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盟友を支援!
南相馬の櫻井勝延市長と
いわき市の広田次男弁護士

青山貞一 Teiichi Aoyama
掲載月日:2011年4月8日
 独立系メディア E−wave


 
 地震、津波、原発の3重苦にある福島県南相馬市の櫻井勝延市長は、昔から一緒に環境問題、産廃問題を闘ってきた友人であり、同志です。

南相馬市といわき市の位置

日本原子力研究機構SPEEDIのシミュレーションより

 櫻井南相馬市長から先ほど携帯に電話があり、東京に来て官邸で菅総理に10分、福山官房副長官と20分、現状をお話ししたと語っておられました。

 福山さんはその昔、環境行政改革フォーラムのメンバーで、私たちと一緒にやったことを櫻井市長にいろいろ話したそうです。

 今日(4月8日)は、これから南相馬市に戻るということでしたが、今後来るときに、ぜひ、独立系メディアE−wave でライブか収録で、思いのたけを存分に話していただけることになりました!

 私たちも来週(17−18日)に福島県いわき市に行く件を伝え、時間がとれれば、南相馬にも行くと伝えました。ぜひ来て欲しいと言っていました。

 市長からは皆さんがいらしてくれて大半励ましになるとおっしゃっていました。早稲田大学の村山さん(Eforum)が現地に行く件もおっしゃっていました。

 先日は、グリーンピースジャパンの佐藤事務局長が南相馬市に行き市長と議論しております。

◆GPJ佐藤事務局長談
3月26日から、グリーンピースは、福島県に放射線調査チームを派遣しています。先日は、青山さんに仲介していただき、南相馬市の櫻井市長にインタビュー・放射線調査にご協力いただきました。南相馬での空間線量・野菜などの調査も行いました。東電、政府に対して情報がないことへの不満は非常に高まっているようです。
以下は、本日発表しましたプレスリリースです。ご参考までに。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20110406/


 いろいろ交流、協力の輪ができあがり、大変結構なことだと思います。

 皆さんにもよろしくとのことです。

 なお、下の新聞記事は、3月下旬、南相馬市が兵糧攻めとなっていたことに関連した櫻井市長からのSOSメッセージです! 

◆市民、兵糧攻め的状況 南相馬市長、動画サイトで訴え(朝日新聞)
 2011年4月1日18時33分

福島第一原発による災害で避難指示が出ている福島県南相馬市の桜井勝延市長は、動画投稿サイト「You Tube」に映像を掲載し、「現状、物資の搬入に窮しており、支援をお願いしたい」と呼びかけている。3月24日に撮影したといい、現在は当時に比べると状況が改善しているとされるが、窮状を訴え続けている。

 映像で桜井市長は「政府、東京電力の情報が不足している」と批判。「スーパーなど生活物資を買う店が閉まっている。金融機関も閉じている。市民は兵糧攻め的な状況におかれている」と述べた。

 退避した人口は約5万人だとし「避難した市民に対し、連絡をとることさえ窮している。多くの自治体関係者、ボランティアに、支援をお願いしている」と訴えた。

 同市は、「避難指示」の半径20キロ圏内▽「屋内退避指示」の半径20〜30キロ圏▽指示のない30キロ以上の地域があり、約2万人が残っているという


南相馬市長から支援要請のメッセージ!YouTube

◆南相馬市 櫻井市長

 櫻井さんは、岩手大学農学部卒。もともと福島県原ノ町市で酪農をしていた。その後、自宅近くに産廃処分場と焼却場が立地される計画があり、原ノ町市、現在の南相馬市の住民とともに、反対運動に関わる。

 この産廃問題はその後、裁判に発展し、現在までに民事訴訟、行政訴訟を問わず20以上の裁判となる。櫻井さんは、酪農が出来なくなり、住民運動のリーダーから市議会議員に立候補し、トップ当選となる。2回目の選挙でもトップ当選となった。しかし、前市長が産廃問題の公約を反故にするなどで問題解決に至らず、南相馬市となった後、市長に立候補し当選し現在に至っている。

 青山との関係は、広田弁護士、坂本弁護士が引き受けられた多くの裁判に対して、私の環境総合研究所がさまざまな調査や代替環境アセスメントを行うなどで、証拠を提出したり、意見書を書くなどで全面的に協力、支援してきたことにある。

 また、今まで5回ほど、現地の住民団体の依頼で現地に講演ででかけているが、浜通り、中通り、会津地域、福島、郡山どこで講演しても必ず南相馬市の多数の住民を引き連れ聞きに来てくれている。

 さらに櫻井市長は私が主唱する環境行政改革フォーラムのメンバーとなったり、環境総合研究所が主催したカナダ・ノバスコシア州ハリファックス市などへの現地調査にも同行されるなど、理念、政策だけでなく現場主義を地で行く行動的な市長である。こういう政治家こそ、これからの日本にとって本当に必要であると思う!


