ダイオキシン類測定分析業者に
対する勧告等について

                                               平成11年4月28日
                                               公 正 取 引 委 員 会


 公正取引委員会はダイオキシン類測定分析業者に対し、独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ、ダイオキシン類測定分析業者11名(以下「11名」という。)が、千葉市が指名競争入札の方法により発注する同市のごみ焼却施設に係るダイオキシン類測定分析業務(以下「千葉市発注の特定ダイオキシン類想定分析業務」という。)について、共同して、受注予定者を決定していた事実が認められたので、本日、11名に対し、同法第3条(不当な取引制限)の規定に違反するものとして、同法第48条第2項の規定の基づき、別添勧告書のとおり勧告を行った。

 また、本件審査の過程において、ダイオキシン類測定分析業者17名(以下「17名」という。)が、埼玉県、千葉県、東京都又は神奈川県の区域に所在する市町村等(千葉市を除く。以下同じ。)が指名競争入札の方法により発注するごみ焼却施設に係るダイオキシン類測定分析業務について、話合いにより、受注予定者を決定していた疑いがある行為が認められたので、本日、17名に対し、独占禁止法第3条規定に違反するおそれがあるとして警告を行った。

 勧告等の概要は、以下のとおりである。

第1 勧告について

1 関係人の概要

会 社 名  本店所在地 代表者氏名
株式会社 環境管理センター 東京都日野市 後藤 一郎
中外テクノス株式会社 広島市西区 福馬 勝洋
新日本気象海洋株式会社 東京都世田谷区 田畑日出男
鋼管計測株式会社   川崎市川崎区  上野 康
株式会社島津テクノリサーチ 京都市中京区 石田 康夫
株式会社東レリサーチセンター 東京都中央区 石谷 炯
東和科学株式会社 広島市中区 郷田 分吾
財団法人日本食品分析センター 東京都渋谷区 加藤 誠哉
栗田工業株式会社 東京都新宿区 竹歳 一夫
川重テクノサービス株式会社 兵庫県明石市 恒成 利康
日本検査株式会社  東京都江東区 前川 宏明


2 ダイオキシン類について

(1)ダイオキシン類について

ダイオキシン類は、物の焼却等に伴って生成され、ごみ焼却施設から排出されるガス(排ガス)や飛灰のほか、焼却灰、排水等に含まれて施設外に排出される。ダイオキシン類の発生量の90パーセントは、ごみの焼却により発生するとされている。
平成9年12月1日から施行された廃棄物処理法施行令及び廃棄物処理法施行規則により、一定規模以上の処理能力のある焼却炉について、年1回以上、排ガスのダイオキシン濃度を測定することが義務づけられている。


(2)ダイオキシン類測定分析業務について

ダイオキシン類の測定分析は、サンプリング(測定・検体の採集)、前処理、分析装置(ガスクロマトグラフ)による分析の手順で行われる。
ごみ焼却施設を管理・運営する市町村及び一部事務組合(以下「市町村等」という。)は、ごみ焼却施設に係るダイオキシン類測定分析業務を、おおね、民間の測定業者に委託している。
千葉市は、平成6年度以降、同市のごみ焼却施設ごとに、毎年1回、ダイオキシン類測定分析業務を指名競争入札の方法により発注している。

3 違反事実の概要(別添勧告書参照)

(1) 11名は、平成7年11月20日以降、千葉市発注の特定ダイオキシン類測定分析業務について、受注機会の均等化を図るため、
千葉市から指名競争入札の参加の指名を受けた場合は、平成6年度以降指名を受けた回数を一定方式により算定する点数制を元に、指名業者の間の話合いにより、当該ダイオキシン類測定分析業務を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定する
受注すべき価格は受注予定者が定め、受注予定者以外の者は、受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する旨の合意の下に、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた。
(2) 11名は前記(1)により、千葉市発注の特定ダイオキシン類測定分析業務の全てを受注していた。
(3) 平成10年6月11日、本件について、当委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ、11名は、同日以降、前記(1)の合意に基づき受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。

4 適用法条

  独占禁止法第3条

5 排除措置

(1) 11名は、平成7年11月20日以降行っていた、千葉市発注の特定ダイオキシン類測定分析業務について、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた行為を取りやめていることを確認すること。
(2) 11名は次の事項を千葉市に通知すること。
前期(1)に基づいて採った措置
今後、共同して、千葉市発注の特定ダイオキシン類測定分析業務について、受注予定者を決定せず、各自がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
(3) 11名は、今後、それぞれ、相互に又は他の事業者と共同して、千葉市が競争入札の方法により発注する同市のゴミ焼却施設に係るダイオキシン類測定分析業務について、受注予定者を決定しないこと。
(4) 11名は、平成11年5月17日までに、この勧告を応諾するか否かを当委員会に通知しなければならない。なお、応諾しない場合には、審判手続が開始されることとなる。



第2 警告について

1 関係人の概要

会 社 名 本店所在地 代表者氏名
株式会社 環境管理センター 東京都日野市 後藤 一郎
中外テクノス株式会社 広島市西区  福馬 勝洋
新日本気象海洋株式会社 東京都世田谷区 田畑日出男
鋼管計測株式会社 川崎市川崎区 上野 康
株式会社島津テクノリサーチ 京都市中京区 石田 康夫
東和科学株式会社 広島市中区 郷田 分吾
財団法人日本食品分析センター 東京都渋谷区 加藤 誠哉
栗田工業株式会社 東京都新宿区 竹歳 一夫
川重テクノサービス株式会社 兵庫県明石市 恒成 利康
日本検査株式会社 東京都江東区 前川 宏明
株式会社コベルコ科研 神戸市中央区 尾崎 太郎
東京テクニカル・サービス(株) 千葉県浦安市 吉池 詠
菱日エンジニアリング(株) 横浜市中区 庵  幸雄
株式会社タクマ 大阪市北区 西田 常男
株式会社ユニチカ環境技術センター 京都府宇治市 古塚 信行
財団法人化学品検査協会 東京都江東区 平石 次郎
財団法人日本品質保証機構 東京都港区  佐久間謙司

2 警告の概要

 埼玉県、千葉県、東京都または神奈川県に所在する市町村(千葉市を除く。)が指名競争入札の方法により発注するゴミ焼却施設に係るダイオキシン類測定分析業務について、話合いにより、受注予定者を決定していた疑いがある行為が認められた。
 当該行為は、独占禁止法第3条の規定に違反するおそれがあることから、17名に対し、今後このような行為を行わないよう警告した。

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局審査局第三審査
電 話 03−3581−3445(直通)
ホームページ http://www.jftc.admix.go.jp