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天然忌の稽古
 池田こみち(宗蹊)  
掲載月日:2011年9月27日
独立系メディア E−wave


 表千家家元では、毎年9月13日に、七代家元如心斎宗匠の威徳を偲ぶ「天然忌」が営まれます。

 利休忌とならぶ大切な行事の一つです。

 如心斎宗匠(天然宗左居士)は、今日の家元制度の基を作り出した方として、表千家「中興の祖」と呼ばれています。「天然忌」には、床に画像に当る円相が掛けられ、その前に白い芙蓉や木槿の花を生け、お茶湯をお供えし、如心斎宗匠のお好みの道具を用いて、考案された七事式のお稽古をします。

 お家元での天然忌の床飾り http://www.omotesenke.jp/chanoyu/7_3_4_ph01.html

 如心斎:宝永2年(1705)〜寛延4年(1751)。表千家7代。6代覚々斎の長男に生まれる。

  家元制度の基礎を築き、七事式を制定するなど、茶道人口増大の時代に対応する

  茶の湯を模索した。千家茶道中興の祖ともいわれ、千利休以来の千家の道具や記録類を整理したことでも知られる。

 出典;表千家不審庵 
http://www.omotesenke.jp/cgi-bin/result.cgi?id=305

 久しぶりに、葦屏風を持ち出して、たくさんの花入れをかけ、社中みんなで秋の花を順番に生けて楽しむ「花寄せ」と5人が、花・炭・香・濃茶・薄茶を順に行う「且座(さざ)」の稽古で一日秋を満喫しました。

 今年は大震災にはじまり、9月には台風の被害が相次ぎ、自然の猛威を思い知らされる年となりましたが、静かに260年前に亡くなられた如心斎を偲んでお茶湯を供え、野の花を生け、穏やかな時をもてたことは幸いでした。自然の優しさや季節のちいさな花々に癒された気がします。

写真1 水屋に準備した秋の草花
     すすき、りんどう、藤袴、鶏頭、孔雀草、吾亦紅、
     秋明菊、秋のきりんそう、
     木槿(祇園守り、底紅)、小菊、
     芙蓉(一重白・酔芙蓉)


写真2 床の間
    軸 円相(大徳寺瑞巌和尚筆)、花入れ 如心斎好み 
    唐銅砧 白の芙蓉、
    茶碗 青磁蓮花


写真3と4 葦屏風の花入れに好きな花を生ける


写真5 すべての花入れに花が入った葦屏風の完成