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最近、動物愛護問題、中でも日本のペット殺処分数が年間30万頭を超えるという問題を取り上げたテレビ番組をよく見かける。1月18日月曜日夜9時からのテレビ朝日バラエティ番組「TVタックル」でもまるまる一時間この問題に焦点を当て、日本がいかにペットブームの影で本来の動物愛護のモラルも政策も遅れた国であるかを紹介していた。 スタジオにはレギュラ−出演者(ビートたけし、阿川佐和子、三宅久之、福岡政行などの各氏)に加え、民主党議員岡本英子氏、獣医師野村潤一郎氏、などとともに、元ペット業者の方が出演し、その実態、裏事情を告発した。 番組ではビデオでペットを巡る@飼い主のモラルの低下の問題、Aペットショップやディーラーなど業界側の実態、B行政の対応や制度上の問題などを取り上げていたが、なんと言ってもビデオ出演していた環境省自然環境局総務課動物愛護管理室室長安田直人氏のコメントにはトンデモそのものだった。 ○安田室長の問題発言 1)深夜まで営業しているペットショップでは、バーなどの女性に 男性がペットをプレゼントするために買いに来るケースが多く、 そのペットを女性が再びペットショップに売りに来る、というペット リサイクルが横行している実態に対して「環境省としては、深夜 の営業を規制することは出来るかもしれない。」と発言。 2)ドイツなどヨーロッパ諸国では、8週齢未満の子犬を親から引き 離すことが禁じられているが、日本ではそうした規制がないこと を指摘されて、「ヨーロッパでのそうした規制には科学的な根拠 が無く、必ずしも日本の実情、状況には当てはまらない。(日本 に適用できないというニュアンス)」と発言。 3)環境省は2017年までに殺処分数を50%削減という目標を立 てているが、現状は年間30万頭以上が殺処分されており、飼 い主が持ち込むケースが非常に多くなっている。また、悪質な ディーラーやペット業者などから持ち込まれるケースも多い。こ れに対して、「現状では犬猫などの殺処分はやむを得ない。」と。 いったい環境省という役所は何のために存在するのだろうか。もちろん法律を改正しない立法府にも問題があるが、動物愛護管理室の責任者が、殺処分を容認し、ペット業者やブリーダーの規制にも消極的ではこの国の動物たちは浮かばれない。一握りの心優しい本当の動物愛護家市民やNPOの善意にばかり頼っていては30万頭の命は到底救えないのである。 しっかりとした制度の下で、悪質な業者(ペット販売業者、ブリーダー、獣医など)を規制・監視し、動物たちがまっとうにその生を生きられるように助成、支援をする制度を確立ることが早急に必要である。 現在、年間57億円が殺処分関連で支出されているという。その税金を本来の動物愛護のためにより有効な政策に振り向けるためにも、国会での議論を経て、法制度を改訂し、自治体の取り組みを見直すことが必要だ。 ペットを安易にペットショップで購入できる、インターネットオークションで売買できる、資格もなく動物を繁殖できる、金儲け主義の獣医の乱診療、などペットをめぐる問題は山積している。 先進国、GDP世界第何位などと偉そうなことを言っても、ペットすらまともに面倒見られない野蛮な状況では、到底国際的に通用しない「恥ずかしい国」として諸外国から指さされ続けるだろう。 |