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浅間山の外輪山、

黒斑山に登る!


その2

青山貞一*、池田こみち**、鷹取敦***
環境総合研究所
掲載日:2008年7月24日
無断転載禁


その1から

●トーミの頭に登りつめる!

 槍ノ鞘の先っぽからトーミの頭は眼前だ。

 だが、ここも濃い霧が立ちこめよく見えない。霧が濃いのでここで引き返すことも考えたが、霧が引くのをまってトーミーの頭に登頂する。トーミの頭は、溶岩堆積でできている。

 鞍部からわずか50−60mの高さに過ぎないのだが、たどりつく途中は急峻で、瓦礫が多く、滑りやすいにもかかわらず、高齢者の夫婦とおぼしき男女がどんどん登って行くのには驚いた。

 トーミの頭の頂上にたどり着くと、頂上には多くの登山者がおり、昼食のためにお湯を沸かしている。


トーミの頭に立つ鷹取氏
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 霧が深くて浅間山側はまったく見えないが、両手でピースをする池田こみち氏の後ろ側は、実は300−400mの断崖絶壁だ。見えぬが仏、見えないので怖くなかったが(笑い)。

 そういう私の背中の後ろは数100mの断崖絶壁である!


トーミの頭にて
撮影:鷹取敦、CASIO EXILIM EX-Z750


●黒斑山の頂上の登る!

 トーミの頭の頂上で休憩してから、黒斑山の山頂を目指す。標高差はそれほどないはずだが、一旦、トーミの頭の頂上に登っていることもあり、これが結構きつい。

 途中、珍しい鳥類に出会う。調べたところどうもホシガラスのようだ。


ホシガラス
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

ホシガラス(Nucifraga caryocatactes)
スズメ目 カラス科の留鳥で体長は 35cmほど。亜高山から高山の主に針葉樹林帯で生活する。成鳥は頭頂が焦げ茶色。全体には淡い焦げ茶色。幼鳥は頭も体も黒褐色。

 山頂近くに浅間山の火山活動をWebカメラと音で監視する装置が設置してあった。


火山活動監視装置
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 ※Webカメラの映像は以下のサイトで常時見れる。
 http://www.sakuken-asama.jp/


これは2008.7.24午前6:30のライブ画像

 この辺で山頂から降りてくるひとが「あと少し」とか「あと5分」とか言ってくれる。そしてトーミの頭の山頂からおよそ30分程度で黒斑山(2404m)の頂上に到着した。

 
黒斑山山頂(2404m)
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

黒斑山山頂の鷹取敦氏
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 疲れ果てたが、やはり山頂まで到達した達成感は爽快! 通常の1.5倍の時間をかけ、マイペースで登山したのが大正解だった。残念なのは、ガスが濃く立ちこめ、浅間山本体が見えなかったこと。これは次の機会にゆずる!


山頂にて。疲れ果てた表情(笑い)。
撮影:鷹取敦、CASIO EXILIM EX-Z750

 この時期、視界が開ければ下の写真にあるよう浅間山が直前に開ける!



 今回は時間がないので蛇骨岳への遠征はしない。これも次回以降にトライしてみたい!

 黒斑山の山頂からトーミの頭まで降りる。霧で見えないが、途中は下の写真にあるように、数100mの断崖絶壁もある。足を滑らしたら命はないだろう。


数100mの断崖絶壁が続く。
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10


トーミの頭からの下山
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10


疲労の色を隠せない池田。トーミーの頭から
中ルートで下山する途中。
撮影:鷹取敦、CASIO EXILIM EX-Z750


●中ルートで下山!

 トーミの頭を降りる。登るのはまだしも、急な崖を降りるのは結構大変だ。やっとのことでトーミの頭から鞍部まで降りると、そこに表ルートと中ルートの分岐点がある。


表ルートと中ルートの分岐点
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 この分岐点から中ルートで下山するのだが、靴を買った「みやがわ」のご主人が言われたように、登山より下山が結構厳しい。ひとつ間違うと転んでしまう。


下山モード。中ルートから登ってくるひともいた
撮影:鷹取敦、CASIO EXILIM EX-Z750

 私たちは登山は表ルート、下山は中ルートと決めていたので、ここで中ルートから下山する。

 途中、女性だけ6人の登山隊に出会う。彼女らが熱心に見ていたのが下の写真にある銀竜草だった。この花は葉緑素がないそうだ。白い半透明な花が何とも珍しい。


銀竜草(ぎんりょうそう)
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 下山中、銀竜草を接写する青山。


銀竜草を撮影する
撮影:鷹取敦、CASIO EXILIM EX-Z750

 下山ルートには500年以上の歴史を持つ天然カラマツの植物群落がところどころに見れる。


天然カラマツの植物群落の標識
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10


ここまで降りると車坂峠まであとすこし
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 ここまで下山すると車坂峠まであと一息。下の写真の真ん中に写っている施設はASAMA2000。


黒斑山側から高峰山側を臨む
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 下山後、最近完成した高峰高原ビジターセンターで冷たい飲み物をいただく。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10

 こうして浅間山外輪山の最高峰、黒斑山初登頂が終了した。おつかれさま!


つづく