平良市西原の産業廃棄物処分場問題をめぐり、県が設置した「宮古産廃処分場調査の検討評価等に関する専門委員会」(委員長・渡邊昌東京農大教授)の住民説明会が二十一日、処分場周辺の大浦集落で開かれた。県専門委は、県知事へ答申する報告書案として健康被害については「ダイオキシン類暴露によるリスクはない」と説明。住民側は納得せず、「今でも(健康被害で)苦しんでいる」などと反発した。約五時間にわたる論議の結果、県専門委が知事に最終報告書を答申する前に、市の委員会と再度面談して調整することで合意した。
説明会には委員会や住民のほか、市の旧調査委員会、平良市民、在沖大浦郷友会など関係者百人余が参加した。
大浦自治会の下地博和会長は、県専門委の報告書案について「そのまま知事に答申すれば、住民が納得しないうちに問題は終わってしまう」と危機感を募らせた。旧市調査委の関口鉄夫前委員長らは、県専門委の報告書で使ったデータやサンプリング方法、計算式などの根拠を疑問視し、県、市共同での再調査を強く求めた。
県専門委の渡邊委員長は「市調査委の報告書には、事実誤認がある。データも提示してくれない」と批判。共同調査については「関口委員長と話し合いたい」と述べた。県文化環境部の久高将寛次長は「前向きに検討したい」とした。
説明会では、大浦住民が日々の苦しみを訴えた。二〇〇一年十一月に起きた同産廃場火災の出火原因について地元消防団員が「出火原因は野焼き」と指摘。県は「警察が調べたがそういう話はなかった」と反論した。
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