中日新聞 2003年5月11日 |
名古屋市緑区や千種区、春日井市で、松の葉に含まれるダイオキシン類の濃度を測定する市民運動を進めている「松葉ではかろうダイオキシンの会・実行委員会」が10日、学習会を名古屋市中区金山一の市民会館で開いた。 運動は、廃棄物焼却施設の反対運動を進めている市民や生協組合員を中心に広がっており、本年度は全国で48団体が参加している。 講師で、運動を率いている環境総合研究所の池田こみち副所長=写真=は、各地でのダイオキシン類濃度の調査結果を報告。その後、環境への悪影響を過小評価する環境アセスメントのあり方や廃棄物処理にかかわる法整備の問題点、ごみ処理施設建設に絡む業者と事業者の癒着した関係、ヨーロッパに比べて甘い監視体制などについて指摘した。 昨年行った津島市の産廃施設周辺での調査では、大気中のダイオキシン類の推計濃度が環境基準値の約3倍だった。春日井市、千種区、緑区では、基準値を下回ったものの、引き続き監視が必要という。 池田副所長は、「生産者、製造者の責任を強化するなどして、循環型社会づくりに取組み、何とか焼却炉の数を減らさなければならない」などと訴えた。 ----- 以下は、5月8日(木)の中日新聞に掲載された告知記事市民グループ 10日に金山で学習会 緑区や千種区、春日井市の市民グループでつくる「松葉ではかろうダイオキシンの会・実行委員会」は10日午後1時半から、中区金山一の市民会館第一会議室で松葉測定の輪を広げる学習会を開く。無料。 ごみなどを比較的低温で燃やすと発生する猛毒のダイオキシンは、クロマツの葉に付着するため、葉を採取して濃度を測定することで、地域の危険度が分かるという。 市民が足を使ってクロマツの分布やダイオキシンの原因施設を調べることで、地域の実情を知り、改善点を探るきっかけになるとして、ダイオキシンの濃度マップづくりは全国的な広がりを見せ始めている。 学習会の講師は、全国マップづくりを研究する環境総合研究所(東京)の池田こみち副所長=写真。松葉測定法のノウハウや効果を話すほか、緑区などのグループが昨年の測定結果などを報告する。 委員会事務局の岩月宏子さんは「地域のきずなづくりの一つとしても効果がある。市内の全区のマップづくりを進めたい」と話している。 問い合わせは岩月さん 電話番号:略 |