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1月27日夜9時半過ぎ、テレビ神奈川(tvk)で私がインタビューに応じた特番が放映されました。 いつものことですが、インタビュー時に青山貞一が話した内容の前半部分がすべてカットされ、最後に話しました「やむを得ない場合の次善の策」だけが放映されました。 そこで以下にその前提を含めた私の話の全容を示しますので、参考にしてください。 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2012.1.25 都市大青山研究室にて .... 岩手県の100ベクレル/kg以下の瓦礫を神奈川県で焼却し、横須賀市芦名にあり神奈川県の最終処分場で焼却するという黒岩知事の対応に、神奈川県民、とりわけ横須賀市民が怒っているが? 災害廃棄物を運搬し東京都や神奈川県で焼却処理し、その焼却灰を埋め立てることに関連し、受け入れを表明している基礎自治体の住民などが反対を表明している。 私は東京都、神奈川県などの知事がトップダウンで一方的に受け入れを進めているがおかしいと思う。この間、市民相互の議論の場が一度もつくられていない。 マスコミが強権知事の言い分だけを一方的に放映し、反対する住民団体が国賊であるかのように報道されている。これもおかしい。 私見では、自然レベルに近いとして100ベクレル/kg以下のがれきを一旦引き受けると、その後、高濃度汚染の瓦礫も受け入れ燃やしてしまう可能性がある。 行政が毎回各所で計測すると言っても、放射線量の測定はまだしも放射能(ベクレル値)を測定するのは容易ではない。本当に各所で測定するか、できるのか? いわき市薄磯海岸の瓦礫の約1m前で放射線量を計測する鷹取敦 撮影 青山貞一 2011.10.16 いわき市薄磯海岸の瓦礫の約1m前で放射線量を計測する鷹取敦 撮影 青山貞一 2011.10.16 豊間中学校のプールにも災害廃棄物がうずたかく積まれていた。 飛び込み台が見える 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.25 災害瓦礫の直近で放射線量を測定する池田こみち 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.12.25 図 福島県いわき市内 空間放射線量測定値 単位:μSv/h 測定期日:2011年12月25日 午前 天候:晴れ 参考 ◆青山貞一:がれきに含まれる放射性物質量と放射線量の関係について 私たちは福島県内などの10,000ベクレル/kgレベルのかなり汚染された災害廃棄物は、いわゆる広域処理せず、すべて遮断型の最終処分場に堤防構築と組み合わせ構築し、30年近く仮置する案を提案してきた。 これはあくまで一切燃やさない場合の案である(以下)。 出典:青山貞一、池田こみち 出典:青山貞一、池田こみち提案、防波堤を兼ねた遮断型仮置場 一方、もし本当に100ベクレル/kg以下であるなら、何もエネルギーを浪費し炭酸ガスを出して岩手県から神奈川県まで運搬することない。 岩手県が国からの資金補助で過疎地にカネをかけ高性能のバグフィルターをつけた焼却炉を設置し焼却すればよいだろう。これは今まで政府が補助金行政でしてきたことである。 事実、宮城県は県内の災害廃棄物処理ですでにそれをしている。岩手県の釜石市もそうしている。 ◆産経新聞・仙台市は処理順調 荒浜焼却炉稼働 http://sankei.jp.msn.com/region/news/111202/myg11120202090000-n1.htm 2011.12.2 02:09 釜石市平田地区の瓦礫保管場の様子 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 釜石市平田地区で今後瓦礫を焼却する焼却炉(溶融炉) 撮影:青山貞一 私は災害廃棄物の焼却、溶融はよいこととは思えない。なぜなら、災害廃棄物にはがんの原因となるアスベストなども含まれているからだ。公共施設ではアスベストが使われてきた。昨年春、環境省も災害廃棄物中に含まれるアスベストを測定していたはずだ。 それをなぜ、超過密な首都圏にもってきて既存の焼却炉で燃やすのかという問題がある。 黒岩知事らが言うように、本当に自然界に近い災害廃棄物であるなら、それを分別し、木材部分をチップ化したうえで、岩家県内などの寒冷地(寒冷地)でストーブの燃料として燃やすこともありうるだろう。 これにより地元に雇用が出来るし、石油系燃料よりCO2の排出源単位も低くなるかも知れない。 いずれにせよ、未汚染地域にあえて運び込み燃やし、遮断型でなく管理型の処分場に処分するのは、さまざまな意味で愚の骨頂である。 |