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私は、国民の生活が第一・新党きづなを代表して、先般の野田総理の所信表明演説について質問いたします。 まずはじめに、東日本大震災の地震、津波、そして福島第一原発事故によって故郷を離れ、いまだ不自由な避難生活を余儀なくされている皆様方に心からお見舞いを申し上げます。 そして被災地で再起して懸命に頑張っておられる皆様に心からエールを送らせていただきます。 野田総理大臣、私は私人としての野田佳彦氏に対し、何の不満も批判も意見もありません。 それどころか、若き頃から政治家を志し、短期間にして日本国の宰相に昇り詰めたことに対しては、率直に敬意を表したいと思います。 しかしながら、総理大臣としての野田佳彦氏に対しては、大いなる怒り、不満、不安を感じております。 言うまでもなく、日本国総理大臣には強大な権限が与えられています。 そして、その権限の行使に対して、これまた大きな責任が付与されているわけであります。 一昨日の総理の所信表明を国民の代表が集うこの本会議場で緊張感を持って聴かせていただきました。 私の素直な感想は、日本国総理大臣に対して誠に僭越ではありますが、空虚、空虚の二語に尽きます。 総理、三十分もの長い演説を誰に訴えていたのですか。 総理の心は何処にあったのですか。 綺麗な文章、一見力強い言葉、はっきりした滑舌。 しかし、残念ながら、聴いているものには何の感動も与えません。 何故なんでしょうか。 それは、総理大臣自身が一番感じていることとは思いますが、元同僚議員の立場から申し上げれば、民主党を支持した国民を裏切ったからです。 民主党を支持した国民との約束を守らなかったからです。 民主党を支持した国民に嘘をついたからです。 そして、そのことに何ら責任を取らないからです。 一度裏切りをしてしまうと、けじめがない限り、二度、三度と繰り返すのが世の常です。 これを人は無責任というのです。 美辞麗句では無責任は隠せないのです。 したがって、明日の安心、明日の責任を総理がいくら語っても、今日の不安、今日の責任はどうするんだということになります。 今日の不安、今日の責任はどうするのですか。 ここから、私達の掲げる政策を座標軸に置き、質問させて頂きます。 私たち国民の生活が第一・新党きづなのメンバーは、民主党を国民との約束の原点に戻らせようと様々な努力を重ねてきました。 しかしながら、力及ばず、今の民主党内では再建、再生の道は無いと、新党を結成し新たな船出をしました。 そして、自立と共生の理念と、国民の生活が第一の原則に基づいた綱領を作りました。 今、我が国は、TPP、領土問題を含む外交安全保障、安心な社会保障制度の確立など、数多くの課題に直面しています。 その中でも、私たち国民の生活が第一では、以下に述べる三つを喫緊の課題として掲げました。 そ の課題とは、 一つ、いのちを守る、原発ゼロ、 二つ、生活を直撃する消費税増税は廃止、 三つ、地域のことは地域で決める、地域が主役の社 会を、です。 本日はこの角度から、以下総理の所信演説について質問をさせて頂きます。 まず、エネルギー環境政策についてお伺いいたします。 総理の所信表明演説の本文、二百二十二行中、エネルギー環境については、全体の一割未満の十八行の言及しかありません。 総理がしきりに言及した明日への責任を考えるならば、まずは命を大切にする政策、まだ見ぬ将来世代へと命をつないでいくことに、もっともっと重きをおく必要があるはずです。 私は、総理が語ったわずか十八行の言葉を確認することで、問題点を指摘してまいりたいと思います。 総理は所信表明で、「国民生活と経済の根幹を支えるエネルギー環境政策は、大震災後の日本の現実に合わせて再構築しなければなりません」と言われました。 まず最初にお尋ねします。 総理の現状認識で、合わせるべき現実とは何を言おうとしているのか、その認識を明らかにしなければ具体的な政策の議論はできません。 