2002年11月12日 神戸新聞朝刊掲載 |
市民の手で松の葉に蓄積したダイオキシン類を調べ、住んでいる地域の大気汚染を推計する測定活動が11日、神戸・ポートアイランドであった。地元の神戸市立港島中学校の二年生から12人が「トライやる・ウィーク」で参加、身近な環境問題について体感した。 活動は、「松葉ダイオキシン調査実行委員会」(東京都品川区)が1999年度から全国規模で進めている。神戸・阪神間では、西宮市山口町に本部を置く生活協同組合都市生活(組合員約7300人)が担当。一昨年は西宮、昨年は神戸市須磨区で実施。今年は灘区と合わせて調査する。 測定は、クロマツから半年以上成長した葉を採取し、カナダの分析会社で1グラムあたりのダイオキシン類の蓄積量を調べてもらう。松葉の約10分の1が大気中の濃度とされることから大気汚染度が推計できる。手軽なうえ、自治体などの大気調査と比べ天候の影響を受けにくい利点がある。 生徒たちは、同生協で環境活動を担当する大沼和世理事(47)からダイオキシン発生の仕組みなどの説明を受けた後、島内2ヵ所の街路樹から松葉を採取した。12日は場所を変え、分析に必要な計100グラム(約600本)を集める。生徒は「こんな方法で環境汚染が調べられることをはじめて知った」「どんな結果がでるか気になる」などと感想を話していた。 大沼さんは「島内のごみ焼却施設の神戸市港島クリーンセンターからの排煙の影響も分かるかも知れない」。分析結果を待ち、来年3月に住民向けの報告会を開く。 同生協 電話 078−904−3260 |