読売新聞山口版 平成13年6月14日
  
■松葉残留のダイオキシン濃度 県西部45%増加
  グリーンコープ2000年度調査


 2000年度に県内5地域で松葉を採取し、ダイオキシン残留濃度を調査した「グリーンコープやまぐち生協」(本部・宇部市、吉田文子理事長、約1万7千人)が13日、分析結果を発表した。下関市の小学校20校で採取した県西部は、残留濃度が前年度に比べ45%の増加となった。東部や南部では大幅減になったという。

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 東部・南部は大幅に減少 同生協によると、松葉はダイオキシンを九州しやすい樹脂を含み、2年で落葉するため、過去1年間の大気汚染の状況を反映しやすいという。調査は1999年度から始め、2000年度は東部地域で10ヶ所、周南20,中部16,南部19、西部20の計85ヶ所で採取。地域別にひとつの検体としてまとめ、専門機関に残留濃度の測定を依頼した。

 その結果、西部では5.59ピコグラムTEQ/g(ピコグラムは1兆分の1、TEQは毒性換算係数)と前年度の3.84に比べ、「関東並みの高濃度」に上昇したという。学校の焼却炉をはじめとする焼却施設の稼働状況を総合的に点検する必要性を強lく指摘した。

 反対に、岩国市など東部地域で0.57ピコグラムTEQ/g(前年度1.56)、宇部市など南部で0.73ピコグラムTEQ/g(同1.57)で、それぞれ63.5%、56.5%の大幅低下となった。東部については、工業地帯での発生源の改善や小型焼却炉の使用減少、南部では今回から大規模な汚染源が少ない美祢市の5地点を採取場所に加えたため、相対的に濃度の値が下がったとみている。

 徳山市など周南地域と山口市など中部地域は、いずれも0.59ピコグラムTEQ/gで前年度に比べ16.9%、20.3%低下した。