続いて、総理は、「東京電力福島第一原発の事故は、これまで進めてきたエネルギー政策のあり方に無数の反省をもたらしました」と述べられました。 反省が無数にあるということは、原発の存在そのものを否定することではないのですか。 無数なのですから。 そうであれば、私たちの「原発ゼロへ」と同じになりますが、総理はどうなのですか。 それとも総理が得意とされる言葉遊びなのですか。 そして、反省をもたらしたとは、誰が反省しているのですか。 事故の発生以来、多くの指摘がなされているのは事実ですが、それを単に無数の反省と表現するだけでは、一億総懺悔と同じで、政策転換の議論にはなりません。 総理の認識として、無数でなくて結構ですから、最も重要な反省すべき項目を最低十か条、ここに提示していただければと思います。 それが、エネルギー政策大転換の建設的議論の基礎になるからであります。 九月十四日、エネルギー環境会議は、いわゆる革新的エネルギー環境戦略を決定しました。 これは前日の深夜まで総理自身が閣議決定すると言われていたものを、一夜明けたら閣議決定を見送り、参考文書に留められたものです。 何故閣議決定をしなかったのですか。 何があったのか、誰に働きかけられたのか、一晩のうちに心変わりした理由を率直にお応えいただきたいと思います。 このエネルギー環境戦略は、参考文書に留められたものの、所信表明では、「この文書を踏まえて遂行して参ります」とされました。 また、不断の検証と見直しは、従来の政策についてのことではなく、文書の原文に従えば、「原発に依存しない社会への道筋に関して検証を行い、不断に見直す」というのが正しいと思いますが、期待して、誤解している人も多いので、この点を確認させていただきたいと思います。 併せて、二千三十年代に原発稼働ゼロを可能とするということは、言い換えれば、目標は二千三十九年まで、稼働ゼロが可能になっても稼働させたままも有り得るという意味であると思いますが、そうならそう、違うなら違うとお答えいただきたいと思います。 一昨日、総理は、「原子力に依存しない社会を一日でも早く実現するためには勿論のこと、日本経済が元気を取り戻すためにも、徹底した省エネ社会の実現と、再生可能エネルギーの導入拡大が鍵を握っています」と述べられました。 私たち国民の生活が第一は、去る十月十六日から二十一日まで、二千二十二年までの脱原発を決めているドイツに、脱原発使節団を派遣し、環境大臣や連邦議会関係者、経済界、業界、地方自治体等々と意見交換をして来ており、その結果、我が党はこの総理の認識に加えて、天然ガスを活用した高効率な発電方式の拡充や、地域独占の解消と、発送電分離なども脱原発と切り離せない政策だと考えています。 実は、その点はエネルギー環境戦略にも明記されているのに、所信表明では電力系統の強化や安定化にのみ触れられただけでした。 この変化に、関係業界からの抗議や要望が原因しているのか、総理のご見解をお伺いしたいと思います。 一昨日の所信表明が、原発推進政策を変えることは、容易でないが逃げないという趣旨で述べられ、政策として貫こうとしているなら、私たちはその方針に反対ではありません。 しかし、現実の政府の決定や閣僚の言動がその点で一致しているとは言いがたいので、敢えて疑問を呈し、確認をする必要があるのです。 第百八十回通常国会の最終日前、九月七日に、我が党はじめ衆議院の五会派六グループは脱原発基本法案を提出し、継続審議になっています。 総理が述べられた、「困難な課題から目をそらしたり、逃げたり、諦めたりするのではなく、原発に依存しない社会の実現に向けて大きく政策を転換し、果敢に挑戦していこうとする」のが誠の心から出たものならば、まずこの脱原発基本法案に民主党挙げて賛成し、成立させるのが筋だと思いますが、いかがでしょうか。 総理のご見解をお伺いいたします。 次に、現下の日本経済の状況、そして消費税増税問題に関して質問します。 