毎日新聞福岡 2001年9月1日朝刊 ○グリーンコープふくおか連合○
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新芽から急速に蓄積 汚染防止へ具体的対策 他団体との連携大切
グリーンコープふくおか連合(福岡市)は、99年度から毎年、県内25地点でクロマツの葉を採集し、大気中のダイオキシン濃度を調べる試みを続けている。今年も8月20日〜9月7日に県内26地点で松葉を採取中で、同連合に松葉で大気中のダイオキシン濃度を調べることができる仕組みと調査結果を聞いた。[竹花 周]
クロマツの針葉は脂肪が多く、光合成の過程で大気中のダイオキシン類が吸着しやすいという。新葉から急速に蓄積され、約4ヶ月で蓄積が安定する。一度安定するとそのあとは大気中の平均濃度に対応して松葉のダイオキシン濃度も上下することが確認されている。このため、半年以上たった針葉のダイオキシン濃度を計れば、その地域の大気中の平均濃度を推定することができる。
調査は1地点につき200gの針葉を採取し、カナダの分析会社に分析を依頼。結果が戻ってくるのは翌年1月の予定。1地点に約14万円かかる費用は、組合員のカンパでまかなう。
県内では、99年度に24地点、00年度に28地点で調査。00年度の調査によると、田川市で99年度の3倍、筑紫野市で2倍の数値が出ている。いずれも00年度になって、産業廃棄物処理場の周辺を採取地点に加えたためと考えられている。 グリーンコープは、この調査によって「消費者がダイオキシン問題を身近に感じる効果がある。」という。大気中のダイオキシン発生原因の9割はごみの焼却といわれており、調査に参加した組合員からは「今の暮らし方を真剣に見直さなければならないと感じた。」といった感想も聞かれる。
グリーンコープでは、「ダイオキシン汚染の実態を知り、具体的な対策を講じるためには、この取り組みが広く社会全体に広がるよう、他団体と連携していくことが大切。」と話している。