エントランスへはここをクリック   


アラブ最貧国イエメンフーシ派が

世界第3位のサウジアラビア軍事大国に勝利

青山貞一 
独立系メディア E-wave Tokyo
2019年8月22日
 無断転載禁

,
 アラブでも最も貧者のイエメン・フーシ派が、アラブで裕福な世界第3位軍事大国サウジアラビアやその有志連合に勝利した。

 「土曜日、イエメンのフーシ派反政府派が発射した無人飛行機が、サウジアラビアの不規則に広がる砂漠奥深くの巨大なガス・石油田を攻撃し、重要なエネルギー産業に対する最近で二度目の攻撃で、王国が「限定的な火事」と述べたものをひき起こした。サウジアラビアが攻撃を認めたのは、フーシ派の軍報道官ヤヒア・サリエが反政府派が、彼らの「これまでで最大」の作戦として、ガス・石油田を標的に定め、爆弾を搭載した無人飛行機を10機の発射したと主張するビデオ声明を発表した数時間後のことだ。彼は更に多くの攻撃を行うと脅していた。」 
 出典:1.サウジアラビア油田に対する長距離攻撃が対イエメン戦争を終わらせる 
       マスコミに載らない海外記事、
     2.Long Range Attack On Saudi Oil Field Ends War On Yemen、
       Moon of Alabama


出典:グローバルノート

 それもイランの指導のもと自前の無人爆撃機を開発し、1500km先の油田に正確に落とせる攻撃に成功したのだ。

 「イエメン反政府派が支配している領土からの油田の距離は、フーシ派ドローンの射程距離を示している。国連調査者たちは、イエメンでのサウジアラビア率いる連合による戦争で、ここ数カ月、見られるフーシ派の新しいUAV -X無人飛行機は、多分最高1,500キロ(930マイル)の射程だと語っている。その射程距離内には、サウジアラビアの油田、首長国で建設中の原子力発電所や、ドバイの交通量が多い国際空港がある。
 パイロットが遠隔操縦して飛行させるのが可能な、人工衛星を利用する高度なドローンとは異なり、フーシ派の無人飛行機は、多分特定の緯度と経度を攻撃するようにプログラムされていて、電波範囲から出たあとは制御できないものだと専門家たちは考えている。フーシ派は、レーダーによって追跡することが困難な無人飛行機を、敵の兵隊と、サウジアラビアのパトリオット・ミサイル部隊を攻撃するために使っていた。」

 出典:1.サウジアラビア油田に対する長距離攻撃が対イエメン戦争を終わらせる 
       マスコミに載らない海外記事、
     2.Long Range Attack On Saudi Oil Field Ends War On Yemen、
       Moon of Alabama


 毎年、巨額で戦闘機などを米国から購入し世界3位の軍事大国になったサウジは中東湾岸スンニ派諸国と有志連合を組み、この数年、連日連夜イエメンを爆撃し、兵士、市民を含め膨大な数の死亡者を出していた。日本のメディアは書かないがその数はかなりに上っている。
.html#ix

サウジ、イエメンの居住区にクラスター爆弾を使用225
出典・c REUTERS/ Khaled AbdullahE/スプートニク


世界は新たな世界大戦の瀬戸際に立っている?
出典:AFP/スプートニク

 しかし、情勢は一変した。

 イランがホルムズ海峡近くに飛来した米国の無人偵察機を自前のドローンで破壊墜落させたのは今年のことだ。


出典:Moon of Alabama

 その後、イエメン・フーシ派はイランの指導の下、このドローン技術を受け1500km先の油田、油井まで正確に爆撃することができるようになったのだ。
,
 いうまでもなく、”放漫経営”で国歌としての”ガバナンス”がないサウジアラビアが世界第3位の軍事大国であり続けたのは「油田」「油井」やその関連施設があってのこと、今後、イエメン・フーシ派に次々とそれらを爆撃されたら身も子もない。


出典:グローバルノート

 このドローン爆撃機は米国から高額で買ったPAC3やおそらくイージズアショアにもひっかからず、標的に到着していたのである。これをうち撃ち落せるのはロシアのS-400しかないと言うから、何とも皮肉なことだ。

 「(イラン)訪問中のフーシ派交渉責任者ムハンマド・アブドル・サラムとの会談で「私はイエメンの敬けんな男性と女性の抵抗に対する私の支持を宣言する。イエメンの人々は強い政府を設立するだろう」とハメネイがと言ったと国営テレビが報じた。初めて、フーシ派代表幹部とテヘランで会議を開催したハメネイは「イエメンを分裂させるサウジアラビアに率いられた陰謀」に対する強い抵抗を呼びかけたと半官的なファルス通信社が報じた。「主権と領土を持ち、統一され、一致団結したイエメンは支持されるべきだ。イエメンの宗教的、民族的多様性という条件を考えれば、イエメンの保全をはかるには国内対話が必要だ」と彼が述べたと、テレビは報じた。」
 出典:1.サウジアラビア油田に対する長距離攻撃が対イエメン戦争を終わらせる 
       マスコミに載らない海外記事、
     2.Long Range Attack On Saudi Oil Field Ends War On Yemen、
       Moon of Alabama


 この問題は単なるスンニ派vsシーア派(フーシ派を含め)の世界紛争だけでなく、今後の米国による中東戦略さらには米国の対ロシア、対中国戦略にも大きな影響を与えると思う。

 ちなみに日本には何10機のPAC3があり今後イージスアショアーが配置されるが、巨額なそんなものをかいくぐり1500km先から日本の要所をピンポイントで攻撃できることになるからだ。

 それにしても、イランの理念、頭脳と技術には驚かされる!

 「アメリカがイランに対してステルス・ドローンを使ったことで、イランはその一機を捕獲し、分析し、複製する機会を与えたのだ。イランの広範なドローン計画は自前で、非常に歴史があるが、アメリカが意図せずに提供した技術から利益を得たのだ。アメリカとその同盟国が、アフガニスタン(2001)、イラク(2003)、レバノン(2006)、シリア(2011)、イラク(2014)とイエメン(2015)に対し、中東で行った全ての戦争は、意図せずに、イランとその同盟国をより強くして終わった。さらにテヘラン訪問は、フーシ派が、もはや未承認の孤立した組織でないことを証明した。」

 そして

 「イラン、イギリス、フランス、ドイツとイタリアの当局者とイエメンのアンサール・アッラー(神の支持者)フーシ派組織がアラビア半島の国で長引く戦争の政治的解決について意見を交わした。会談は、アンサール・アッラーと四つのヨーロッパ諸国の代表団とで、土曜日、イラン、テヘランの外務省で開催された。


出典:Moon of Alabama

 会談では、各代表団が、政府的、軍事的進展と人道的状況を含む、イエメンにおける成り行きに対するそれぞれの見方を説明した。各代表団は戦争の即時終結の必要を強調し、政治的手段が危機に対する究極の解決だと述べた。

 出典:1.サウジアラビア油田に対する長距離攻撃が対イエメン戦争を終わらせる 
       マスコミに載らない海外記事、
     2.Long Range Attack On Saudi Oil Field Ends War On Yemen、
       Moon of Alabama


 それにしても、この重要な一件な出来事を、西側や日本のメディアがサウジ側に負傷者がいなかったという程度にしか報じなかったことだ。たとえば、「サウジ油田に無人機攻撃、フージ声明、負傷者無し」(産経ニュース)、「フーシ派がサウジ油田に無人機攻撃、生産に影響なし」(ロイター)であることだ。精々「サウジ油田を無人機攻撃=イエメン武装勢力、脅威高まる」、AFPJがことの本質を見抜いていた程度だった。