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今日28日は折しもうちの猫(ちょり)が亡くなって三回忌に当たる。 チョリについては、青山さんが書かれた以下の追悼コラムをご覧いただきたい。20歳目前の大往生だった。 ◆青山貞一:チョリちゃんのご冥福をお祈りします。 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7316.html 一年の仕事を終え、久しぶりにのんびりとCSを見ていたら、興味深い番組をやっていた。ナショナル・ジオグラフィックの特集で、闘犬として違法に飼育されていたピットブルをNGOが保護し、殺処分されるところをリハビリして里親に引き渡すまで面倒を見る、という番組だった。 この話題はロサンゼルスタイムスなどメディアでも大きく取り上げられ、全米の注目を集めていたようだ。折しも、12月20日に武蔵工業大学(横浜キャンパス)で開催された環境行政改革フォーラムの研究発表会の中に、宮崎県における違法な動物の殺処分問題に対する問題提起「犬猫が虐殺される背景に天下り法人の利権」という発表があり、この問題に対する関心が高まっているときだっただけに、日本の実態との差が浮き彫りになって番組に引きつけられた。 ○ロサンゼルスタイムスの記事 今回取り上げた話題は、全米で有名なフットボールの選手が違法に闘犬用にピットブルを多数繁殖させ、虐待に近い扱いをしていたことが摘発されたことから始まる。 40頭以上も保護されたが一部は生まれながらに闘犬として育てられていたため、人にはなれず、凶暴な性格であることから殺処分を余儀なくされたが、そのなかから22頭が動物愛護団体に引き取られ時間をかけて心身に受けた傷、トラウマを癒し、リハビリを受けながらその回復を見極め、最終的に里親に引き取られていく、というドキュメンタリーである。 引き受けた団体はユタ州にある Best Friends Animal SocietyというNGO、その団体は全米30万人の会員が支える団体で、殺処分される犬猫を一匹でも減らすために日々活動している団体だ。 1980年代には全米で年間1700万頭もの動物が殺処分される状況だったが、この団体がNo More Homeless Pets というキャンペーンを開始してからは劇的に殺処分される頭数が減少し、500万頭ほどにまでなったというのである。 この団体の詳細については、以下のホームページをご覧いただきたいが、番組では22頭のピットブルのなかから4頭にスポットをあて、それぞれの立ち直りの道のりを時間をかけて追跡取材しているので見応えがあった。 ピットブルといえば、見た目もちょっと怖いまさに闘犬を彷彿とされる犬だが、彼らの傷ついた心と体をスタッフの愛情あふれるケアーで立ち直らせ、ペットとしての資格検定を受けて里親にもらわれていく姿は実に感動的なものだった。 獣医師、訓練を行うトレーナー、などのチームプレーはすばらしく、傷ついた動物への愛情に満ちていた。 ○ベストフレンドのURL : ○ピットブルリハビリプロジェクトの紹介URL: こうした取り組みが全米の一般市民の寄付でまかなわれ、大きな成果を上げている点は大いに見習うべきである。日本にも心優しい動物愛護市民グループや個人は多いが、個人の善意や努力に依存しているケースが多く、組織、財政力、などすべてが脆弱なのは否めない。 イギリスのRSPCA(The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals http://www.rspca.org.uk/)という歴史のある動物愛護団体が大きな役割を果たしている。 欧米でこうした活動が定着している背後には、動物愛護とはどうあるべきなのか、という根本的な考え方を社会の共通認識としてもっていること、そして、それを実現するための法制度、社会システムが構築されていることが日本との大きな違いであると思われる。 日本における野生動物保護、ペットを含む動物愛護の実態をしっかりと見極めたうえで、参考となる欧米のシステムに学び、日本の現状を少しでも改善したいものである。その意味で今回の宮崎県のNGOからの問題提起、告発は私たち日本人一人一人に突きつけられた非常に重い問題として受け止めなければならないだろう。 |