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麻生副総理、暴言・妄言
改憲でナチス引き合い
青山貞一
掲載月日:2013年7月31日
 独立系メディア E−wave Tokyo


みなさま

青山貞一です。

 麻生副総理の暴言です。

◆麻生副総理 改憲でナチス引き合い、都内の講演で語る(スポニチ) 
2013年7月30日 01:10  スポニチ

 麻生太郎副総理兼財務相は29日夜、都内で講演し、憲法改正をめぐり戦前ドイツのナチス政権時代に言及する中で「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか」と述べた。

 「けん騒の中で決めないでほしい」とし、憲法改正は静かな環境の中で議論すべきだと強調する文脈の中で発言したが、ナチス政権を引き合いに出す表現は議論を呼ぶ可能性もある。

 麻生氏は「護憲と叫んで平和がくると思ったら大間違いだ。改憲の目的は国家の安定と安寧。改憲は単なる手段だ」と強調した。その上で「騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、われわれを取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げられるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない」と指摘した。

 安倍晋三首相や閣僚による終戦記念日の靖国神社参拝を念頭に「国のために命を投げ出してくれた人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい」とし「静かにお参りすればいい。何も戦争に負けた日だけに行くことはない」と話した。

 上記に関連し、ドイツにいる憲法学者、水島朝穂さんの以下のブログを是非お読み下さい!

◆水島朝穂「焚書と『美しい国』の80年」(2013年2月4日)

韓国、麻生副総理の発言を批判 「多くの人を傷つける」  東京新聞
2013 年 7 月 30 日 19:58:58:

【ソウル共同】韓国外務省の趙泰永報道官は30日、麻生太郎副総理兼財務相が憲法改正論議に絡み、戦前ドイツのナチス政権を引き合いに「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。あの手口を学んだらどうか」と述べたことについて「こうした発言が多くの人を傷つけることは明白だ」と批判した。定例記者会見での発言。

 趙氏は、麻生氏の発言が「侵略の被害を受けた周辺国の国民にどう受け止められるか明らかだ。日本の政治指導者は言行を慎重に行う必要がある」と述べた。

みなさま

青山貞一です。

 以下は、ドイツのベルリンにいる知人のふくもとさんからの麻生副総理の会見内容への詳細コメントです。ぜひ、ご一読下さい。


青山さま

憲法改正に絡んで何でもかんでも、ドイツのことが悪用(!!)されるのには怒りを覚えます。ドイツで閣僚、議員が、ナチスのことを持ち出して発言をすれば、すぐに辞任ですね。

現代ドイツの体制は、ナチスが民主主義体制の下で生まれたことの反省から成り立っています。ですから、民主主義体制において二度とそうした独裁体制が生まれないように、戦後いろいろな配慮がなされてきました。それで、憲法を大切にして、憲法のもとに法治国家を造るという基本が出来上がっています。

たとえば(新大久保で起こっているような)ヘイトスピーチも、ドイツでは民衆扇動罪として犯罪になります。ホロコーストを否定するのも民衆扇動罪で犯罪になります。ですから、これを日本に適用すれば、慰安婦問題、南京事件を否定すれば、犯罪だということです。

この春にべルリンで、ドイツ憲法裁判所裁判長(地方分権化されたドイツではべルリンではなく、ドイツ南西端のカールスルーヘという小さな都市にあり)と記者団の懇談会がありました。その時、裁判長は憲法改正条件として国会決議に3分の2が必要だというのは(ドイツもそうです)絶対に変えてはならないと主張していました。

この3分の2条項こそが、憲法の安定性と持続性をもたらし、市民が憲法と一体感を持てるようにしてくれているたいへん大切な条項だというのです。それを変更することは、憲法の根幹を破壊することだといわんばかりでした。

それから、安倍首相がよくドイツの憲法は何回も改正されているとよく発言します。ドイツ在住の日本人ジャーナリストにも、そう主張している人もいるようです。

ドイツの憲法は基本法がその代わりをしていますが、確かに基本法は西ドイツのできた1949年から2009年秋まで(国会の前任期終了時点まで)に57回改正されています。

改正内容をみますと、連邦(国)と州の役割分担、財政負担の分担にかかわるもの(地方分権化されているドイツならではのもの)
男女平等の強化
郵政民営化
違憲申し立て権の導入
動物保護の導入
選挙権取得年齢の引き下げ
東西ドイツ統一による変更条項
など、時代の変化に応じて改正した制度的なもので、憲法の根幹、国の根幹にかかわるものはほとんどありません。

憲法、国の根幹に関わるものは、多分以下だけだと思います。
1954年の改正で、バリ条約(EUのはじめになるもの)を承認して、それに伴って独仏対立が終結したことから、ドイツの再軍備が認められました。

それで、西ドイツが55年に連邦軍創設、NATO加盟となっています。

ふくもと@ベルリン