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原発停止求め各地で提訴へ
全国の弁護団が初会合

青山貞一
Teiichi Aoyama
掲載月日:2011年7月18日
 独立系メディア E−wave
無断転載禁


 2011年7月16日、福島第一原発事故を受け、原発の建設や稼働に反対してきた全国各地の弁護士約50人が東京に一堂に会し、原発の運転に反対する全国的な弁護団が初めて結成された。

 今後、全国各地で原発の建設や運転停止を求める裁判を起こすことになった。

 この脱原発弁護団には、現在までに弁護士約100人が参加を表明しているが、初会合では「すべての原発をなくすまで、訴訟などあらゆる手段を尽くして闘い続ける」とする宣言が採択された。


NHK定時ニュースより

 そのうえで、原発がある地域で新たな裁判を起こしていくため、各地で活動する弁護団の間で情報共有を図るなど連携を強化することでも一致した。

 7月16日、猛暑の都内で開催された全国規模の脱原発弁護団の初会合では、定期検査中のトラブルで原子炉を手動で止めることになった関西電力の大飯原発1号機のほか、定期検査中の高浜原発1号機などについて、運転を再開しないよう求める裁判を近く起こすことや、震災のあと建設が中断されている青森県の大間原発について、建設の中止を求めてことし秋に追加提訴することなどが報告された。

 原子力発電所を巡って、これまでに起こされた裁判は、以下の表にあるように、最終的には「安全対策に問題はない」などとして、すべて訴えが退けられてきた。

◆主な原発訴訟の判決 原告の請求内容 提訴年 一審 二審 最高裁
原発訴訟名と訴訟内容 提起年 結果
1審 2審 3審
伊方原発1号機 設置許可処分取り消し 1973
東海第2原発 設置許可処分取り消し 1973
福島第二原発1号機 設置許可処分取り消し 1975
柏崎刈羽原発1号機 設置許可処分取り消し 1979
女川原発1、2号機 設置運転差し止め 1981
もんじゅ 設置許可無効確認 1985
もんじゅ 建設・運転差し止め 1985 確定
滋賀原発1号機 建設・運転差し止め 1988
福島第二原発3号機 運転差し止め 1991
10 滋賀原発2号機 建設・運転差し止め 1999
11 浜岡原発3,4号機 建設・運転差し止め 2003 審理中
○・・・・原告勝利   X・・・・原告敗訴

 ちなみに、各地の原発をめぐっては、これまで周辺住民などが中心となって国に設置許可の取り消しを求める裁判を起こしてきたが、一審や二審で勝訴したケースはあっても最終的にはいずれも敗訴している。

 弁護団は、現在の国の安全設計の指針が「長時間、すべての電源が失われる事態は想定しなくてよい」としていることについて、重大な不備があると主張していくことにしている。

 さらに弁護団は今後、定期的に会合を開き、他の原発についても建設や運転停止などを求める裁判を起こすための準備を進めることにしている。

◆河合弘之弁護団長挨拶(静岡にて) 
河合氏は上記の全国弁護団の団長にも選出されている!