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すでに、民主党4大臣、それに野田総理が大飯原発再稼働に向けてまっしぐらの状況にあるが、このひとも、さんざんかっこつけていたものの、最後は大飯原発再稼働を事実上容認のようだ。橋下大阪市長のことである。 秋になったら期間限定で停止を求めて行くなどと言っているが、そんなの負け惜しみに過ぎない。結局、関西経済界の軍門に下ったのである。
昨日夜、以下の『BSフジLIVE プライムニュース』のディベート番組に出演した三井物産の会長は、最後に日本中の原発をすべて再稼働させないといけない、という明言していた。これにはキャスターらもエーという顔、そこまで言ってくれるかという顔をしていた。
この類のひとには、見識もへったくれもなく、ただ自分たちが世界中でも儲かればよいという、えげつない商魂だけしか感じられない。 だが、東京電力や首都圏企業の経済成長の論理だけで突っ走ってきたあげく250km離れた福島原発の大事故で福島県だけでなく、首都県全体に取り返しがつかない甚大な環境、経済両面の被害をどうみているのか? 誰でもが「持続可能社会」何てことを軽々に口にするが、ひとたび甚大な原発事故が起きれば、一夜にして経済成長も持続可能社会もぶっ飛ぶことを経験した日本の政治や経済のリーダーがいとも安易に大飯原発再稼働を容認するのは間違っていると思う。 先に示した通り、甚大な地震、津波が関西で起きた場合、地政学、地理、気象学的にみてことは大飯単独の事故では済まない。大飯、高浜、美浜、敦賀の相乗的、累積的な影響が起こることを考慮しなければならない。 以下、図1は大飯原発単独事故の場合、図2は高浜、大飯、美浜、敦賀が同時に事故を起こした場合の影響範囲と影響程度である。ともに風向は北風、風速は2m/sである。 大飯だけでなく、他の若狭湾の原発が複合的に事故を起こした場合には、甚大な影響となることが、図2からよく分かる。 図1 大飯原発事故単独時 (北風、風速2m/s、大気安定度D) 図2 高浜・大飯・美浜・敦賀原発が同時事故時 (北風、風速2m/s、大気安定度D) 図1、図2は北風の場合だが、これが1日のうちに北西から北東の間で変化し、降雨があれば関西圏全体が汚染されることは間違いがないだろう。 しかも、京都、滋賀、大阪、兵庫の関西四府県は、若狭湾の原発銀座から50km前後しか離れていない。 Teiichi AOYAMA <aoyama@eritokyo.jp> wrote: 現在は大飯原発だけの再稼働を問題にしていますが、現実には上記> のように大飯、高浜、美浜、敦賀が事故となった場合には、4カ所、> 最大約15機の原発からの累積的な積算線量が風下の自治体に到着す> るので、福島第一原発の比ではなくなる可能性もあります。米国の国家環境政策法(National Environmental Policy Act of> 1969)では、単品ではなく、複数の発生源からの累積的な環境影響の> 予測、評価を事業者に義務づけていますが、米国から28年後に制定> された日本の環境影響評価法では計画事業(Planned Project)以外の> 事業はせいぜい背景(Background)の汚染として扱われるにすぎま> せん。私たちが行った若狭湾地域に立地する膨大な数の原発に関しては> この累積的影響の視点はきわめて重要なものとなります。 本当に日本の経済界、政治家、経済産業省、文部科学省などの官僚は懲りない面々であるといえる。福島第一原発事故についても、まだ何らまともな対策、対応がなされておらず、膨大な人々が他県に避難している最中である。 もとより、使用済み放射性物質の処理、再処理、処分はまったく見通しがついていない。まさにトイレのないマンション状態である。 日本の利権構造は、はるか以前に、政官業のトライアングルから政官業学報のペンタゴンに変わったが、これだけ痛い目にあった日本経済であるが、関西経済圏での大飯原発再稼働の動きを見ていると、日本の将来はまっくらである。 |