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2012年10月14日、高崎市においてStop 八ッ場ダム 市民ネット(鈴木郁子会長)の主催で「3・11以降、激しくなった税金の乱費〜復旧、復興事業、 八ッ場ダムを事例に〜」をテーマにひさびさ八ッ場ダム問題について講演してきました。 地元新聞の上毛新聞は、当日は休刊日だったそうですが講演会場でビデオ撮影をしていた鷹取敦さん(独立系メディア E-wave Tokyo)によると、記者は、青山(八ッ場ダム関連講演)と渡辺さん(江戸川スーパー堤防関連講演)の講演が終わった直後の午後3時に会場に来たとのことです。 質疑の時間はかなりありましたし、終了後も時間がありましたが、青山のところに上毛新聞の記者が取材は一切来ませんでした。 主催者の鈴木郁子さんが送られてきた上毛新聞の小さな(ベタ)記事を見ると、
短い記事だが、一度始まった公共事業を中止することは困難と指摘した上...と言う部分は、青山は指摘した覚えがまったくありません。 おそらく記者は常々そうお思っているんでしょうし、そう書いてきたんでしょうが、今回の講演は、「再開された公共事業でも中止することは不可能ではない」ということを参加者に伝えるために東京から高崎にでかけたのですから。 当日撮影したビデオの質疑部分をすべてチェックしてたところ、「あそこまでやられるとちょっと、という感じがしますね。でも(今後)5年、10年の間に知恵を出して、政権を何回変えてでもやめさせるぐらいの気概をもたないと」と私は話していました。しかし、一度始まった公共事業を中止することは困難、とはまったく話していないのです。 記者が勝手に言わないことを言ったかのごとく作文する、それも当人がすぐそばにいるのにまったく取材もしない、と。 これは国土交通省から高額の事業委託費を特命随意契約で受け広報機関となっている上毛新聞の記者の常套句なんでしょうか? ◆青山貞一:八ッ場ダムE メディアの腐敗と堕落 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col28077.htm ◆八ッ場ダム事業の地元の上毛新聞社、国交省から 随意契約で広報業務を受注! http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col8822.htm ★大野和基:外国人ジャーナリストが驚いた日本メディアの惨状 以下が私の講演の本題です。 これについて記者はまったく聞いていないのですから書きようもなく、ゼロだったわけです。 @すなわち国際的に見て日本の土建系公共事業費が歴史的に見て他の先進諸国に比べ以上に高い割合(総額、GDP比、面積比、経年)であったこと、 A日本の国の一般会計、特別会計の仕組み、社会資本整備関連特別会計の仕組みから見て、土建系公共事業費が見えにくくなっていること、 B総額19兆円に及ぶ復旧、復興予算が被災地と関係ない土建的事業に巨額が使われていること、 Cしかもそれらの事業では大手ゼネコンがまともな競争入札もなく、落札していること、 Dこれは従来型公共事業費から、今や年度予算で国土交通省を抜いた環境省予算額(除染、がれき広域処理など)で顕著なこと、 Eどうしようもない、あいも変わらない土建国家、日本だが、その結果何が起こったが、ミシガン大学の世界幸福度ランキングで43位、金持ち国クラブOECDの幸福度ランキングでも34カ国中、19位と、国民は働らけど、働けど、幸福どころか不幸のどん底にあります。 Fさらに肝心な八ッ場ダム事業は、今年度は生活整備などで100億円ちょっとであるが、 G1998年以降の八ッ場ダム関連事業費の推移の詳細を見ると水資源特会(総額4600億円)のみならず、道路特会から1000億円以上が援用されている実態があり、すでに都合5本に及ぶ巨大橋梁のうち4本が竣工し、残り一本が今年度着工されていること、橋梁以外に6本ものトンネルはじめ河川改修、砂防ダムなど関連整備もほぼ完了しており、長野原町は公共事業のデパートと化していること、 H今後、利根川有識者会議を急がせた上で本体工事着工の予算を次年度予算か補正予算に入れようとしていること、 Iしかし、わたくしがもっとも信用している川原湯温泉近くの豊田牛乳社長に聞けば(すでに5年にわたり毎年議論しています)、JR吾妻線の新河原湯温泉駅は、早くて5年後、おそければ10年後に完成ということなので、それまでは万一、本体工事に着工しても、ダムに水を入れることはできないこと、 Jそれ故、まだまだ八ッ場ダム工事を中止させる可能性はあること、JR東日本も攻口となりうること、 K青山、鷹取がここ数年、基礎、原理から研究開発している八ッ場ダム基本高水シミュレーションシステムを用い、緑のダムの有効性を群馬県西部の吾妻川の集水域を対象に適用した場合、森林的な土地利用が多い場合、しかも上流域、中流域に1時間に50ミリという甚大な集中豪雨が合った場合、7地点とった調査地点の水位で、間違いなく保水効果があることが分かったこと。 L有識者会議における「緑のダム」論議は、もとよりまともな定量的な議論に耐えうるモデルとなっておらず、茶番であること M有識者の選定そのものが官僚の手の内にあり、すこしばかり御用学者以外が入ったからといって、それはオタメゴカシにしかならず、最終的に採決となった場合には、必ず国土交通省側が数の上で勝つように仕組まれていること、 N国土交通省の利根川・江戸川水系関連の有識者会議の別立てメンバーになぜか関連都県の各新聞社が入っていますが、本来、新聞社はこんなところに入っている場合ではなく、第三者として委員会を取材し、監視すべき立場にあるはずであること、 などです。 上毛新聞の記者は上記には一切触れることなく、私が話もしない、しかもありきたりのことを書いてたことになります。 いつもながらのことですが、信じられないことです。以下は近々、ノーカットでYouTubeの動画にします。 ◆特集:ひさびさの八ッ場ダム関連講演と議論 2012年10月14日 群馬県高崎市 ◆青山貞一:ひさびさの八ッ場ダム講演 in 群馬県高崎市(1) http://eritokyo.jp/independent/aoyama-fnp10356...html ◆青山貞一:ひさびさの八ッ場ダム講演 in 群馬県高崎市(2) http://eritokyo.jp/independent/aoyama-fnp10357...html ◆青山貞一:ひさびさの八ッ場ダム講演 in 群馬県高崎市(3) http://eritokyo.jp/independent/aoyama-fnp10358...html |