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今年2010年7月からこの問題にかかわることになった。徳島県美馬市環境整備組合が設置する「拝原最終処分場検討委員会」に住民側推薦委員として参加して欲しいという依頼を受けたからである。 まず、地図から場所を確認していただきたい。現場は徳島県美馬市(2005年3月に旧美馬郡内の脇町、美馬町、穴吹町、木屋平村が合併してできた市)の東端、曽江谷川と吉野川の合流する地点である。 吉野川河口(徳島市)から西に40kmの地点に位置し、吉野川の流域の平地に農地と集落が続いている。「北側の阿讃山脈、南側の剣山に挟まれ清らかな水と豊かな緑に囲まれた自然の美しい地域」と市のホームページにはうたわれている。 地図1 排原最終処分場の位置 地図2 同拡大図 吉野川 しかし、今この町は下流域の住民を巻き込んだ大きな問題を抱えている。 地図2に示したように、まさに吉野川と曽江谷川が合流する河川区域内に昭和48年頃から、旧美馬郡町村の家庭ごみや焼却炉の焼却灰、医療系廃棄物などが大量に埋め立てられてきた。 掘り起こされた廃棄物 その上、四国各地からも産業廃棄物が持ち込まれ、野焼きされた上で埋め立てられてきたため、膨大な量の負の遺産を抱え込むことになったのである。 民間の産廃処分場ではなく、行政(美馬環境整備組合)が行ってきたごみ処理の後始末である。もともとは吉野川の河川敷からバラス・砂利を大量に採取していた跡地を行政が取得し、処分場として利用してきたものとのことだ。 画像1:位置図1 画像2:位置拡大図 写真1:処分場脇を流れる吉野川(写真奥が上流部) 写真2:掘り返された廃棄物 写真3:掘りあげられた廃棄物 図よりあきらかなように、その場所は河川区域に大きく入り込んでいる。そのため、吉野川の堤防もその部分だけ未整備となっている。廃掃法の整備・改定が進み、当該処分場は環境省からも「不適切な処分場」と指摘を受け、国交省からは堤防整備の阻害要因となるため早急な撤去を求められていたのである。 このように長年先送りされていた処分場に埋め立てられている廃棄物の撤去に現美馬市長になってようやく着手することとなった。しかし、そのためのコストは膨大となることが明らかであり、市は合併特例債と循環型社会形成推進交付金 の適用を受けて実施に踏み出すこととした。 鉄バクテリア:吉野川汚染の兆しか? 市は平成18年度に専門家3名による検討委員会を設置して検討を行った。その検討結果を受け、さらに財政的な制約から(合併特例債の利用と交付金の適用)現最終処分場内の廃棄物を全量掘り出して隣接する水田に新たに管理型最終処分場を建設して移動することを計画したのである。 18年度検討委員 嘉門雅史氏(京大名誉教授) 端野道夫氏(徳島大名誉教授) 三井 宏氏(徳島大名誉教授) 他に、環境省の中国四国地方環境事務所保全統括官 国交省の徳島河川国道工事事務所長 徳島県環境局次長 美馬市 つるぎ町 という行政関係者が入った10人で構成されていた。 しかし、そうした市の意思決定と政策決定に不満と不安を抱いた地元住民や吉野川下流域(美馬市の東隣の阿波市の水道水源取水口は現処分場のすぐ下流に位置している)の住民が立ち上がり、市の決定について、再度、市民参加でその妥当性・安全性を検討し直す事となったのである。 それが、私が参加することになった標記委員会である。委員会は全部で14名で構成され、先の18年度の委員3名に加えて、住民側が推薦する専門家4名の他、関係自治体からの代表者(美馬市副市長とつるぎ町副町長)、さらに、関係市民グループから4名である。市民委員は以下の各グループを代表して参加している。
localhost/haibara1/youkou.pdf ★委員会設置要領、委員会名簿、配布資料、委員会の様子(会場写真)は以下の第1回、第2回の市のWebに掲載されています。第3回は昨日なので開催案内のみです。 第1回拝原最終処分場検討委員会 http://www.city.mima.lg.jp/3/678/002735.html 第2回拝原最終処分場検討委員会 http://www.city.mima.lg.jp/3/678/002901.html 第3回拝原最終処分場検討委員会開催について http://www.city.mima.lg.jp/3/678/002858.html つづく |