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産廃処分場上の住宅開発、
さらに12名が愛知県と都市再生機構を提訴


池田こみち
 
2008年11月11日 無断転載禁


 提訴は当然のことだろう。誰が、愛知県が造成し、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構:平成16年に都市基盤整備公団と地域振興整備公団の地方都市開発整備部門一体化してできた組織)が販売した住宅団地の下が産廃処分場であることを想像できただろうか。しかも地盤沈下と有害物による汚染も明らかになっている。

 この事件については、地元で運動の中心にいる丸山直希氏が独立系メディアに愛知県への公開質問状を投稿している。
「桃花台ニュータウンの軟弱地層及び産業廃棄物による沈下問題に関する愛知県知事への公開質問状」
http://eritokyo.jp/independent/komaki-col0001.html
 現在、住民の不安と怒りをよそに、愛知県とUR都市機構はお互いの責任をなすりあうという醜い法廷闘争を繰り広げている。終の棲家としてこの地に居を構えた方々も高齢化が進み、この問題とどのように対応したらいいのか、それぞれの事情もあって地域は大変な苦境に立たされている。今後も提訴に踏み切る住民が相次ぐことが予想されるが、このような事案に対して、司法がどのような判断を下すのか、注目していきたい。少なくともまともな対価を支払って分譲住宅を購入した人々にはなんの落ち度もないはずである。


試掘調査でサンプリングする住民(撮影:池田こみち)


地下からは油が!(撮影:池田こみち)


桃花台団地を取材する記者たち(撮影:池田こみち)


中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/national/
news/CK2008111102000067.html

桃花台訴訟、新たに住民12人提訴 愛知県と機構に損賠請求

2008年11月11日 朝刊

 愛知県小牧市の桃花台ニュータウンで2001年、地盤沈下が起きて地中から有害物質が見つかった問題で、住民ら12人が、宅地造成した県と住宅を販売した都市再生機構(横浜市)に対し、有害物質の除去と計1億2000万円の損害賠償を求めた訴訟を10日、名古屋地裁に起こした。

 訴状によると、県は1987年、造成した宅地を機構に売却。機構は建売住宅を分譲し原告らは88−89年に購入した。2001年に一部住宅で地盤沈下が発覚。調査の結果、地下に環境基準を上回る鉛やヒ素を含む産業廃棄物が埋まっていたことが判明した。

 原告側は「県は有害物質があると知りながら造成し、機構も必要な調査や廃棄物撤去をしないまま分譲した」と主張している。

 同ニュータウンをめぐっては、機構が06年、損害賠償を求めて県を提訴。07年には別の住民3世帯が県と機構に約1億円の損害賠償を求めて提訴している。