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◆青山貞一:今、もう一度考える災害がれき広域処理(参院議員会館) You Tube 2012年5月17日、午後3時から5時、参議院議員会館102号室で「がれき広域処理問題」の緊急議員学習会が開催された。司会を大田区議の奈須りえさんが行い、青山が約1時間講演、その後、議員との間で質疑を行った。 会場の参議院議員会館102会議室は、すばらしい雰囲気と設備をもった会議室である。 その会場は、100名近くの国会議員、地方議員で満員御礼となった。 参議院議員会館(永田町) 遠く北九州、愛知県、長野県など遠方からも多数の議員が参加された。また開催が東京と言うこともあり、生活者ネットワークの市議、区議が多数参加された。 青山の講演は、@必要性、A妥当性、B正当性の3つの観点から、がれき広域処理という政策、施策が科学的、政策的、法的にみて不十分かつ杜撰なものであること、汚染を全国に拡大し、焼却炉、処分場周辺の住民に汚染負荷を与えるものであること、また国が地方自治体を蹂躙するものであり、さらに膨大な税金の無駄遣いそして利権に満ちたものであるかについて述べた。 青山貞一講演のポイント @環境省のがれき処理量見積もりの杜撰さ A環境省と広告代理店による各種情報操作による世論誘導、 B現地調査による復旧、復興状況実態、 C海洋への木材流出及び仮設焼却炉により見通しがついてきたこと、 D10回にわたり福島、宮城、岩手で行ってきた放射線調査、 EERIのSPEEDIシミュレーションによる宮城、岩手の汚染状況推定、 F測定、収集したがれき汚染の統計解析(相関分析)、 G上記にもとづく「災害がれき」の放射能の推定、 H焼却及び埋め立てによる放射性物質の環境への漏洩の推定、 I焼却炉、処分場周辺住民への放射能、汚染リスクの増大、 J放射性物質以外の汚染物質のリスク、 Kがれきの長距離輸送によるエネルギー消費、汚染の増大、 L輸送コスト、処理コストとその負担、 M密室で行われてきた「がれき特措法」の制定経緯、 N同法が議員提案法案の顔をした強権的官僚立法であること Oがれき特措法の施行規則に見る放射能モニタリングの杜撰さ、 P今回の除染及びがれき広域処理の背景には巨大な焼却炉、 溶融炉メーカーなどとの利権がありうること、 Q環境省による3.11以降の焼け太り的な予算、権限の拡大 青山の講演の後、国会議員が安易にがれき特措法に賛成したことを反省されるなど、非常に有意義な会合となった。 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 出典:青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所) 緊急議員学習会の後、友人のフリージャーナリストである横田一さんの依頼もあり、1時間半、がれき広域処理に関連した国、産業界の利権問題についてインタビューに応じた。横田氏は利権問題に関連し、現地に入り徹底取材を行い記事にするはずである。 講演中の青山貞一(参議院議員会館にて) 3.11の東日本大震災以降、もっとも焼け太りし、今や経済産業省、国土交通省並の利権官庁となったのは間違いなく環境省である! なお、近日中に、第2回目の「がれき広域処理問題」の座談会を独立系メディア E-wave Tokyoのスタジオで開催する予定である。 ◆第一回がれき広域処理問題 緊急座談会 You Tube 第2回目の座談会では、3.11以降の環境省の巨大な利権増大問題、市町村に対する権限拡大などの現実をテーマとする。 また、東京都の石原知事が昨年末、いきなり宮古市のがれきを東電の子会社に焼却処理させ、東京都がもつ中央防波堤の広域管理型処分場に焼却灰を処分してきた問題に関連し、手続上の違法性がほぼ確認された。これについても詳細に座談会で議論する予定である。 追記 官僚主導の間違った特措法に衆参議員全員が賛成したことがこの問題のすべての起点にあります。それを会場で反省された国会議員もいました。 もちなれないカネをもち、いい加減で強権的な法律をもった環境省が血迷って行った今回のがれき広域処理施策は、まちがいなく、梶山正三弁護士が指摘されるように中央集権化と利権化を高める愚挙であると私たちは認識しています。 国の除染と広域がれき処理の予算は2年間で1兆500億円、と途方もない巨額であり、仮設の焼却炉、溶融炉(大部分がおそらく新日鐵,JFE、タクマ、三菱、三井造船、日立造船など)の27基(4000トン/日)の建設費用が、1トン当たり平均7000万円とした場合、2800億円、自治体に固定費、維持管理費、モニタリング関連経費、補助金、交付金でバラまく費用が数100億円、さらに試験的に行っている高レベル地域の除染(大部分がゼネコンへゆく)と本格除染のための費用が数1000億円となるはずです。 それに群がるのは、産廃業者、ゼネコン、焼却炉メーカーだけでなく自治体もです。自治体の場合、仮に補助率が90%以上でも、残りを起債、縁故債などの地方債で返還するのは大変な負担となるはずです。これは沖縄県の基地関連施策の場合と同じ構造です。そもそも焼却炉、溶融炉の建設に伴う業務発注がどれだけ公平、透明性をもって行われているかも問われます。 なお、受け入れがれきの放射能濃度ですが、私たちの現地測定、シミュレーションにもとづく試算では、環境省や北九州市がWebなどで言っている28Bq/kgと低くはなく、女川・石巻でも100〜600Bq/kgとなると推計しています。自然線量を除外してもです。 |