朝日新聞 2002年3月9日宮城県版 |
仙台市泉区福岡の産廃中間処理施設=松江興業(本杜・千葉県市川市)経営=の周辺の松葉から、独自の調査で環境基準を超えるダイオキシンが検出されたとして、市民団体「廃棄物と環境を考える宮城県民の会」(山田幹夫代表代行)がこのほど、施設の操業停止や、汚染調査を求める要望書を仙台市に提出した。
同会によると、クロマツの葉に蓄積されたダイオキシンの濃度は天候などの環境の変化に影響を受けにくいという。
同会は、施設周辺の10カ所からクロマツの葉を集め、「環境総合研究所」(東京都品川区)を通してカナダの分析機関にダイオキシンの測定を依頼。松葉1グラム当たり約6.84ピコグラムのダイオキシンが検出されたという。研究所によると、大気中の濃度に換算すれば、1立方メートル当たり0.68ピコグラムとなり、国の環境基準の0.6ピコグラムを上回るという。
同施設の排ガス、焼却灰、ばいじんのダイオキシン濃度測定については、98年以降、市自体も定期的に測定している。結果はいずれも環境基準値以下だったという。
市産廃指導課は「市民団体の測定は、大気を直接調べる一般的な調査と測定方法が違うので、大気環境基準とは比較できないのでは」と話した。