◆今後の予定

 私たちは、現地調査と現地の弁護士と今後について議論するため、来週、福島県いわき市に行く予定です。

 いわき市には、昔から一緒に多くの環境訴訟、産廃訴訟を闘った広田次男弁護士がおります。

 イタリアから帰国後、頻繁に広田さんと連絡をとりあっていましたが、広田さんからは4月15日夜に被害者対策委員会で広田弁護士が代表に選出されたこともあり、ぜひ今後に備え被害者救済のための勉強会を開催したいので、来て欲しいとのことでした。

 いわき市であり、15日はいわき市の弁護士が35名ほど集まるそうで、当初、そこで私に話をして欲しいとおっしゃっていました。しかし、大学の関係でどうしても15日夜にいわき市に行くのは困難と伝え、最終的に以下のようになりました。

 3月15日(金)
  夜、青山、池田、鷹取で横浜市都筑区にある東京都市大学環境
  情報学部における授業終了後、池田こみちさんのヴィッツで青山、
  池田、鷹取の3人でつくば市まで行き、つくば市在住の坂本弁護士
  と食事をしながら討議。宿泊はつくば駅近くのホテル。

 3月16日(土)
  翌朝、坂本さんのご案内で車でつくば市からいわき市に向かい、
  午前中にいわき市に到着。

  広田法律事務所(いわき市)に午前中に到着後、広田弁護士が
  被災地各所をガイドしてくれるとのことです。夜は、広田法律事務
  所の若い弁護士らと青山、池田、坂本、鷹取らで食事をしながら
  議論。宿泊はいわき駅近くのホテル。

 3月17日(日)
  午前中はさらに独立系メディアE−waveの現地視察、ビデオ撮
  影、現地取材を行い、放射能測定分析のための土壌、松葉など
  のサンプリングを各地で実施します。分析は環境総合研究所の
  池田こみちさんが担当。

  午後1:30に広田法律事務所で弁護士を対象に福島原発から
  の影響範囲、影響程度について私たち環境総合研究所がこの間
  行ってきた気象、地形、構造物、建築物などを考慮した福島原発
  から東京、川崎、横浜まで広域の放射線の3次元シミュレーション

  を青山がお話することになりました。

  ※この3次元流体シミュレーションは、南イタリアから帰国後、準備
   し、あらゆる状況に対応した移流拡散計算を行っている。今後に
   備え、まずは地元の弁護士らに説明したい!


  その後、いわき市からつくば市経由で帰京します。

◆広田次男弁護士
 
 早稲田大学法学部卒、弁護士、ゴミ弁連副会長、いわき市オンブズマン、環境行政改革フォーラム司法担当幹事。八ッ場ダム住民訴訟、南相馬市の櫻井市長等ががんばっている原町共栄クリーンという産廃業者相手の訴訟、さらにいわき市、小野町、双葉町、南相馬市、二本松市、郡山市など福島県浜通りから会津磐梯地域における環境問題、産廃問題、産廃訴訟、公共事業問題を一手に引き受けがんばってきた正義感の強い弁護士です。もとはといえば東京の世田谷出身。塵肺訴訟で福島県いわき市に移住し、現在に至る。


 なお、下はつくば市の坂本博之弁護士が広田弁護士と一緒に福島地裁に行ったときの談話です。

 「2011年3月31日に、いわき市の広田弁護士と一緒に、福島地裁に行く機会がありました。常磐道、磐越道、東北道を通って福島市まで行きました。高速道路は通れますが、いつもよりも凹凸がけっこうあります。

 福島市内は、かなり閑散としていました。信夫山というところに「御山角屋」というおいしいそば屋さんがあり、そこで昼食を食べましたが、お昼時なのに、お客さんは私たちだけでした。

 飲食店はぱらぱらと開いていましたが、閉まっている店も多かったです。また、ガソリンスタンドはどこに行っても品切れという看板が出ていました。コンビニは、清涼飲料水が少しあるだけで、他の棚は何もないような状況でした。

 いわき市は、飲食店はほとんど開いておらず、ガソリンスタンドは午前中で売り切れてしまう毎日であり、スーパーは午後5時には閉まってしまうということでした。

 国道6号線は、いわき市の最南部〜北茨城市にかけて、津波をかぶったはずですが、現在は通れるようになっていました。

 また、南相馬市原町区大甕地区に予定されている産廃処分場に反対している住民の方の1人に裁判所でお会いしましたが、やはり、ご親戚の方で津波にさらわれてお亡くなりになった方がいるということでした。

 その方は、つい最近まで喜多方の避難所に非難していたそうですが、避難所では老母がつらそうなので、家に帰ってきたということでした。大甕地区というところは、第一原発から30q圏内に位置しています。

 南相馬には、やはりガソリンなどはほとんど来ていないということです。
」以上、坂本弁護士談