総理は三年前の総選挙で、「マニフェストにはルールがある。書いたことは命がけで実行する。書いてないことはやらないんです。消費税五パーセント分に天下り法人がぶら下がってシロアリがたかっている。シロアリを退治しないで、今度は消費税を上げるんですか」と、かの有名なシロアリ演説をなされました。 にも拘らず、総理になった途端、いや、それ以前から、その思いは何処に言ってしまったのでしょうか。 国民との約束を反故にし、社会保障と税の一体改革の名の下、財務省主導の消費税増税に突き進んだのです。しかも、東日本大震災が起き、復旧復興もままならない時期からその議論は始まりました。 増税の前にやるべきことがある。 被災地の復旧復興に注力すべきだ。 シロアリも退治しなければいけないし、デフレ脱却、景気回復にも全力投球すべきだ。 そうした私たち党内の反対の声には全く耳を傾けず、増税ありきで議論を主導、最後は私たち反対派を切り捨て、あの政権交代時さんざん批判をしていた自民党・公明党と談合してまで、消費税増税を強行に議決してしまいました。 しかも、社会保障と一体とは口ばかりで、これで安心出来ると国民が感じられるものは何一つありません。 低所得者対策も価格転嫁対策も先送りで、大多数の国民が消費税増税に不安を抱いております。総理は、「日本経済の再生に道筋をつけ、雇用と暮らしに安心感をもたらすことが野田内閣が取り組むべき最大の課題」とおっしゃいました。 しかし、増税が経済にマイナスの影響を与えることは誰もが認めるところです。 そして、現下の日本経済を分析してみますと、九月、十月も、月例報告でも明らかになっている通り、復興需要による景気回復は既に中折れ状態、日本経済は踊り場に差し掛かっております。 ユーロ通貨圏の金融危機による中国の景気の減速、さらにその後の日中関係の悪化を踏まえると、日本経済の見通しは決して明るいものではなく、消費税増税議論の前提とされていた、内閣府試算の慎重シナリオである二千十二年度実質GDP 二.二パーセント、名目GDP 二パーセントの成長ですら危ういのではないかとも言われ始めております。 私たちは、このような経済状況下で、たとえ一年五ヶ月後とは言え、消費税増税を強行することはあまりにナンセンスであり、自殺行為に等しいと確信を深めております。 できるだけ早く、消費税増税廃止法案を通し、消費税増税を白紙に戻さなければならない、そう強く思うのであります。 総理は現時点で、日本経済の先行きをどのように見通されているのでしょうか。 経済再生を最大課題とおっしゃられるのなら、今こそ政治主導で消費税総勢を凍結すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 また、今のような経済状況が仮に続いた場合、本当に二千十四年四月に消費税増税を実施しても構わないとお考えでしょうか。 総理のご見解をお伺いいたします。 いずれにせよ、日本経済が大変厳しい状態に陥っているのは間違いなく、経済再生に政治が全力を注がなければなりません。 しかし、総理の所信には、意気込みとは裏腹に、その具体的な中身がほとんど明らかにされておりません。 鳴り物入りで作成された日本再生戦略も応援歌と位置づけてしまい、これから日本経済は成長できるんだ、これから日本経済は強くなるんだ、と自信を持てるはずがないのです。 もそも私たち政治家が日本再生戦略のプレーヤーそのものです。 政治家が戦略の応援歌を歌ってどうするのですか。 総理の政治の指導者たる自覚を疑わざるを得ません。 今必要なことは、まだ財政に若干の余力があるうちに、積極的かつ継続的な財政政策で需給ギャップを埋め内需を拡大する、そして確実にデフレ脱却、景気回復を図ることだと私たちは考えています。 総理は所信で、約半世紀ぶりに東京で開催したIMF世界銀行総会にも触れられましたが、そのIMFですら緊縮増税一辺倒では経済に予想以上の悪影響を与え、財政健全化につながらないリスクがあると、その考えを修正し始めているようです。 