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出典:NHK BSプレミアム スコットランド王だったメアリーは、最終的にイングランド国王のエリザベス一世を暗殺する謀叛の嫌疑をかけられ、断頭台に送り込まれ斬首される。
メアリー・スチュアートのデスマスク 出典:NHK BSプレミアム メアリー・スチュアートのデスマスク 出典:NHK BSプレミアム しかし、エリザベスは子供を残さなかったので、メアリーが生んだ子供(ジェイムズ6世)が、エリザベス一世の後を継ぎ、今のイギリスの初代国王、ジェイムズ1世となったという歴史的な皮肉がある。もっぱら、統一イングランド初代国王になったジェイムズ1世は、ブレア元首相同様、母親メアリーの精神やスコットランド精神を忘れ、イングランドにおもねった。 出典:NHK BSプレミアム スコットランドの州都、エジンバラにあるエジンバラ城 出典:NHK BSプレミアム 映画「ブレイブハート」など、スコットランド人がいかに自立心、独自性、個性が強く誇り高い民族であるかを示す映画は見てきたが、今回の「悲劇の女王、メアリースチュワート」は、スコットランドの実質、最後の国王となったメアリー・スチュアートという女性の生き方に焦点をあて、なぜ、スコットランドやスコットランド人さらにそのスコットランドに飽きたらず、カナダに渡りノバスコシアをつくったかを知る上での重要な精神史的ヒントがあると思える。 ブレイブハートの舞台となったスコットランドのグレンコー谷。 Source:Google Map ブレイブハートの舞台となったスコットランドのグレンコー谷。 当時イングランドによりここの住民は虐殺されている 出典:NHK BSプレミアム 映画「エリザベス」のように脚色した物語ではなく、あくまで史実、城などの物的証拠をもとに、悲劇の女王メアリーの足跡をたどった地味な歴史ドキュメントではあったが、非常に見応えがあった。 今回、たまたま深夜に見たのだが、メアリーは政略結婚的にフランスに嫁に行った。当時、スコットランドは根っからのカソリック、イングランドは英国教会(プロテスタントの一種)であり、敬虔なカソリックの国、フランスに嫁いだのは、宗教上のことでもあったわけだ。 しかし、メアリーがフランス王族に嫁いだことから、その後、スコットランドとフランス、スペインなどラテン系諸国との関係が文化面で強くなった。 現在、カナダのノバスコシア州にフランス系の人々そして文化が強く残っているのは、おそらくこのためではないかと思う。さらにケベック州ケベック市のように、フランスそのものがカナダに残っているのも、これに関係があるかも知れない。 私はまだ一度もスコットランドはもとよりイギリスに行ったことはないが、スコットランドの首都エジンバラ、そこに残るエジンバラ城、さらにブレイブハートの舞台となったスコットランドの北部地方などをぜひ、自分の目で確かめてみたいと思う。
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