環境総合研究所自主研究情報 川崎南部地区道路大気拡散シミュレーション調査報告
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環境総合研究所(東京都品川区)は、神奈川県川崎市南部地区(川崎区・幸区)における幹線道路からの自動車排ガス汚染濃度分布の実態を詳細に把握するための、シミュレーション調査を行いました。 調査報告書は川崎公害裁判において東京高裁に証拠として提出され、青山貞一 環境総合研究所所長が、平成8年2月に主尋問(原告側からの証人尋問)、平成8年4月に反対尋問(被告側からの証人尋問)で川崎南部地域における自動車排ガス汚染の実態・問題点等について第三者の専門家としての立場から証言しています。 以下に調査報告書の概要を示します。 |
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方向 | メッシュ間隔 × メッシュ数 = 予測範囲距離 |
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東西方向 | 50m × 244メッシュ= 12.2km |
南北方向 | 50m × 171メッシュ= 8.55km |
川崎区、幸区内の被告道路、関連道路(表2−2)及び各道路とも区境から1kmまでの範囲(図2−1)とする。
番号 | 道路種別 | 道路名 |
---|---|---|
被告道路 | ||
1 | 2 | 高速横浜羽田空港線(横羽線) |
2 | 3 | 国道1号 |
3 | 3 | 国道15号 |
4 | 3 | 国道132号 |
5 | 3 | 国道409号 註) |
関連道路 | ||
6 | 4 | 県道東京大師横浜線(産業道路) |
7 | 6 | 県道扇町川崎停車場線 |
8 | 市道皐橋水江町線 | |
9 | 市道池田浅田線 | |
10 | 市道南幸町渡田線 | |
11 | 4 | 県道川崎府中線 |
12 | 市道富士見鶴見駅線 | |
13 | 6 | 県道川崎町田線 |
14 | 6 | 県道鶴見溝の口線 |
15 | 5 | 市道幸・多摩線 |
16 | 幸町通線 | |
17 | 矢向町本通 | |
18 | 南加瀬中央通 | |
19 | 市道古市場矢上線 | |
20 | 6 | 県道大田神奈川線 |
図2−1 調査対象範囲
1) 昭和40年度、
2) 昭和49年度、
3) 昭和52年度、
4) 昭和60年度、
1) 窒素酸化物 大気汚染:NOX
2) 二酸化窒素 大気汚染:NO2
3) 浮遊粒子状物質:SPM
1)NOXの年平均濃度(対象道路からの寄与濃度)
2)NO2の年平均濃度(対象道路からの寄与濃度、及び、全ての煙源からの重合濃度)
3)SPMの年平均濃度(対象道路からの寄与濃度)
対象地域内及びその周辺の一般環境大気測定所(一般局と略)、自動車排ガス測定所(自排局と略)の概要を表2−3に示す。
種別 | 測定所名 | 大気汚染 | 風向・風速 | 備考 | |
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設置位置 | 測定高 | 測定高 | |||
一般環境大気測定所 | 大師 | 大師保健所2階屋上 | 12.6m | 16.4m | |
田島 | 田島保健所4階 | 15.7m | 16.5m | 昭和44年4月設置 | |
川崎 | 公害監視センター5階 | 19.6m | 28.1m | 昭和47年より現在位置 | |
幸 | 幸保健所2階屋上 | 12.1m | 14.2m | ||
中原 | 中原保健所3階屋上 | 16.3m | 26.9m | ||
測定所自動車排ガス | 池上 | 池上新田公園前 | 1.8m | ||
新川通 | 川崎警察署敷地内 | 1.8m | |||
市役所前 | 川崎市役所敷地内 | 1.2m | |||
遠藤町 | 御幸小学校敷地内 | 1.7m |
図3−1に本調査の計算結果より、一般局における被告道路および関連道路からのNOx、NO2年平均寄与濃度の計算結果を示す。昭和49年度における被告・関連道路の寄与率は49〜65%、昭和52年度における寄与率は44〜52%と高く、昭和60年度では28〜45%に下がっていることが分かる。
図3−2〜5に本調査のNOx寄与濃度の年平均値の面的分布を示す。
対象地域の幹線道路沿道の広い範囲において自動車からの寄与のみで高濃度となっていたことが分かった。
図3−2 昭和40年度 NOx寄与濃度年平均値
図3−3 昭和49年度 NOx寄与濃度年平均値
図3−4 昭和52年度 NOx寄与濃度年平均値
図3−5 昭和60年度 NOx寄与濃度年平均値
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