河北新報 2002年3月7日朝刊 |
市民団体「廃棄物と環境を考える県民の会」(山田幹夫代表代行)は六日、クロマツの葉を分析するダイオキシン類測定調査で、仙台市泉区にある松江興業(本社千葉県市川市)の産業廃棄物中問処理施設周辺から国の基準値を超える濃度のダイオキシンが検出されたと発表した。
県民の会と住民団体「冠川(七北田川)水源を慕う会」(菅沢勉代表)は仙台市に対し、産廃施設の操業停止や周辺住民の健康調査実施などを要望した。
松葉を東京の民間機関を通じカナダの分析機関に送って検出された値は、大気中ダイオキシン濃度に換算して一立方メートル中〇・六八ピコグラム(ピコは一兆分の一)。
今回測定しなかったコプラナーPCB分を換算すると濃度は○・七六−〇・九七ピコグラムとなり、基準値の○・六ピコグラムを上回った。
松葉の採取場所は、施設の周辺五百−八百メートル。市民団体「美しい仙台を創る会」(関敏ひこ代表)が昨年九月に市内全域で実施した調査で泉区西部の平均濃度が特に高かったため、発生源とみられる施設周辺を調査したという。この施設をめぐって昨年十月に焼却灰の不法投棄が判明し、市が再調査した経緯がある。