活衛生同業組合(横浜市中区)の海老名のり子事務局長(57)は「いじめにあっているよう」と悲鳴を上げ、「道交法改正で飲酒の罰則が厳しくなり、客足に影響があるのに……」と頭を抱える。

 たばこメーカーのJT(東京都港区)本社広報部も「喫茶店やパチンコ店、ホテルなどで客層が違うので、一律の禁煙は反対。事業主の判断に任せるのがいい」と批判した。

◇賛成派
 横浜市の小児科医で「禁煙、分煙活動を推進する神奈川会議」の藤原芳人理事(60)は、「罰則も当たり前」と県の方針に全面賛成。「受動喫煙は迷惑行為を超え、健康被害を与える加害行為。マナーに訴えるのは限界がある」と規制の必要性を訴える。

 NPO法人「日本禁煙学会」(東京都新宿区)の作田学理事長(61)も「日本では画期的な条例となるが、海外では当然」と賛同した。
【野口由紀、五味香織、山衛守剛】

「賛否は言いにくい」/県禁煙条例案で中田横浜市長
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiiapr0804376
 松沢知事が十五日に明らかにした「県公共的施設における禁煙条例」(仮称)案について、横浜市の中田宏市長は十六日の定例会見で「賛否を言いにくいというのが正直な気持ち。受動喫煙は感心しないが、すべて(の施設)において禁煙できるのか」と述べるにとどめた。

 中田市長は、横浜は商業や飲食業が重要な産業だとの認識を示した上で「(全面禁煙にするのは)市として難しさを感じる。徹底した分煙を議論していかねばならない。問われるのは喫煙者のマナーだ」と述べた。 二十一日の八都県市首脳会議(横浜)で知事と顔を合わせる予定の中田市長は「(条例案のことが)話題になるのではないか」と話した。

禁煙条例 検討委で賛否 知事は罰則の必要性説く/神奈川
 公共スペースで室内全面禁煙――。15日に明らかになった県が制定を目指す禁煙条例案で、飲食店や娯楽施設も全面禁煙とする方針が初めて示された。罰則の導入も検討しており、ほかに例のない厳しい内容となる。条例案の発表にあわせ開かれた有識者らでつくる条例検討委員会で、賛否が分かれた。飲食店など喫煙者も多く利用する場所が対象になるだけに、論議を巻き起こしそうだ。

 条例の検討委員会が午後6時から、委員11人全員が出席して開かれた。

 安田修・みずほ情報総研シニアコンサルタントは「公共の場所は何の接点も利害関係もない人が受動喫煙を強いられ、トラブルになる可能性がある。ここをきちっと条例で抑えるのが合理的だ」とした。「たばこが嫌な人にとっては煙が漂っているだけでも不快だ。条例に期待している」と県の全面禁煙に賛成する委員もいた。

 一方、玉巻弘光・東海大教授は「成人男性の喫煙率は約5割。喫煙者がくつろげる場所は必要だ」と述べた。金井正志郎・藤沢商工会議所専務理事は「条例で規制するのは賛成だが、全面禁煙にするのは疑問だ」と飲食店などを含めることに難色を示した。

 県は、さらに県民や施設管理者の意見を聞きながら、全面禁煙の対象範囲を検討する。

 委員会に先だって記者会見した松沢知事は「健康増進法はあくまで受動喫煙についての努力規定。本来は国がやらなければならないことだが、県民の健康を守るために県が取り組みたい」と語った。罰則を設けることについて、松沢知事は「条例を機能させるための担保として罰則は必要だ」としている。どんな罰則にするかは、これからの検討課題となる。

 県健康増進課は「何らかの金銭罰が現実的だ」としている。

 知事は今後のスケジュールも初めて示した。今月中に県議会に県の方針を伝え、県民からの意見を募集する。これまで意見交換会を重ねてきた業界関係者らにもさらに意見を聞く。

 その上で、条例の骨子案を6月県議会に示し、条例案を12月県議会
に提出。条例案の年内成立を目指す。

「居酒屋も喫煙×」 神奈川、全国初の条例素案
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080416-00000079-san-soci
 神奈川県の松沢成文知事は15日、不特定多数の人が利用する施設での喫煙を禁じる「公共的施設における禁煙条例(仮称)」の基本構想を発表した。施設管理者とともに喫煙者も罰則対象としたほか、公共的施設の定義に喫茶店や居酒屋、パチンコ店など喫煙が常態化している場所も含めたのが特徴。路上喫煙に罰金を徴収する条例は各地にあるが、主に屋内での喫煙を規制する条例は全国初という。

 罰則内容など細部を詰めた上で6月県議会に骨子案を示し、今年度中の条例成立を目指す。

 規制する場所は、屋内施設だけでなく、駅や野球場など屋外も対象。一方、健康増進法で受動喫煙防止の努力義務が課せられているオフィスや工場などの事務所は、「利用者が不特定多数とは言いがたい」(県)として対象外とされた。

 同日開催された検討委員会では、「職場も屋外も吸えないのか」と反対する意見や、「受動喫煙の機会が多い」としてオフィスなども含めるべきだとする意見が出された。

 松沢知事は「全面禁煙か分煙かの選択や、規制対象施設の広さの基準については今後の課題」と述べ、例外的措置の余地を残した。

パチンコ店も禁煙に 神奈川県が条例素案http://www.asahi.com/life/update/0416/TKY200804160093.html
 神奈川県の松沢成文知事は16日までに、不特定多数の人が利用する県内のすべての施設を禁煙にする方針を示した。飲食店やパチンコ店などの娯楽施設も含まれる。受動喫煙を防ぐ「公共的施設における禁煙条例(仮称)」の08年度中の制定を目指し、条例制定の基本的な考え方を素案にした。

 知事は年内にも条例案をまとめて県議会に提案したい考えだ。素案では、公共的施設を「不特定多数の人が利用する施設で、室内とこれに準ずる環境にあるもの」と定義。具体的には学校、病院、公共交通機関、劇場のほか、飲食店、パチンコ店やマージャン店などの娯楽施設も禁煙対象とした。

 施設利用者への禁煙のほか、施設管理者にも禁煙の表示、灰皿などの撤去や喫煙者への注意を義務づける。違反した場合は立ち入り調査や指導・勧告などをしたうえで両者に罰則を科すという。

 ただ、専門家らで作る検討委員会では「飲食店や娯楽施設は段階的に禁煙にする激変緩和措置が必要ではないか」などの意見も上がっており、今後検討して月内に正式な考え方をまとめる。

 松沢知事は「席だけの分煙では煙が流れてしまい、受動喫煙を防げない。一歩譲るとすれば部屋で分ける完全分煙が望ましい」との考えも示した。