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私の外部被ばく実体験
青山貞一
掲載月日:2013年8月1日
 独立系メディア E−wave Tokyo


 以下は、環境行政改革フォーラムのメーリングリストでの議論の中で投降したものです。参考にしてください。

 私の場合、外部被ばくについて重要な実体験があります。

 それは2010年11月9日に自宅の階段から落下し、第二頸椎を折ったあと、事前検査、入院中検査、大手術中検査、手術後検査、その後の退院後の定期検査で、膨大な量のCTスキャナー及びX線による検査を行ってきたことです。


CT断層画像に見る青山貞一の第二頸骨骨折(2010年11月11日撮影)。
出典:慈恵医大付属病院脳神経外科


CT検査(イメージ図)

CTとは

コンピュータ断層撮影(コンピュータだんそうさつえい、Computed Tomography, CT)は、放射線などを利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することで、物体の内部画像を構成する技術、あるいはそれを行うための機器。

「断層撮影」の名前のとおり、本来は物体の(輪切りなどの)断面画像を得る技術であるが、これらの検査技術は単に断面画像として用いられるのみでなく、画像処理技術向上によって3次元グラフィックスとして表示されることも多くなってきている。

広義のCTはポジトロン断層法(PET)や単一光子放射断層撮影(SPECT)、核磁気共鳴画像法(MRI)などを含む用語であったが、一般的に「CT」と言った場合、ほぼ常に最初に実用化されたX線を利用したCTのことを指すようになっている。

参考:Wikipedia

 ただし、私の場合、上記の大部分というか、ほぼすべては第二頸椎、すなわち首を中心とした部位の被曝となります。しかし、首周りには食道もあり甲状腺もあります。

 2010年11月9日から退院する20日までに受けた、CTスキャナー検査は、合計12回、X線検査は8回あります。このなかには手術の最中、CTを継続的に作動させ金属接合部などをチェックしていたものも含まれます。

 ここでいう、1回はCTスキャナー検査は、数分間の断層撮影を一回としています。またX線撮影の場合は、正面で1回、断面で1回、さらに上を向いて1回の3回の撮影を一回としています。

 CTスキャンは対象となる部位にもより、また機器にもよりますが、1回の被曝量は5.30ミリシーベル程度となるはずです。一方、X線もいろいろな数図がありますが、1回につき1mSv前後のはずです。


任意の部位が撮影可能なレントゲン撮影装置(イメージ図)

 しかし、CTスキャンの被曝量は部位及び機器の種類によって大きく異なると思われます。3.11以降、通常、最新鋭の低線量機械を使って線量の少ない胸部検査などを基準とし線量を情報提供しています。しかし、この値は鵜呑みできません。

 一方、胸部のX線撮影は1枚につき 0.05mSvなどとありますが、これは健康診断の低線量撮影時の値です。医療で行われる実際の胸部撮影はその約10倍、 側面写真の場合は厚みが増すので線量は2倍程度に増えます。結果的に1回につき1mSv程度になってしまうのです。




手術1年後の頸椎レントゲン写真(2011/11/07)
出典:東京慈恵会医科大学付属病院脳神経外科
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8

 私の場合、退院後も、CTスキャンをかなりとっているので当初の11日間で 5.3×12回=64mSv 、X線は、1×3方向×8回=24mSv となります。あわせると11日間で 88mSv の暴露を受けたことになります。

 日本人は、医者のいいなりとなる、というよりならざるをえないことが多いのですが、私の第二頚椎骨折や脳腫瘍など深刻な病状が疑われる場合は別としても、そうでない場合には、本来CTスキャンはよくよく考えてから応じるべきでしょう。

 ある統計によると、人口100万人当たりのCTスキャナの台数は、日本がOECD諸国の中で突出しています。他の国々がCTスキャンのリスクを考慮し慎重に導入しているのに、日本では飛躍的に増加している実態があります。

 以下のOECD諸国におけるCTスキャン装置の導入実態を見てください。


出典:日本医総研リサーチエッセイ No.55
 
 私の場合、入院から退院とは別に、術後検査、定期検査でもCTスキャンとX線を受けているので、当初11日間で88mSv、その後、2年間半で累積120mSvを超える外部被ばくを受けているはずです。

 自分なりに今後を見守ってゆきたいと思います。