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福島第一原発周辺地域から
関東各地における
累積被曝線量シミュレーション
について


青山貞一 Teiichi Aoyama
東京都市大学環境情報学部教授
環境総合研究所所長
掲載月日:2011年4月21日
 独立系メディア E−wave
無断転載禁


 2011年4月17日のいわき市講演では、環境総合研究所(ERI)の3次元流体モデルによる原発から横浜までの広域及びいわゆる30km圏内の1時間値シミュレーション結果を一時間単位の放射線量で紹介しました。

 帰京後、以下の前提条件を用いより現実的なシミュレーションを行っています。

1)放射性核種
  ヨウ素全量

2)被曝日数    
  原発事故直前の3月12日から4月5日までの25日間

3)被曝形態
  外部被曝

4)対象
  成人

5)1日の被曝時間
  ケースa 屋外24時間被曝
  ケースb 屋外8時間被曝

6)発生強度(Emission Strength)
  事故時から現在まで原発施設から1km以内の放射線量(mSv/h)を使用。
  一部推定値を使用。

7)気象(Methological Data)
  当該期間のアメダス、気象台の風向、風速を1日単位

8)地形(Tophograpy Data)
  国土地理院のデジタル地形データを
  1km×1kmのメッシュデータに変換して使用

9)現況再現データ
  主要地点の1日単位の放射線量(mSv/h あるいはμSv/h)

10)推定モデル(Simulation Model)
  有限差分法を用いた3次元の流体数値計算モデル。
  地形、構造物、建築物を考慮、気象は風向、風速、
  大気安定度を考慮(32方位+静穏)

11)使用計算機(Computer)   
   Intel COREi7 Windows7 64bit 4GB main memory

12)使用言語(Programming Language)
   Microsoft Fortran77 compiler

 上記のシミュレーションでは、累積的な被曝放射線量を南北約260km、東西約220kmでシミュレーションしております。

 結果から関東各地の25日間の累積放射線量が1日8時間被曝、1日24時間被曝のそれぞれのケースでただちに推定できます。

 また、原子力研究機構などのSPEEDIによる1歳の乳児のシミュレーションは一見して値が大きいよう見見えますが、その実、きわめて過小評価であることが分かりました。
http://d.hatena.ne.jp/edelta/20110328/1301242359

 4月18日に発表された原子力安全委員会の推定値は、1日8時間被曝となっていること、20km圏内しかなく、東京など離れた人口密集地における累積被曝量が分かりません。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011041800410

ERIのシミュレーションでは上記のように、1日24時間被曝、対象は乳児甲状腺被曝ではなく成人外部被曝、また日数は3月12日から4月5日までの25日としています。

 期ををみてホームページ、またUstreamなどで公表します。