政府は先日、七千五百億円規模の緊急経済対策を閣議決定したそうですが、景気浮揚に効果が出る直接的な財政負担は、予備費を財源とするたった四千億円程度に過ぎません。 しかも、中身を見ると、尖閣諸島周辺での了解警備を強化するための予算百七十億円が計上されておりますが、これは本来、経済対策の名目で予算をつける事業ではなく、防衛予算として計上すべきものです。 何故このような姑息な手段を取るのですか。 こういうところにものごとをごまかしながら政治を行おうとする政権の本質、本当の姿が表れています。 私たちは、緊急経済対策としては、規模も中身もあまりにもパワー不足だと考えますし、実際この経済対策を発表しても株価は上がらず、市場は全く評価していません。 この緊急経済対策に対する総理の思い、そしてその効果をどの程度見込んでいるのか、総理のご見解をお伺いいたします。 私たちは、経済対策を行うのであれば、もっと大胆で、かつ中身の濃いものを要求します。 日銀による金融緩和だけではその効果は限定的で、大胆な財政出動も併せなければ景気回復につながらないのは明白です。 景気が踊り場に差し掛かった今こそ、やらねばならない問題だと考えています。 民主党代表選挙の公開討論会で、総理は、円高デフレ対策、中小企業支援、大規模災害の防災減災に振り向けるとして、大型の補正予算への意欲を示されておりました。 の意欲は一体何処にいってしまったのでしょうか。 この臨時国会でやらなければ、来年の通常国会でということになるのでしょうか。 それで間に合うと判断されているのでしょうか。 また、今の日本の景気を下支えするためにどの程度の規模の補正予算が必要とされているのでしょうか。 総理のご見解をお伺いいたします。 さて、経済対策として、補正予算を組むにせよ、それには財源が必要です。 また、復興予算の流用問題で批判が高まっている通り、官僚に好き勝手に使われるようなものであってはなりません。 私たちは、経済再生を確実にするためには、今の基礎的財政収支均衡策に縛られるのではなく、当面大きな政策転換で、当面は国債発行を財源に、大胆な財政政策を打つべき時ではと考えます。 景気を良くして税収を上げる。 消費税率を上げて税収が下がった過去を考えると、これこそが財政再建の近道であると考えています。 二年、三年から五年の時間はかかるかも知れませんが、消費税の税率を上げても経済が再生せず、税収が落ち込むのでは元も子もありません。 今のようなデフレ下で、増税と経済再生を両輪で行うのは、やはり無理なのではないか。 総理のご見解を伺います。 また、復興予算の流用問題の本質は、何も責任を取らなくていい官僚に予算の用途を任せてしまっていることにあるのだと、私たちは考えています。 政治主導を放棄してしまった政権の真実の姿が浮き彫りになっている問題です。 官僚任せというあなたの政権の実態が百八十度変わらなければ、いくら行政刷新会議で新仕分けなるものをやっても、同じことが繰り返されます。 今のままでは補正予算を組むとしても、官僚に好き放題やられてしまうのではないでしょうか。 したがって、質問してもあまり意味が無いと思いつつ、敢えて質問します。 復興予算流用問題に対する総理のご見解と、このような過ちを起こさないために、どのような解決策を考えておられるのか、総理のご見解をお聞かせ下さい。 次に、特例公債法の問題です。 法案が可決できなければ、特例公債が発行できず、このままでは地方財政、地域経済、そして国民生活に重大な悪影響を与えることは必至です。 野田総理は、このことの責任は、全て政府与党にあると認識すべきです。 私たちは、今の政府案は、将来の消費税増税を担保とする年金つなぎ国債の発行が含まれており、消費税増税廃止を求める私たちは、賛成することができません。 そもそも経済状況自体で、実際に消費税が増税できるか不透明だというのに、それを担保とすることはありえず、国民も市場も理解してくれないのではないでしょうか。 