守大助さんの人物像と 裁判所の認定について 藤沢 顕卯 2007年1月22日 |
「僕はやってない!−仙台筋弛緩剤点滴混入事件 守大助拘留日記」(明石書店)に守さん本人が書いた以下のような記述があります。 「私は子供は好きですが、当クリニックの小児科は好きではないのです。◎診察時間が好き嫌いで違う。◎点滴がやたらと多く、子供に(点滴するかどうかを)聞くのである。」 また守さんの拘留日記の解説部分には起訴された1件の患者(4歳男児)について以下のような記述があります。 「母親に「子供には手術のこと話してないんです」と言われた守くんは「仮面ライダークウガに変身するために手術受けるんだよ」と言い聞かせ、手術後にオモチャの変身ベルトを買ってあげている。」 またクリニックの同僚で守さんの恋人である看護婦は彼のことを以下のように表現しています。 「結構、弱虫で犬や猫などの動物や高いところ・橋の上・ホラー映画が苦手。人に嫌われたり、拒絶されたくない思いが強すぎ、人に気を使いすぎるところがある。人と争うことが嫌いですぐ引いてしまう。心配性で小さなことにもくよくよ悩む。ちょっと泣き虫。」 この本全体にわたって感じられる守さんの印象、また論告書や判決文の中に出てくる守さんの発言からすら、とても素直で素朴な人柄が伝わってきますし、これらは私が面会で話したり、手紙でやり取りした彼の印象とよく合致します。 このような守さんが果たして後先のことも考えずに、さしたる強烈な動機も無く、ただのストレス発散などで5人の殺害(警察は当初他にも計約20件の犯行が疑われるとしていた)を試みたりするでしょうか? 大助さんの証言には、随所に大助さんの潔白性が表れているのに、裁判所はそれをことごとく悪意に解釈して無理やり犯人に仕立て上げようとしています。(人間としての常識を持っていれば分かるはずなのに) また他の証人の証言も、大助さんに有利な証言、証人はことごとく「虚偽の証言」とか「中立性を欠いている」と決め付け、逆に不利な証言、証人はことごとく「信頼できる」としています。客観的に見て、そこには何ら合理性、妥当性が無く、単なる恣意的な判断に過ぎません。 また他の証人と大助さんの証言の食い違いが度々取り沙汰されていますが、大助さんは長い間不当に接見禁止(弁護士以外面会禁止)が行われており、解除されたのはなんとようやく2005年の7月のことです。二審の公判が終わろうとしている頃、逮捕から4年半後のことです。 外にいる人たちはいくらでも記憶をたどったり、口裏合わせをすることも可能でしょうが、大助さんはその間、ほとんど一人ぼっちだったのです。時間の経過もあって、外にいる人たちと証言が違うこともありうるでしょう。 大助さんの言動についてはほんの少しの不自然さも針小棒大に解釈し、逆に警察の言動の不自然さについては全く不問に付しています。 記録で見られる彼の証言を演技で行うのは相当に無理があり、実際そのような複雑な演技ができるような人ではありません。 起訴事実も相当に不自然です。1件の事件では、患者の親や他の看護婦がいる中で堂々と筋弛緩剤を混入していることになっているし、他の件でもほぼ似たような状況で犯行を行っていることになっています。 大胆不敵で冷徹な人間像と、大助さんの人間像、彼の証言内容は全く一致しません。 大体そんな大胆不敵な人間が逮捕前の取調べ初日に自白したりするでしょうか。 「後で調べてもらえると思った。これが自白だとは思わなかった。」からこそ自白したのでしょう。 大助さんが自白したという犯行の動機も不自然極まりないものです。(=郁子医師に対する不満や北陵クリニックに就職する前に聞いていた話と就職後の条件が違っていた。郁子医師が当直の時間帯になってやっとA子の入院を決めたこと,それに対して何でいっも決断が遅いんだといういらだちがあった。) 逆に大助さんの人柄の良さを表す証言はたくさんあり、探すに事欠きません。 事件当初の新聞記事にはそのような証言がたくさん出てきますし、判決文の中にさえ以下のように記されています。 「院内において明るく人なつこく周囲と接し,手術の介助や,容体を急変させた患者に対する処置を的確に行うなどし,半田教授や郁子医師を含む周囲の者から信頼されて好印象を持たれ,被告人も半田夫妻に対し表面上は友好的に接していた。」 裁判でも証言に立ったクリニックのある医師などは、大助さんの日頃の人柄から彼の無実を信じており,本件につき自ら患者の親に電話をして,本事件はでっち上げであると伝えるなどしているくらいです。 また彼の恋人は今でも彼を信じて支援を続けています。 これらが大助さんの周りからの標準的な評価であり、私の印象にも合致します。 何故警察はよりによってこんな人を逮捕してしまったのでしょうか? 非常な憤りを覚えます。 支援組織である「守大助さんを支援する会」は以下の呼びかけを行っています。 1. 最高裁あて上申書の提出と署名集めにご協力ください。 http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0608zyousinnsyo.pdf http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0606saikousai.pdf 2. 最高裁に直接要望を送ってください。 要望先 〒102-8651 東京都千代田区隼町4−2 最高裁判所第3少法廷 裁判長 藤田宙靖 殿 3. 大助さんに激励の手紙を送ってください。 激励先 〒984−0825 仙台市若林区古城2−2−1 仙台拘置支所 守 大助 また現在、私は主に東京で支援グループの結成を呼びかけています。 ご参加いただける方はご連絡ください。 daisuke_shien@yahoo.co.jp <本件参考サイト> ○日本国民救援会宮城県本部 守大助さんを支援する会 http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/sub001.html ○asahi.com 本裁判の全ての公判取材記事が読める。 朝日記者からもかなりの決定的な疑問点が提示されている。 http://mytown.asahi.com/miyagi/newslist.php?d_id=0400017 ○テレビ朝日「ザ・スクープ」 取材VTRを3本見ることができる。 http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/update/special_back/20020216_010.html ○ノンフィクション作家の岩上安身さんの取材記事:「週刊ポスト」掲載より http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/past.htm ○同志社大学社会学部研究室 浅野健一ゼミ http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2001/sendai.html |