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(12)政府による家族関係支出の国際比較 以下は、政府による保育・就学前教育、出産・育児休業給付、家族手当など家族関連支出の国際比較である。 日本は米国同様、先進諸国の中で最低ランクにあることが分かる。 民主党は政権公約にこれらの政府支出を高めることを入れていたが、自民党などの攻撃にあったとたん、いずれも引っ込めたり減額するなど、公約を果たせていない。 図 政府による家族関係支出の国際比較 上記グラフの凡例 出典:内閣府 図 児童・家族関係の社会支出 出典:内閣府 (13)政府による教育・情報などソフトな分野への 社会投資の国際比較 この項目は、幸福度と直接関係があるかどうか不明だが、家族手当ともの教育費への政府の社会投資はこからの社会にとって重要なものとなると思える。 ミシガン大学の幸福度調査などで第一位が圧倒的に多いデンマークでは、日本の倍以上、それも年度を追う毎にソフトな分野への社会投資が増えている。 一方、日本はほとんど2000年から2005年まで大きく変わっていない。その後のデータは今のところ手元にないので不明である。 図 教育・情報系社会資本投資の国際比較 出典:平成21年度総務省発表の情報白書、先進国の情報資本推移の国際比較 (13)政府のガバナンス OECDの幸福度指数には、政府のガバナンスがある。ガバナンスは通常、政府の統治能力と和訳されるが、行政の経営能力、意思決定の透明性、法的拘束力、民主主義システムの機能などがその基本的要素と思える。 それらの国際比較データは手元にないが、半世紀にわたり自民党が実質的に独裁政治を行い、その後3年間民主党に政権が移ったものの、1000兆円に及ぶ累積債務額、情報公開法、行政手続法、環境影響評価法など民主主義・政治の根幹をなす立法行為が米国に30−50年後れを取っている現実などを考慮すると、日本の政府のガバナンスはOECDに加盟する他の先進諸国に比べ高いとは言えないだろう。 下はOECDが公表しているGDPに占める総税収入の割合の各国ランキングだが、日本は左から3つ目、すなわち34カ国中、31カ国目ということになる。ブルーの部分がOECDの平均%である。これも重要な政府のガバナンスであるとすれば、日本は先進諸国で最悪となっていることが分かる。 ここでも第一位はデンマークとなっている。 図 OECDが公表しているGDPに占める総税収入の割合の各国ランキング 出典:OECD 以下は少々古いデータだが国別の雇用統計(単位%)である。日本は31カ国中14位となっている。以下のグラフではデンマークは3位にあるが、現在、デンマークはこの雇用率が低下していることが大きな政治課題となっている。 図 国別の雇用統計(単位%) 出典:スコットランド政府 以下は政府の教育費支出総額のランキングである。第一位はスイス、第二位は米国、第三位はカナダ、第四位はスウェーデン、第五位はデンマーク、日本は14位であり、OECDの平均値とほぼ同じ額である。 図 OECD諸国政府の教育費支出総額のランキング 出典:http://blog.beerkens.info/ 以下はOECD諸国における1時間当たりのGDP比較である。第一位はノルウェー、第二位はベルギー、第三位はオランダ、第四位はアイスランド、第五位はフランス、第六位は米国、第七位はドイツ、第八位はデンマーク、第九位がスウェーデン、第十位が英国、第十一位がオーストリア、第十二位がオーストラリア、第十三位がスコットランド、第十四位がフィンランド、第十五位がカナダ、第十六位がカナダ、第十七位がスイス、第十八位が日本である。 図 OECD諸国における1時間当たりのGDP比較 出典:スコットランド政府 つづく |