毎日新聞福岡 2001年5月18日朝刊 |
◇昨年度、県内28地域
環境問題を身近なものとして考えようと、1999年度からダイオキシン濃度の測定を続けている生活協同組合連合会グリーンコープ連合(福岡市博多区、大隈和子会長、組合員29万5278人)はこのほど、松葉を使った2000年度のダイオキシン濃度測定結果と、それに基づいて作成した濃度マップを発表した。
県内の28地域で調査した。最も悪い値を示したのは田川市で4・17ピコグラムTEQ/グラム(TEQは毒性換算係数、1ピコグラムは1兆分の1グラム)。次いで筑紫野市平等寺が3・51ピコグラムTEQ/グラムだった。その他の地域では、福岡市東区で2・38▽北九州市若松区2・32▽飯塚市2・07▽久留米市2・00▽春日市1・86(単位はいずれもピコグラムTEQ/グラム)――などとなっている。
全体的にダイオキシン濃度は下がっていたが、99年度調査でダイオキシン濃度が高かった地域は00年度調査でも高濃度だった。
調査は、松葉に含まれる樹脂がダイオキシンを吸収しやすい性質を利用している。昨年8月末〜9月上旬にかけて、発生2年目の松葉を採取。カナダの民間研究所に分析を依頼した。松葉の採取は生協組合員が行い、分析費用はカンパと同連合でまかなった。
同連合は今年も調査を継続し、年ごとのダイオキシン濃度の推移を調べる予定。濃度マップは希望者に無償配布する。問い合わせは同連合(電話092・481・7697)。【安達一成】