北海道新聞 【道央版】 |
昨年十二月に本格稼働した室蘭市石川町の広域ごみ処理施設から排出されるダ イオキシン濃度の測定値などに疑問があるとして、室蘭、伊達両市内の住民が独自にダイオキシン調査に乗り出す。組織内に有害物質をため込む性質のあるマツの葉を使って分析するもので、十一月六日に葉を採取し、分析を委託する。 調査を行うのは、室蘭市白鳥台の成沢彰男さん(65)らでつくる実行委。成沢さんらは昨秋、ダイオキシン濃度の常時測定装置設置を求め、事業主体の西いぶり廃棄物処理広域連合に署名を提出、同十一月に装置導入を検討する協議会の新設などを盛り込んだ協定書を広域連合から得た。 広域連合はその後、二○○三年度中に協議会を設置するとしたが、いまだ設置のめどは立っていない。 現在、ダイオキシン濃度は広域連合が専門業者に委託し月一回のペースで計測、過去六回とも、国の基準の十分の一以下の○・○一ナノグラム程度だった。しかし「定期測定は事前調整の可能性もあり、影響の有無は第三者が調べる必要がある」として反対派住民が実行委を結成、実施を決めた。 調査は室蘭市と伊達市の各九地点からクロマツの葉計百グラムを採取し、有害物質の測定を行う東京の企業へ送り、ダイオキシン量の分析を委託する。 同様の調査は千葉県柏市など約十自治体が三年前から毎年実施、一九九九年には道内二十一カ所で行われた実績があるという。年内には調査結果が出る見込み。 実行委では分析にかかる費用(二十八万円)への寄付を集めているほか、採取作業の参加者を募集している。 問い合わせは成沢さん(電)0143・59・3087へ。 |