東電、原発公聴会に社員を大量動員!? 青山貞一 掲載月日:2013年4月6日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
案の定というか、やっぱり東京電力も九州電力同様、原発関連の公聴会に社員を送り、原子力政策、原発開発などに賛成する内容の公述をさせていた疑いが高まった。 これは下の記事にあるように、平成17年8月に内閣府の原子力委員会が福島市で開いた、原子力政策の方向性を示す「原子力政策大綱」について、市民の意見を聞く公聴会で、出席した135人のうち、およそ4分の1の35人が東京電力の社員や東電の関係者であることがわかったという。
九州電力では、公聴会だけでなく、玄海原発に関連するシンポジウムで、東京大学大学院の教授が同じパネリストの京大の小出助教を罵倒するだけでなく、「プロトニウムは飲んでも平気」という主旨の発言をしたことで大問題となった。 察するに当時は、九州電力、東京電力に限らず9電力のすべてでこの種の社員や関係者によるヤラセ発言がまかり通っていた可能性が高い。 なお、この種の公聴会や環境アセスメントに関連した公聴会では、公述人の選定に際し、表向きは抽選としていながら、実際は電力会社や開発事業に関連する”住民”が公述人となり、政策や事業に賛成する意見を述べることが常道化していると言ってよい。 下図は国民の民度を計るひとつの重要な物差しとして米国の社会学者シェリー・アーンシュタインが提案している「参加の梯子」である。 下図はアーン・シュタインの「8段階の梯子」を私なりに少々手直しして、大学の講義(公共政策論など)で使っているものだ。
図1 「民度を計る」ための8段階の階段
原典:シェリー・アーンシュタイン(米国の社会学者)、青山修正版 図1に関連して日本はどうかといえば、おそらくせいぜいレベル5、すなわち形式的な市民参加の増加であるが、その実態は、レベル1、すなわち情報操作による世論誘導ではないだろうか。 都市計画や環境アセスメントなどにおける市民参加、さらに国や自治体が行うパブリックコメントでも、多くの場合は、レベル2の<不満をそらす操作>かレベル4の<形式的な意見聴取>であることが多い。 さらに、公聴会やシンポジウムではないが、10年前には、東京でも一般市民を対象にお弁当とバス付きの原発施設見学が行われていた。 東京の23区部でも町内会や自治会に話が持ちかけられていた。私が住んでいる東京都品川区でも、浜岡原発を対象としたお弁当とバス付きのツアーが行われていた<実績>がある。 ヤラセの公聴会や弁当付きバスツアーをする方も問題だが、簡単にそれらに引っかかる側も問題と言えば問題ではなかろうか? これは私達がここ数年、問題視している、日本国民の70%は無思慮に新聞やテレビなどのマスメディアの報道内容を鵜呑みにしている現実に通ずるところがあると思う。 |