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特集 「ミッション、パッション、アクション」の重要性― 青山貞一教授 最終講義 1月20日、本学横浜キャンパス33I教室において、本年3月で退職する環境情報学部の青山貞一教授と宮坂榮一教授による「最終講義」が行われた。参加者の中には、中村学長や吉崎学部長、卒業生など通常の講義とは異なった雰囲気であった。青山教授は「環境調査と環境アドボカシーで歩いた世界」を題目に講義を行なった。 まず、行政と大企業だけでは環境問題は解決できない。これからは欧米を見習い、専門家や弁護士によるNGO・NPOへの支援が必要と青山教授は感じ、1986年にNGOとして環境総合研究所を立ち上げた。そこで気を付けたのが「ニッチ」であることと語る。 人がやっていることではなく、誰もができるわけではない高度でニッチな事をやろうと考え、大学時代に学んだ通信工学の知識を活かし、インターネットがなかった時代に日本中に環境問題のネットワークを作った。 また、目標を達成するためのアドバイスとして、現代人には「ミッション、パッション、アクション」が必要と語った。いくら崇高な理念があり使命があっても、情熱を持ち行動に移さなければ世の中は変わらない。 二つ目に、何をするにも闇雲に行うわけにはいかない。そのためには「ビジョン、シナリオ、プログラム」が大事だ。特にプログラムは代替案としていくつかの案が必要と語った。 三つ目に、「物事から逃げるな、恐れるな、怯まず」最後までやり抜く責任感が大切だ。続いて、利害にとらわれずに発言をすることや、人がやりたがらないことでも必要なことはリスクがあっても率先して行うことの重要性を語った。 また、私たちにとって一番大事なこととして「正直に働くものが馬鹿を見ない、皆が幸福に生きることのできる社会づくり」と語った。そのためには壊れかけている人間関係やコミュニティを修復することが大事と述べた。 他にも、戦争が環境へ与える影響や、「Steady state economy」という定常状態を維持する経済の良さを語り、青山教授による最後の講義を聴衆は真剣に聴いていた。講義終了後、花束が贈呈され青山教授に盛大な拍手が送られた。 特集 「人にやさしい研究」をこれからも続けたい― 宮坂榮一教授 最終講義 1月20日、本学横浜キャンパス33I教室において、本年3月で退任する環境情報学部の青山貞一教授と宮坂榮一教授による「最終講義」が行われた。参加者の中には、中村学長や吉崎学部長、卒業生など通常の講義とは異なった雰囲気であった。宮坂教授は「放送用音声研究の軌跡 ~NHK放送技術研究所 & 東京都市大学~」と題して講義を行った。 青山教授最終講義の後、宮坂教授が教壇に立ち最後の講義を行った。宮坂教授は「人にやさしい研究をモットーに進めてきた」と最初に語った。その後、教授就任前に所属していた、NHK長野放送局と放送技術研究所での経験を紹介した。自身の勤務経験や研究成果がどのように活用されてきたのかを述べた上で、実際に企業との共同商品化にこぎつけたということなどをわかりやすく解説した。 NHK「クイズ 日本人の質問」にも出演した経験を話した際には、教授とバラエテ ィ番組とのギャップに会場からは笑い声が聞こえた。また、教授は英語体験にも 触れた。自身が議長を務めた国際会議においてプリンターが不調になった際、” This is not laser printer. This is lazy printer.”とダジャレで周囲を和ませたエピソードも紹介した。 本学教授に就任後は、民間CMや正面縦方向音像実験などを学生とともに研究。また、青山教授とともに学長室にて大学改革を進める。 その中で、企業のグローバル化をもっと推し進めることで大学も変革が可能である、企業はその点をもっと実行すべきだとも語った。教授退任後は、IT技術などを多用した家庭教師システムを開発したいと述べ、今後も「人にやさしい研究」を進めていく構えを見せた。 最後に、常に問う3つの疑問と題しプレゼンをした。その内容は、「私とは何者か」「何のために生きるのか」「なぜ世界は平和にならないのか」というもので、文献を交えながら紹介した。教授の生きがいにおける基本姿勢がここでうかがえた。 講義終了後、中村学長から青山・宮坂両教授に対して、サミュエル・ウルマン作、新井満自由訳の「青春」のうち、“臆病な二十歳がいる 既にして 老人/勇気ある六十歳がいる/青春のまっただなか/歳を重ねただけで 人は老いない/夢を失ったとき はじめて老いる”の一説を贈り、「お二人には本当に感謝している、さらなる飛躍を」と締めくくった。 |