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みなさま 青山貞一です。 今から16年前の1997年12月、朝起きたら青山のパソコンに、米国エネルギー省(DOE)から一通のメールが届いていました。 なかを見ると原子力エネルギーと廃棄物処理に係わるD&D(DecommissioningとDecontamination)をテーマとした国際シンポジウムをフロリダ州マイアミにある南フロリダ大学と共同で開催するので、そこに主催者が参加費(主に往復の航空券チケットと滞在費、参加費)を負担するので、ぜひ来て欲しい、招待するという内容でした。 これにはびっくりしました。何ら予告なく、こんな重要かつ大きな国際会議に、いきなり招待がとどいたこともありますが、そんな内容の国際会議が開催されることそのものに驚きました! 私の所に招待状が届いた理由は、青山と池田こみちが日本から参加していた国際市民参加学会(IAP2)に、上記の国際会議主催者が日本からの参加者を打診、学会事務局が私達を推薦したからだったのです。その結果、ある日突然、米国エネルギー省から招待状が届くことになったのです。 米国エネルギー省(DOE)と南フロリダ大学の共催で開催されたこのD&Dの国際シンポジウムは、ひとことで言えば、「世界中の原発を安楽死させるためにはどうしたらよいか」、そのための理念というよりは、技術、費用、情報公開、廃炉プロセスへの市民参加、国際協力をどうすべきかというものだったのです。 まさに、ウソのようなホントの話として、D&Dの国際会議が開催されたのです。 池田こみち(環境総合研究所副所長、当時、現在、顧問)は同年(1997年)4月に、当時、原子力委員会が開催したもんじゅ事故に関連した原子力円卓会議の第一回会議に科学技術庁からの依頼で、高木仁三郎さんらとともに参加していたこともあるので、池田に参加してもらうことにしました。 ◆第一回原子力政策円卓会議全容(平成8年4月25日)前半 意見陳述 Ch 5 http://www.ustream.tv/recorded/15228535 またとないことなので、ふたりで関連する英論文を執筆、池田が南フロリダ大学の国際会議に参加し、論文発表をするとともに各国から参加した実務者、参加者らと質疑応答に対応することになったのです。 最もおどろいたことは、今から16年前にこのような国際会議が開催され、しかも米国、ロシア、ドイツから果ては南アフリカなどから多数参加していたにも関わらず、何と日本からの参加者は、池田以外は某国立大学の准教授など、全員でわずか3名しかいなかったことです。日本は原発推進まっただなか、このような国際会議など、およびでなかったのでしょう! 池田によれば、今からすでに16年前からアメリカやドイツでは、いずれ訪れる原発や廃棄物処理施設の「始末」をどうしていくのかについて技術面だけでなく社会的な合意形成面、すなわち手続、情報公開、さらにはそのための国際協力など、さまざまな観点から議論を進めていたことです。 ◆池田こみち(元原子力円卓会議委員) NHKスペシャル、原発解体世界の現場は警告するを見て http://eritokyo.jp/independent/ikeda-col1197.html おそらくアメリカは、その分野の技術を主導することによって、新たにD&Dの国際マーケットで主導権を握ろうとしていたことは間違いないところです。ロシアからも多数参加していたことで、その感を強くしたと言っています。 ところで、ひるがえって日本の場合はと言えば、この間、代替エネルギーや自然エネルギーに本来振り向けられるべき資金予算が、原子力分野に過度に配分されてきたこともあって、いわゆる産・官・学、今では政治・官僚・業界・学会(学者)それに報道が加わった現状追認ペンタゴン、すなわち「政官業学報」の堅い「絆」のもと、国民はまったくさておかれ、原子力依存を強化し、これから役目を終える原発が次々と出てくる時代になっても、解体や処分の方法などについてはほとんど情報すら提供されていない実態、現状があります。 それは3.11を経験した後も、大きく変わっているとは思えません! ところで、先ほど以下、ウソのようなホントの話が届きました! ◆小泉元首相、ドイツ視察後の会見概要 小泉元首相が、脱原発のドイツに視察のために行った。その際、三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行。以下は、ドイツの視察を終えた小泉氏と記者のやりとり。小泉氏は原発は即ゼロにしなければならないと述べている。 記者−−どう見ました? 小泉: 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」 記者− −−今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。 小泉: 「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」 小泉: 「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難 しいんだよ。撤退が」 小泉: 「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」 小泉: 「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」 小泉氏は「自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」とまで述べたそうですが、当人が本当にそう思ったのかどうかは??ですが、推察するに、 ドイツに行って、見て、議論して、廃炉など原発撤退の方が、企業にとっても経済的にプラスになると思ったからかも知れません。 もっぱら、誰のカネ、資金でそれをするかが問題ではありますが? |