私たちは、特例公債法案の原案から増税を担保とする年金つなぎ国債の発行に関する条文の削除を強く求めます。 本当に地方の財政、地方の経済を憂うのであれば、こうした知恵を出していただきたいのです。 総理のご見解を伺います。 経済対策分野の最後に、中小企業支援について言及しておきます。 中小企業金融円滑法が来年三月で期限を迎えますが、来年三月以降、銀行による貸し渋りや貸し剥がしが起こり、企業倒産が激増するのではないかとの不安が、中小企業を中心に日々高まってきております。 金融円滑法が無くなっても、銀行が企業の資金需要にきちんと対応するのは当然であり、倒産の増加を引き起こすようなことは絶対にあってはなりません。 また、中小企業が資金繰りだけではなく、中小企業が真に再生し、地域が活力を取り戻すような中小企業の再生支援策の抜本的な強化を政治の判断と責任において直ちに行うべきです。 次に、地域主権について質問いたします。 総理は、「地域主権改革は、民主党を中心とする政権にとって、改革の一丁目一番地です。関係者の意見を踏まえながら、義務付け、枠付けのさらなる見直しや出先機関の原則廃止などを引き続き進めます」と述べています。 総理は地域主権改革に関して、改革の一丁目一番地と位置づけながら、所信表明でたったこれだけしか触れられませんでした。 現政権の地域主権に対する姿勢、現在の霞が関を中心とした中央集権の統治機構に野田政権がすっかり飲み込まれた実態がよく表れています。 政権交代以降、地域主権改革は、地域主権改革大綱の策定、国と地方の協議の場の法制化、一括交付金や出先機関改革、義務付け枠付けの見直しと、自治体への権限移譲など、諸々進められてきたものの、鳩山内閣から菅内閣、野田内閣へと移行する過程で当初求められていた政治主導により国の統治機構を抜本的に改めるという本来の目的はすっかり忘れ去られ、霞が関の権限を維持しようという力に飲み込まれてしまい、官僚主導の統治機構を維持するための枝葉の改革に成り下がってしまいました。 はや民主党を中心とする政権では、地域主権改革、国の統治機構を抜本的に改める改革は望むべくもありません。 また、この体制を長きに亘り作り上げてきた自民・公明の両党にも同じことが言えるでしょう。 これが、民主・自民・公明以外のいわゆる第三極と言われる勢力が国の統治機構を抜本的に改革することを共通の旗印にしている理由でもあります。 私たち国民の生活が第一は、三つの緊急課題の一つとして、地域のことは地域で決める、地域が主役の社会を、と銘打ち、国家統治機構の抜本改革である地域主権改革を掲げています。 中央が全てを決めて地方に押し付ける中央集権体制は、東日本大震災の復興の遅れに象徴されるように、もはや国民の声に応えられなくなっています。 生活の現場に一番近い基礎自治体を主にして、地方に権限と財源、そして人材を大胆に移し、地域が主役の社会を実現することこそが、閉塞感漂う日本経済を根本から活性化し、デフレ脱却を促進する道筋であると私たちは考えます。 また、首都圏、大都市に本社を構え、国際展開、全国展開できる大資本が地方の経済を中央に一方的に吸い上げる仕組みから、地方で経済が循環する仕組みへの転換、地域経済活性化を図るための一里塚であるとも考えます。 ここで野田総理に改めてお伺いします。 総理が改革の一丁目一番地とおっしゃった地域主権改革は何のために行うのでしょうか。 目的は何なんですか。 現在進められている改革により国家の統治機構はどのように変わるのですか。 地域主権改革により国民が得られる恩恵は何なんですか。 現在進められている施策の実態を踏まえてお答えいただきたいと思います。 東日本大震災から間もなく一年八ヶ月。 復興の遅れや、復興予算の流用が大きく取り上げられています。 震災復興とは直接関係のない事業に対して、霞が関文学に則りとても常識では考えられない理屈を駆使して予算が使われ、復興に向けて必死に現場で立ち上がろうと奮闘している中小零細企業にはなかなか予算が回らない現状がある一方、全国展開できる大企業に復興予算が使われています。 