|
||
今回ばかりは、国民も何が問題かをしっかりつかんでいるようだ! 日本経済新聞とテレビ東京が5月27日〜30日に行った世論調査で、政府の原発対応について「評価しない」は74%(4月調査より4ポイント増)に達しており、「評価する」の16%を大きく上回ったという。 また菅首相の交代を望む声が日に日に強まっており、。「できるだけ早く交代すべきだ」の21%、「震災・原発対応が一段落したら交代すべきだ」の49%を含めると実に7割が菅退陣を望んでいることがわかったという。
国民の7割が菅総理、首相の退陣を望んでいるという数字は、自民党時代でもない数字である。 私は、前編で「政治家=結果責任」を力説したが、菅首相は就任後、重要な選挙のすべてで大敗したにもかかわらず、知らんぷり、一切、責任を取らず、大震災、原発への対応を理由に菅政権の退陣を拒否してきた。 しかし、リーダーシップ、ガバナンス、リスク管理、情報公開、いずれをとっても最悪となっている菅政権がこのまま継続し大震災、原発へいい加減な対応をとることの方が、よほど被災地の人々にとって、そして国民にとって耐え難いことであるはずだ。 大震災対応や東電問題のみでなく、消費税問題しかり、沖縄普天間基地問題しかり、もともと民主党が政権交代時に掲げたさまざまな公約、準公約への対応しかりである。 このままでは、一体何のために国民が半世紀続いた自民党の圧政から政権交代を選んだか意味も価値もなくなる。 前編「現実味を帯びてきた菅内閣不信任案」に書いたように、今週、衆議院の本会議で菅内閣の不信任決議案が提出される可能性が一段と高くなってきた。 小沢氏の基本的考えは、自民党との大連立ではなく、内閣不信任決議案賛成→内閣総辞職→民主党から新総理選出であろう。 一方、菅政権と民主党執行部は、以下の記事にあるように、野党から内閣不信任決議案が提出された場合、党が一致して否決する方針で臨み、党内から賛成や欠席者が出た場合は厳正に対処することで一致したと党幹部が明らかにしたという。 今まで自らの失政に何ら責任を取ってこなかった菅内閣と岡田幹事長が下の記事にあるように、不信任案同調者や本会議欠席者などの造反議員には厳正な対処をとると息まいているのはトンデモである。
実際に不信任決議案が可決されるためには、衆議院定数480(欠員1で479)の過半数240が必要である。 自民、公明、みんな、共産など野党で不信任案に賛成にまわる勢力は概ね160票なので、80票は不足する。 小沢グループは衆院で100名近くいるはずだが、実際に不信任案に賛成する議員は、推定で最大60−70票前後なので、10ー20票が足りない。 民主党執行部から無期限の党員資格停止処分を受けた小沢一郎氏は、この5月30日、最終的に菅内閣不信任案に賛成する意向を明確にするとともに、態度を明らかにしていない鳩山由紀夫前総理らと会談している。それは上記残りの10−20票の賛成票を得るためである。 もちろん、民主党の衆議院議員で菅内閣不信任案に賛成しないまでも欠席する議員がいれば当然、それだけ過半数のハードルが低くなる。それを見越して岡田幹事長や安住国対委員長は上の時事通信の記事にあるような締め付けをしているだが、小沢グループはじめ中間派議員の本気度は、今までになく高い。 おそらく小沢氏は、自ら不信任案に賛成し、それが否決された場合は、衆院のみでなく参院のグループ議員を引き連れて民主党を出て新党を設立する覚悟であろう。 いずれにせよ、国民も自民党に戻ったら元も子もないという認識で、今の菅政権の継続をやむなく支持する割合は、今までになく少なくなっている。 また民主党国会議員にしても、今のままでは次回の選挙で民主党は大敗し、それこそ国民の多くが恐れる自民党の復権の悪夢の津波が押し寄せる可能性が大である。 事実、自民党がこの春の統一地方選にあわせ実施した選挙区別の詳細な調査によれば、今総選挙を行えば自民党が300議席を得るとされており、民主党議員が既得権益的に今の菅政権にすり寄っていては将来がないことを自覚しなければならないだろう。 いずれにせよ、正念場である! |