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アジア都市国家と
日本都道府県・政令市
のCFR比較

COVID-19
リスク総合評価結果


青山貞一 Teiichi Aoyama
東京都市大学名誉教授・環境総合研究所顧問
 
池田こみち Komichi Iked  
環境総合研究所顧問

独立系メディア 
E-Wave Tokyo
 
掲載月日:2020年5月28日  無断転載禁

キーワード:新型コロナウイルス、COVID-19、日本、感染状況、死亡率、総合リスク、死亡状況、アジア都市国家、シンガポール、台湾、香港、日本政令指定都市
 CFR(至命率率)、Case Fatality Rate

◆青山貞一:世界の新型コロナ(COVID-19)感染最新状況へ
◆青山貞一:日本の新型コロナ(COVID-19)感染最新状況へ


みなさま

青山貞一、池田こみち(環境総合研究所顧問)です。

 致命率と死亡率との関係は以下の通りです。
 

 なお、英語では fatality rate としていましたが、正確には、その前に caseがつき、
case fatality rate(CFR)となります。


 今回は、アジアの都市国家と日本の都道府県のCFR(致命率)の比較です。

 COVID-19感染問題で優等生と言われているシンガポール、香港、台湾と日本の都道府県のCFR上位国のCFRを比較しています。

 また日本の全政令指定都市のCFRも比較してみました。

 致命率は、救急搬送(ネットワーク)、救急医療、病床数、院内リスク管理体制、医師・看護数、既往症・持病者対応、高齢者対応など院内感染、医療崩壊に通ずる重要な観点の総合指標と言える指標であり、これが高い自治体を安易に解除することはリスク管理上きわめて問題があります。

,◆アジアの都市国家と日本の主要都道府県のCFR比較

 CFR(致命率)=死亡者数/感染者数  単位(%)
 日本は感染者500人以上
 基本データ採取年月日時:2020-5-28 JST 0

          CFR(%)
 北海道      7.94
 愛知県      6.67
 神奈川県    5.88
 兵庫県      4.72
 東京都      5.71
 埼玉県      4.70
 大阪府      4.49
 福岡県      3.81 
--------------------
 台湾       1.59
 香港       0.375
 シンガポール  0.070


出典:日本及びアジアの都市国家  読売新聞2020-5-28朝刊
 
 結果は以上のように、アジアの都市国家、台湾、香港、シンガポールのCFRは、アジアだけでなく世界的に見ても圧倒的に低く、まさに超がつく優等生と言えます。シンガポールの人口は現在、561万人、一人当たりGDP(ppp)は現在、日本の約2倍です。

 一方、日本の都府府県は、アジアの都市国家に比べると高く、とりわけ緊急事態解除後の北海道、愛知県、神奈川県、兵庫県、東京都は、CFRが5を超えています。

 世界各国のCFR平均値(5月28日現在、出典ジョンズ・ホプキンス大)が6.23なので、愛知県と北海道はそれを越えています。ちなみに世界のCFRの平均値は5月15日現在4.4です。


◆政令指定都市の最新CFRについて

 CFR(致命率)=死亡者数/感染者数 単位(%)
 対象:日本の全政令指定都市
 基本データ採取年月日:5/26~5/27現在
 基本データ出典:各自治体URL

政令市名 感染者数
(人)
死亡者数
(人)
CFR
(致命率:%)
名古屋市
川崎市
横浜市
札幌市
東京都
京都市
さいたま市
福岡市
静岡市
千葉市
大阪市
神戸市
相模原市
堺市
北九州市
広島市
仙台市
新潟市
熊本市
岡山市
浜松市
277
 269
536
660
5180
238
174
374
20
107
737
285
73
104
98
84
65
63
42
16
7
23
20
38
43
296
14
9
19
1
5
33
12
3
3
2
0
0
0
0
0
0
8.3
7.4
7.1
6.5
5.7
5.6
5.2
5.1
5.0
4.7
4.5
4.2
3.8
2.9
2.0
0.0
0.0

0.0
0.0
0.0
0.0
注)東京都は政令指定都市ではありませんが、参考として情報提供します。 ただし、データは2020-5-28の午前0時です。

 結果を見ると、CFTが高い愛知県の名古屋市がトップで、CFRは8.3です。以下、川崎市、横浜市、札幌市、京都市、静岡市、千葉市、大阪市とつづきます。仙台市と浜松市のCFRはいずれも0(ゼロ)です。