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放射性物質汚染対処特措法の来年1月の全面施行に向け、国は福島県内の警戒区域と計画的避難区域で、効果的な除染方法を探る除染モデル実証事業が始めている。政府は、福島県の警戒区域と計画的避難区域にある4つの町と村の役場の、陸上自衛隊による除染作業を、明日12月7日から始めることを確認した。 また、放射性物質の除染に関する関係閣僚会合が、12月6日朝開かれ、この中で、藤村官房長官は、「今年度の第3次補正予算の成立などで、およそ4600億円が確保でき、除染を加速させる条件が整いつつある。除染を進めるよう求める住民の声も高まっており本格的な除染のステップを着実に進めてもらいたい」(NHKニュース)と述べている。 除染作業をする人手とお金が仮に整っても、高圧水洗浄で洗い流した放射性物質や重機で剥ぎ取った土壌中の放射性物質はいったいどこに処分しようというのか。 処分先や処分方法が決まらないままでは、つぎ込んだ人手と予算が無駄になる可能性もある。 専門家の検討が行われていると言うが、「ドラム缶に入れて海に投棄するのが最も合理的」と政府に提言しようとしている研究者がいるという。「腐食しないで高圧に耐える容器」とのことだが、これまでの諸外国の調査などをみれば、海底に投棄された放射性物質の入ったドラム缶が腐食し流出して海洋生物や海洋生態系を汚染していることは明らかとなっている。 フランスのテレビ番組「終わらない悪夢」では、海底に投棄された放射性廃棄物が入ったドラム缶の現状をグリーンピースが海底にもぐって調査した様子が映し出されている。海底に投棄されたドラム缶は朽ち果て、放射性物質が流出し、食物連鎖の中に取り込まれていく。壊れたドラム缶にはウナギなどが生息していた。 ■フランスのテレビ番組「終わらない悪夢」(テキスト前編) http://eritokyo.jp/independent/aoyama-fnp123..html 「世論や国際社会の反発は必至」との見方がある中で敢えて、こうした提案をしようというのだから、よほど除染された放射性物質の処分先の検討が行き詰まっていると見るのが妥当だろう。 福島県内では、土壌中の放射性物質濃度が冬場になって高くなってきているという報告もある。山の木々が葉を落とし、その上を流れた雨がまた山から放射性物質を里に運んでいるという状況は明らかで、除染の効果や処分先も定まらないまま、先の見えない作業を続けることには疑問を感じざるを得ない。 除染作業によって放射性物質が拡散したり不安定な状態に置かれることだけは避けなければならない。
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