発災当初の「被災地の復興なくして日本再生はない」という文言は、いつの間にか「日本経済の再生なくして被災地域の復興はない」との文言にすり替えられ、予算が全国には付くけれど被災地には付かない、大企業には付くけれど中小零細企業には付かない、権力者や権力者の周りには付くけれど被災市民には付かないという歪んだ状況を生み出しています。 これは全て、野田総理、あなたの責任です。 その自覚があるのですか。 復興財源は大きな議論を経た中で所得税の二.一パーセント、個人住民税千円の増税により賄っている目的税であり、納税者に理解、常識から逸脱した予算執行は、たとえ合法な運用であったとしても、許されるものではありません。 ここでも、官僚任せで霞が関の暴走を許してしまった現政権の実態が明らかであります。 復興庁を被災地に設置し、被災地の現場の状況を最も把握している地方に財源と権限を渡して、被災地主導で国、地方が一体となって復興を進めていればこのような状況にはならなかったはずです。 地方に任せればよかったのです。 しかし実態は、中央官庁が霞が関で財源、権限ともグリップし、復興庁は設置したものの、現場では各省庁縦割りの弊害が依然として存在しています。 官僚主導の中央集権体制が、予算の流用や復興の遅れを引き起こし、復興の足かせになっていると考えますが、総理の見解をお伺いします。 また、先日十月二十七日に行われた超党派の復興予算奪還プロジェクトによる立地補助金、グループ補助金の宮城県現地調査の際、東北経済産業局からのヒアリングを要請したところ、前日に経済産業副大臣から連絡が入り、東北経済産業局は事業には関与していない、ヒアリングは東京で聞く、という趣旨で出席を断られたと聞いています。 立地補助金、グループ補助金とも現場の東北経済産業局が関与していなということはあり得ないと思いますが、出席要請を断った理由についての事実確認を経済産業大臣にお願いします。 総理。 私はここまで、私たちが掲げる、三つの喫緊の課題である原発ゼロ、反消費税増税、地方主権改革に即して質問をして参りました。 総理、この三つの課題に共通するものがお分かりですか。 どれも、赤ちゃんからお年寄りまで、すべての国民のいのちと暮らしを左右する問題です。 一部の企業団体や経済界にだけ関係する話ではないのです。原子力事故がもたらす放射能も全ての国民に降り注ぐんです。 家畜も植物もみんな被曝するのです。 そして原発の使用済燃料を最終的に無害なものに処理するすべを私たち人類は持たないのです。 処理できないものを生み出す原子力発電を一刻も早く終わらせることこそ、政治の責任ではないですか。 総理、消費税は、赤ちゃんのオシメを買っても払うのです。 小学生がノートやガムを買っても払うのです。 働く人は言うに及ばず、寝たきりのお年寄りでも払うのです。 所得のない子どもやお年寄りも払うのです。 このような税金は消費税しかないのです。 だから、消費税増税の前にあらゆる努力を尽くすべきなのです。まだその努力が終わってないじゃありませんか。 政治の責任放棄じゃないですか。 地方のことは地方が決める地方主権は、まさに、赤ちゃん、子供から働き手、お年寄りまですべての住民に目が届く地方の行政に多くの権限と財源を委ねることです。 これこそ政治の未来への責任ではないですか。 どの課題についても、官僚を実務者として使いこなすのではなく、官僚のシナリオに安易に乗っている総理は、未来の責任どころか、現在の責任をも放棄しているのです。 総理、総理の乗る神輿の担ぎ手は国民の代表たる議員、そして国民のはずです。 総理には一刻も早く官僚の担ぐ神輿から飛び降りて頂き、この国民による神輿を作り直す場を与えることを要請します。 それは、総理、あなたの退陣です。 それこそが、あなたが日本の現実に合わせるべきことなのです。 総理、あなたの退陣こそ求められている政治決断です。 終わります。 |